[第三回]作曲家の歌ってみたMIXメモ
こんにちは!XLigerです
三回目の投稿になります!
前回はボーカルトリートメントについてでしたが、今回はハモリ生成について書いてみようと思います!(あくまで個人の感想です)
この回で使用する想定のプラグイン
DAW
steinberg/Cubase 12 pro
Plugin
Melodyne/Celemony
Doubler/waves
ハモリの考え方
ハモリは原曲を聴いて、正しいピッチで調整をする必要がありますよね!
でもたまに聴きづらいパートがあったり・・・
そんなときに助けてくれるのがオケのコードになります!
これを作曲家の観点で考えてみると
・ポップスのレンジは1オクターブ+2音が多い。
・ハモリが複雑な音程になることもあまりない。(アップテンポの曲は特に)
これはポップスの性質上、伴奏楽器(ギターなど)の影響で内声が動かないブロックコードになることが多く、複雑なハモリだと内声が衝突して逆効果になることが多いことが大きな要因である気がします。
ですので、ポップスのハモリはボーカルレンジを考慮すると
・3度
・4度
・5度(コードがダイアトニック上のⅠかつ、ハモリと直行解決ではないとき良好)
↑3パターンを意識するのがおすすめです・・・!
これを意識すれば、大体の歌ってみたに対応できるか思います。
もちろん例外もあります(例えば4度積みなど)
・4度積み系は 機能性の弱いコード上で民族的な表現として使われる場合もあります
浮遊感とはちょっと違う印象でモノフォニックに厚みを出すイメージです(倍音的なものと考えていいと思います)
5度の例(ちょっと固い話)
・コードがダイアトニック上のⅠ
楽曲のKeyCのときコードCのこと
・ハモリと直行ではないとき良好について
例えばKeyCでオケのコードがG→Cと想定すると
良好
・メロディがレ→ドにいくとき、上ハモがファ→ソにいく
・メロディがレ→ドにいくとき、上ハモがソ→ソにいく
微妙になりがち
・メロディがシ→ドにいくとき、上ハモがファ→ソにいく
クラシック和声を勉強されている方の中には違和感がある人もいるとは思いますが、ボーカルレンジや伴奏の関係も考慮するとこれらが良好といえます。
↑の例は5度でしたが、終止は直行4度にも気をつけたほうがいいかもしれません。
実は・・・
ハモリが3声、4声になれば直行もあまり気にしなくて良かったりします・・・笑
声部は増えれば増えるほど1度(8度),4度、5度は倍音扱いになる傾向があります。
最終的に耳で違和感がないか確認することを忘れずに!
ハモリ生成
次は修正プラグインを使ってピッチ補正をしていこうと思います。
メロダインでは、二度以上音程をかえると声質の変化が目立ってかなり機械的になります。ですが、MIXのときにメインと一緒に混ぜれば不思議と調和されて機械的な違和感がかなり減少します。纏まりが出て良好に聴こえるほどです。
なので、歌ってみたのハモリ部分は少しきつめにピッチを修正しても大丈夫です!
もちろん別々で録音するほうが厚みと広がりがでるのですが、
数多く、スピーディー、低価格で生産する必要がある歌ってみたMIXではこれが主流だったりもします。
ダブリング
ダブリングは歌ってみたに限らず、MIXをする際にかなり重要な要素になります。
この概念を知識として持っているかどうかでクオリティの良し悪しが決まるといっても過言ではないです!(いいすぎ??)
私はDTM作曲からはじめたのですが、長年ダブリングの正確な役割を理解しておらず、かなり損をしていたなぁと思います。プロの作家様やレコード会社様との交流で改めて重要視するようになりました。
注意点として、
センターのメインボーカルに同素材をかぶせて作るダブリングはエフェクトとしての効果なので今回のダブリングとは全く違います。
↑独学の方は勘違いすることがあるかもしれないので特に注意しましょう(私は昔このことだと思っていました)
同じMono素材のPanを左右に振ると
真ん中から音がMonoで聴こえてしまうのですが、
片方のタイミングとピッチを少しずらすことで
センター中心のワイドに聴こえるようになります。
これはハース効果を利用しています。
ピッチ6~8cents、タイミング8~10mscでずらすといい感じになると思います!
左右の開き度合は自由に決めていただいて大丈夫です!
私は上ハモ、下ハモの場合は30~50ほどで調整していることが多いです。
・30だとメインと馴染みがよく、一本の線としてまとまり良く聴こえます。
・50だとワイドに聴こえるのでオケに迫力がプラスされます。
・50~100はコーラス等で使うことが多いです。
特に決まりはないので、それぞれオケとの馴染み方を自分の耳で聴きながら決めるのが鉄則です!
・プラグインでもダブリングを作れるものは多いのでおすすめです。(Doubler/waves等)
作曲においてのダブリング
ダブリングの効果が理解できるとMIXに対する考え方が理解できるようになるので、レベルをグンと上げることができます。
慣れてくると同じ音でなくても帯域が近くて異なるニュアンスの音同士を左右に振ることで楽曲をワイドを作ることができます。(帯域をダブリングさせる感覚で素材を選ぶ等)
最近の楽曲だとパーカッションやFX、シーケンスなどで使われていることがあります
こうすることでセンターにボーカルのスペースを作ることもできます。
ただ、歌ってみたでは基本オケはいじれないので別の方法でセンタースペースを作ることになります。この話は後々したいと思います。
まとめ
今回はダブリングについて書きましたが、いかがだったでしょうか?
これだけで今まで悩んでいたことが解決した人もいるかもしれません。
それぐらい大事な処理ではないかなと思います!
それと、MIXはある慣れれば音を聴かずにある程度修正を進めてしまうことは可能です。
でも・・・
最終的に耳で確認することを忘れないでくださいね
↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑
というお話でした・・・!
皆様貴重なお時間をいただきありがとうございました!第3回はこれで終わりになります!(˘ᵕ˘ )
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