3D画像作成ツール
絵巻などの画像を立体的に作り直して楽しむということは、ずっと気にしていた。なにげなくクリックしているうちに、「Mental Canvas」というソフトの存在を知った。WindowsとiPadと両方で使えるもので、手軽に取得できる。時間を見つけて試してみた。
いまごろのソフトらしく、とにかく機能を絞り、それにあわせてあれこれとソフトが計算して手助けをしてくれるというツールだ。3D画像に関しては、独立の画像に違う視点からのビジュアル情報を追加するというのがキモである。ソフトの中では、「Parallel Project Canvas」(平行プロジェクトキャンパス)と「Hinge Project Canvas」(ちようつがいプロジェクトキャンパス)との名前を与えている。前者は背景に対しての前後の関係、後者は軸を据えての情報だ。もともとどんな名前を付けてもすぐに伝わるものではない。その分、親切な説明を用意してくれた。主な機能につき、十数分にも及ぶビデオという思い切ったものである。
それでも使えるまでにはけっこうごたごだった。いずれにしても、なんとか最初の小さな作品にたどり着くことができた。平面の絵から、極端に視点を変えたのは、つぎの二つ。
一方では、3Dのビジュアル効果はやはり動かせてよりはっきり見える。
利用した絵は、国立国会図書館蔵『弱竹物語』。その第一段の後半、美しい女性のあとを蔵人が追い、なぞの歌を詠み聞かされた場面である。とても楽しい物語なのだ。