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光は神様?預言者? -フェルマーの原理-

今日は光に関する面白くて神秘的な話をしてみようと思います。

光ってなんかすごいんでしょっていうのは共通認識としてありますよね。

一番有名なのはなんといっても速さ。

光は1秒間で地球を7週半回るというとんでもない速度で動いています。

ちなみに光よりも速いものはこの世にはないとされています。

これだけでもすごいんですが、光はほかにも面白くて摩訶不思議な性質をいくつか持っています。


今回の記事では"光があたかも未来を予知しているかのように動く性質"についてお話したいと思います。


それを説明する為にはフェルマーの原理という法則について知る必要があります。
数式も一切出てこない簡単な原理なので緊張せずに聞いてください。


フェルマーの原理

先に結論をかくと、フェルマーの原理とは

光は最短時間の経路を取る性質がある

というもので、名の通りフェルマーさんが発見した原理です。

ぱっと見た感じではどういう意味かよくわからないと思うので一つ例を出してみたいと思います。

みなさんはお風呂に入った時に、水面に指を近づけて

「あ~!指が短くなってるー!」

っていう遊びを一度はやった事あると思います。
無かったら今すぐやってきてください。

あれは光の屈折という性質によって起こるんですね。

ちなみにこの記事のサムネになっている水晶に映る像が反転するのも光の屈折による現象です。

簡単に図で示すとこんな感じ。

光は基本的に直進しかできないんですが、他の物質の中に侵入する時は曲がってしまうんです。

これを聞くと普通の人は「あーそういうもんなんだー」で終わりますね。

しかし変態物理学者たちは違います

「なんで曲がるんだーうわーーー!!!仕組みが気になるーーー!!!!」

と頭を抱えはじめます。

そこで発見されたのがフェルマーの原理です。

-フェルマーの原理-
光は最短時間の経路を取る性質がある

これは簡単に言うと光は目的地まで出来るだけ短い時間で着きたい意思を持っているという事です。

先ほどの図に少し線を付け足してみます。

本来であれば赤い点線のように直進で行ってくれればなんとなくスッキリするんですが、実際には黄色のようなルートを通ってしまいます。
この理由をフェルマーは

「黄色のルートで行った方が目的地に"早く"着けるからだ。」

と説明したんです。

どういうことか。

光がめちゃくちゃ速い事は最初に話したと思いますが、実は水中に入ると少しだけ遅くなります。

フェルマーの原理によれば、光は目的地まで出来るだけ短い時間で行きたい意思を持っているそうです。

その為、直線的に行くよりも空気中で距離を稼いでから水中に入ったほうが時間的に早く、光はそのルートを好むという事になります。


もし、ここまで聞いて分からなかった人は、人間に置き換えると分かりやすいかもしれません。

もしあなたが砂浜で遊んでいて海で溺れている人を見かけた時、どのように助けに行くでしょうか。

正解は、”助けに行かずにライフセーバーを呼ぶ”です。


・・・すいません。


今回は、自分がライフセーバーだと仮定します。

恐らくほとんどの人は直線では行かずに出来るだけ砂浜を走って近づいてから泳ぐでしょう。

それは泳ぐより走ったほうが断然速いからです。

このルートがさっきの光と酷似してるのが分かると思います。

同じ事を光もしているのです。


これがフェルマーの原理です。
それではこの知識をもって光の神秘に触れてみましょう。

光の予知

光は出来るだけ短い時間で移動したいせっかちな生き物であるという事が分かりましたね。

ここで面白いのは光は最短時間の経路を”必ず”取るという事にあります。

“必ず”というのがポイントになっています

必ずとれるとどう面白いのかこんな例を出してみます。

あなたの近くに宝箱が落ちていました。多分中にはすごいものが入っていそうです。絶対に取りたい!!

しかし宝箱は沼の上にあり、早く取らないと沼に飲み込まれてしまいそう。

(早く取らなければ!!)

そう思うはずです。

さあ、あなたはどんなルートを通るでしょうか。

よくわかんないけどまっすぐ行けばいいだろ!と思って赤いルートで進んでみたら、沼にはまりとんでもない時間をロスするかもしれません。

逆に沼は陸地より時間がかかると予想すれば、青いルートを取るかもしれません。
しかし、実際に沼地に入ってみると、別にそんなにドロドロしてなくて「やっぱり直線で行けばよかったー!」となるかもしれません。

人間が未知の物体に遭遇した時には実際に触れて確かめてみなければどんなルートを取れば良いのかわからない事が往々にしてあります。

しかし、光は違います。

光は未知の物質にぶつかったとしても絶対に最短時間で目的地まで到達できます。

以下に透明な未知の物質が存在した時の光のルートを示してみました。

光は黄色のようなルートを取りました。どうやらこのルートが最短のようです。

光はこのルート以外は絶対に取りません。未知だろうが既知だろうが関係なく最適な角度を導きだして曲がります。

これはとても不思議な事です。

だって、未知の物質はどんな構造をしているのか、どんな性質があるのか全く分からない訳です。当然その中に入ったらどのくらいの速度で進めるのかもわからないはずです。
なのにも関わらず、光は未知の物質内で進める速度を事前に知っているかのように最適な角度を見つけ出す事ができるんです。

どうやってそれを導きだしているのか。理由は分かっていません。

なにか秘密の計算しているのか、はたまた光の直感が鋭すぎるのか、何もわからないのです。

もしかしたら、光は神様で光にとって未知の物質なんてものはなくて、すべてを知っているのかもしれません。


いかがでしたでしょうか?


物理や数学の世界は論理的に説明していく分野ではありますが、その根元にある説明できない不思議な現象についても面白いものだという事を知っていただけたらと思います。


この他にも光には面白い性質が沢山あります。気になった人は色々調べてみて下さい。


それではまたー。


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