[PSPP]χ2乗検定の残差分析
残差分析(residual analysis)は、χ2乗検定において、有意な差が見られた場合に、どのセルがその元となっているのかを特定するための分析です。
ということは、通常差がはっきり見て分かる2×2のクロス集計表になる場合には使われません。2×3や3×2以上のクロス集計表になる場合に有効な手段です。
以下、東京・大阪・京都で、「たぬきそば」のイメージについて、「揚げ玉」か「煮た油揚げ」か「刻み油揚げのあんかけ(データ上は「あんかけ」)」についての架空のデータを元に説明します。
このデータではまず、
・[データ]→[データの重み付け]
・「人数」を[ケースの重み付け]の[度数変数]に指定。
・[OK]をクリック。
をしておく必要があります。
その後、通常のχ2乗検定の手順で進みます。
・[分析]→[記述統計量]→[クロス集計表]をクリック。
・[行]に「地域」、[列]に「種類」を指定。
・[セル]をクリックし、「調整済みの標準化された残差」にチェック。
・[続く]をクリック。
・[OK]をクリック。
これで分析ができます。ここでは、結果が見やすいように、クロス集計表のセルに表示する項目を、「度数」と「調整済みの標準化された残差」だけにしています。
結果は以下のようになりました。
「カイ2乗検定」の結果は、P<0.001で有意となっています。
中段のクロス集計表(「地域*種類」[計数,調整済み残差])のセル下段の数字が「調整済みの標準化された残差」です。
この値が-1.96より小さいか1.96より大きいのであれば、5%水準で有意であり、-2.58より小さいか2.58より大きいのであれば1%水準で有意と考えます。数値がマイナスですと、期待値つまり予想される結果よりも低い、数値がプラスですと、予想される結果よりも高いと判断します。
この場合は、どのセルも期待値から大きくずれていることが分かります。
エクセルで残差分析まで含めたカイ2乗検定ができるファイルを作成しました。
オープンオフィス版も作成しました。