文字絵「大ともくろぬし」
今週の歌人は、大伴黒主。まずその歌を読んでみよう。『古今和歌集』の序に取り上げられて、六歌仙の一人に数えられながらも、百人一首には選ばれなかった歌人である。
かゝみ山いさ立よりて見てゆかん年経ぬる身はおひやしぬると
鏡山/いざ立ち寄りて/見てゆかん/年経ぬる身は/老いやしぬると
北斎の浮世絵に描かれた文字は、今度もすぐには答えが出てこなかった。読み取りを振り返ってみると、すぐ分かったのは、「と」、「ろ」だった。これで一つの方向性が見えた。続いて、「も」。「く」は形がはっきりしているが、書き方にはすっきりとは言えなかった。かなり眺めてから分かったのは、漢字の「大」だった。これも形がはっきりとは言えないが、読めないことはない。残りは答えから逆に推測するだけだった。「ぬ」は、最後まで不安が残っている。
今度も、GIF動画に纏めた。
ちなみに絵の所蔵は、LOC(Library Of Congress)、アメリカ議会図書館である。