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真っ直ぐな気持ちで私を好きになってくれた人との出逢い
出逢いは突然やってきた。
18歳の初夏のこと。
高校を卒業した後に通っていた地元の英語学校の友達数名とクラブに行った夜。
そのうちの一人ユウコが行きつけの、とあるバーにみんなで行くことになった。
外国人がよく集まるインターナショナルな雰囲気のバー。
いま思い返せば、バーに行ったのはあのときが初めてだったかもしれない。
大通り沿いに面した古い建物の2階にあって、ドキドキしながら階段を上ってユウコがドアを開けると、大音量で音楽がかかっていた。
薄暗い照明のこじんまりとしたスペースの角にバーカウンターがあって、その奥にいたママさんらしい人が笑顔で迎えてくれた。
「わー。大人の世界。。。」
というのが最初の印象だった。
店内にいた客が全てアメリカ人だったことにもドキドキした。
しばらくすると、客のひとりがこちらに歩いてきた。
「ハーイ!」
と話しかけられたのは、私ではなくて、私の隣にいた友達のヒトミ。
その彼はヒトミのことをとても気に入ったらしく、一生懸命コミュニケーションを取ろうとしていたけど、ヒトミは英語がほとんど話せなかったので悪戦苦闘していた。それで私が2人の間にたって通訳をしてあげた。
英語学校に入ってから学校以外でネイティブの人と話す機会がなかったので、私はネイティブの人と話せたことがうれしかった。
何よりもうれしかったのは、言っていることが全て理解できたこと。
そして私の英語がちゃんと通じていたこと。
自分の英語力を試せるいい機会だった。
しばらくすると、ヒトミに話しかけてきたアメリカ人の友達も会話に入ってきた。
その人と、アメリカの話から好きな音楽の話になって、好みの音楽が似ていたことに興奮した私。意気投合して話はどんどん盛り上がっていった。
こんなに話しやすいアメリカ人に会ったのは初めてだった。
とにかく話が尽きなくて気づいたら朝になっていた。
このままずっと話していたかったけど、お互い一睡もしていないし、とりあえず帰ることになった。
帰り際に
「いつでも電話してね。」
と電話番号を渡された。
そのあと家には帰らず、あのお店に連れて行ってくれたユウコの家に泊まった。
昼過ぎに目が覚めて、私はまたあの彼に会いたいと思った。
多分その気持ちがユウコにも通じたんだろう。
「電話かけてみよっか」
と言ってきた。
「ちょ、ちょ、ちょ、ちょっと待って!!
私、英語で電話なんてかけたことないよ!何て言っていいかわからないし。。。」
と言っている私の横で、すでに電話を握っているユウコ。
トントン拍子で話が進み、何とその日の夕方に彼と会うことになった。
(続く)
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