収穫はもうすぐ。炎天下、稲木を作る。
中心市街地の北東側に位置する中池見湿地は、ラムサール条約にも登録される貴重な生態系が残る大切な場所。ここでは、貴重な生態系を体感しながら、手作業で米を育てられる「ミニ田んぼサポーター」という活動が行われています。
今年の4月からこの活動に参加し、田植えや定期的な草取りなどを行なってきましたが、約4ヶ月がたち、ついにお米が実り始めました。
まもなく収穫の時期ということで、今回は、刈り取った稲を乾燥させるための「稲木」を作りに行きました。
稲木と一口で言っても、様々な形状がありますが、中池見湿地では、伝統的に縦に長い稲木を作るようです。最近では、乾燥機が発達したことで稲木に稲をかけて乾燥させる「稲架掛け」の風景が見られる場所は少なくなってきているようです。日本の原風景的な景色が残る中池見では、今でも稲架掛けによる乾燥が行われています。
しかしこの稲木、真夏の刺すような日差しの中で組み立てるのはかなり大変でした。
男結びを学ぶ男性陣
この日の作業は朝9時スタート。それでもすでにカンカン照りの中、水分をこまめに取りながら作業を進めます。稲木のベースとなる長い柱に、竹の棒を横わたしにして、結びつけていくのですが、この結び方がなかなか難しい。
力が必要だから「男結び」という名前が付いたのでしょうか。中学生の頃かこの結び方を実践してきたという地域のベテランお二人に教えてもらいながら、男性陣が一人ずつ挑戦していきます。しかし、なかなか苦戦している模様。女性陣はなすすべもなく、炎天下の中この光景を見守ることしかできませんでした。
ちなみに男結びの名前は、着物帯の結び方から由来しているそう。別名貝の口と言われるこの結び方は、男性の帯結びで最も一般的な形状のようです。
着物以外では、雪囲いや竹垣を結束させる際にも用いられる結び方で、強度が強い結び方なのだとか。
ベテランさんに「う〜ん、50点!笑」などと、やさしくも厳しくご指導いただきながら、結び方を習得しようと皆さん頑張っていました。
高いところは脚立を使って。水分をこまめに取りつつ、黙々と作業を進めます。
収穫は2週間後
5段の稲木を取り付けてこの日の作業は終了。稲木の周囲には鹿対策のネットを張り巡らし、収穫した稲を迎え入れる準備は万端です。すでに、実ったお米をついばむ鹿たちも来ている様子。収穫まであと2週間、なんとか食べられるところがあることを祈ります。
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