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大仏開眼

「鎌倉殿の13人」、毎週のように見ている。大河ドラマをここまで真剣に追い続けるのは、思えばはじめての経験だ。物語の進行から場面の構成にいたるまで、いろいろと楽しい発見があり、勉強になることが多かった。

第22回の放送では、後白河院の死が取り上げられた。ドラマの中で、名のある人物がつぎつぎと非業の死を遂げてしまうことが大きく議論されているもようだが、その中で、後白河院は、いわば自然の死を迎えることができた。そして、ドラマでの数々の死に伴われる衝撃や追想の念は、なぜかこの人物にかぎり起きてこないというのも、広くコメントされた。

個人的には、その死の場面において回想として東大寺大仏の修復に従事したのだと取り立てて強調したことが印象的だった。そしてそれを視覚的に表現するために、きわめて短いが、つぎのような場面を用意してくれた。大仏開眼に立つ後白河院、それも言葉通りに大仏の目に大きな筆で黒を入れたのだった。

この画面の着想は、はたしてどのように得られたのだろうか。これまで、古典の画像資料からは似たような構図を見た記憶はない。一方では、現代の行事などを調べてみると、「東大寺大仏開眼1250年慶讃大法要」との記事があった。ちょうど20年ほどまえの出来事であり、新造の菩提僊那僧正像開眼の写真が載せてあり、お寺の行事などの場面がヒントになったとも想像できる。

いまは、ただ一つの課題としてここにメモをしておくこととしよう。すぐには答えが見えてこない。

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