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2023年度を振り返る──行動力と巡り合わせと

 早いもので2023年度も今日で終わり、明日からはいよいよ私の同級生がドシドシ社会人になっていく。他方私は新たな大学でとはいえ学部3年生を続けるわけだが…。
 とはいえ、ここに至るまでの一年間は確実に私の人生で最も大きな変化があった1年と言っても過言ではない。今回はそれを振り返りつつ、そこに至るまでに最も大切だった「行動力」の大切さについてつらつら書いていきたい。

〜6月 先の見えない不安の中で

 思えばこの時期が一番しんどかった時期だろう。中国にいる中で思うように言語能力も上達したとは感じなかったし、この大学にいて将来どういう職種につけるかも、さらに言えばこの大学での勉強が本当に自分がやりたかったことかも分からなかった。
 そういう中でも、何故か留学生活の今を楽しもうという気分だけはあった(単純な人間なのである)。そこで選んだのが中国の各地方への旅行である。省を跨いだ移動が再開されてから、帰国するまでの4ヶ月で16の省・自治区を色々と訪問したが、今思えばこれは一種の現実逃避だったのかもしれない。
 ただ結果的にこの旅行で得た学び、経験(例えば国安とやり合うとかしたら、ある意味で語学力も磨かれるのである)が帰国してからの私の運命を大きく変えることになった。

7〜9月 甲府での経験、人と繋がる大切さ

 6月末に日本に帰国したあと、甲府の方で行われる朝鮮関係の研究会での講演依頼を頂いた。なんでも留学中に訪れた中朝国境で見てきたことを話してほしいという。私は自分の経験が誰かの研究の種にでもなれば幸いと二つ返事で了承し、この講演会に臨んだ。そしてこの講演会をきっかけに私の運命が大きく変わることになる。
 講演会には研究者や情報分析を行う人、メディア関係者など多く訪れており、二次会で色々とご挨拶を頂いた。まだ若輩者である私に興味を持ってくださったことは本当に嬉しかったし、ここで知り合った方々に、このあと進路から何まで色々と手助け頂いた。
 この時期から私は、大学生とはいえ自分を売り込めるように名刺を作成し、ご挨拶を頂いた方と交換するように心がけた。名刺は自分を売り込めるのはもちろん、先方から名刺を頂くことに繋がり、お会いした日の夜か次の日には、名刺に記載されていたメールアドレスにその日の感謝や自身の簡単な紹介を送るよう心がけた。
 結局のところ、ただの大学生であるからなにか誇れるような肩書があるわけではない。しかし大学生利点である行動力を活かすことで、人との繋がりを増やして、少しでも興味を持ってもらえるように心がけた。

9〜12月 大学編入、そして集大成

 夏休みが終わると(尤も、この時期はすでに休学していたが)編入試験に向けて色々準備を始めた。幸いなことに甲府の講演会を通じて、研究・情報分析を行うことの面白さに目覚め、やはり私は朝鮮が好きだという事に気づいたので、留学経験を活かして中国・朝鮮の政治比較や外交関係を研究できそうな大学に目星をつけた。更に幸いなことに、甲府の講演会を通じて知り合った方の中に、私が志望する分野を専門的に行えて、かつ海外大生の三年次編入を受け入れている大学を卒業されていた方がいたので、その方のアドバイスを受け、編入試験に向けた準備を進めた。
 そしてこれまた幸いなことに編入試験の難関の一つである外国語能力について、中国の大学での成績が認められたため、対策するのは小論文と面接に絞ることができた。
 小論文については過去問を参考に、知り合った方に添削をお願いしてもらい、面接については最低限のマナーを確認して、あとはコミュ力でどうにか、という感じの心構えで臨んだ。結果は無事に大学合格。自分の新たな進路と将来の夢が見えた瞬間だった。

 大学編入と並行してもう一つ進めていたことがある。それが冬コミに出す個人誌の作成だ。甲府の講演会での評判がかなり良かったので、この経験を広く一般に伝えたいという思いは度々あったのだが、今回それを同人誌という形で実現することにしたのだ。
 とはいえ初めての同人誌制作。普段から愛読していたJAL機内誌の雰囲気などを参考に、結局2ヶ月近くかけて完成させた(同人誌制作はまたいつか別記事でまとめたい)。
 この同人誌は自分が所属しているサークルで委託頒布の形で出した。当初は20〜30売れればと思っていたが、結果はまさかの80部前後の売上。その後メロンブックスでも売れ続け、結局増刷に踏み切る大盛況の集大成となった。

1〜3月 中国との再会、新たな芽吹きに向けて

 年が明け24年に入ると、従来とはまた新しい分野の人も知り合うことができた。そしてこの頃に入ると去年からの忙しさも徐々に落ち着き、来年度以降のことを考えるようになった。
 今後の進路を研究系で行きたいとなると、ある程度の研究業績を挙げないとならないが、そのためには日頃からものを書くトレーニングをしておくことに越したことはないという考えから、レポートなどを書く機会があれば積極的に寄稿するようにした。

 また3月には一つ大きいイベントがあった。大阪総領事館主催の上海ツアーである。昨年の帰国時、もうしばらく中国には行かないと思っていただけあり、まさか8ヶ月ほどで本土に行くとは思わなかったので、内心少し驚きつつも参加したツアーで、自身の留学経験が無駄ではなかったことを色々確認できた。昨年の帰国時は何も得られなかったと感じ帰国したが、この旅行を通じて、あの頃の自分をどこか肯定できたような気がした。

23年度総括 行動力と巡り合わせと

 ここまでまとめて23年度を総括すると、行動力とそれが生み出した巡り合わせが自分を大きく変えたのだと本当に実感した。
 最近、時折「留学中引きこもっていたら」「講演会を断っていたら」と思う時があるが、それを考えるといつも恐ろしい気分になる。それほどまでにこれらのタイミングでの無鉄砲な行動力は、今の自分を変えてきたのだ。
 そして今になって、何一つ怖がらずに行動を選択した過去の自分を大いに褒めたい。それがなければ今のは私はずっと悩みながら北京にいて、何も面白くない毎日と進路を選ぶ人生だったかもしれないから。

 もちろん、これから先の進路が安定とはいい辛いし、大変なことも多いだろう。それでも自分にとっては北京の大学という価値だけを頼りに、適当な企業に就職するような生き方より、遥かに有意義な選択ができたと思っている(ただ、世間では私が嫌う進路設計こそが”正解”なのだろうが)。
 そして何より、自分の今の進路は多くの方の献身的な協力あってこそという事実に深く感謝することしかできない。来年度以降は、今年度ご迷惑をおかけした分、少しでも恩返しできるように頑張っていきたい。

 そしてフォロワーの皆様、私を支えてくださった全ての皆様。来年度も何卒よろしくお願いします。



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