今買える中国SF、華文ミステリー①
いよいよ、6月18日に劉慈欣の『三体2』が、6月27日には立原透耶先生編集のアンソロジー『時のきざはし 現代中華SF傑作選』が発売されます。
劉慈欣の『三体』は昨年SFとしては異例の大ヒットを記録しました。
それに先立つ2017年には、香港の作家である陳浩基が台湾で出版した『13・67』がヒットし、〈華文ミステリー〉が話題になりました。
この盛り上がりの流れを眺めつつ、今、比較的容易に入手可能な中国SF、華文ミステリーを紹介しておきたいと思います。
中国SFへの注目には、2つの作品を挙げることができると思います。1つは『三体』、もう一つは、同じく劉慈欣の作品「流浪地球」を原作とするSF映画『流転の地球』です。後者は7億ドル近い大ヒットを記録しました。
これを受けて、SF誌以外でも特集が組まれました。
まずは、「月刊中国ニュース』2019年6月号。
そして、『聴く中国語』2019年7月号。
さらには、『三田文学』2019年春季号では、〈世界SF〉の特集が組まれ、その中で〈中国SF〉についても言及されました。
そして、2020年に入ると、『文藝』春号では、「中国・SF・革命」と題して、大体的に特集が組まれました。翻訳はもちろん、論考も充実しています。
加えて、『日経サイエンス』2020年3月号では、〈『三体』の科学〉が特集され、「劉 慈欣が語るSFと科学技術」という記事も掲載されています。
では、本家『SFマガジン』はというと、2019年は中国SFを2回紹介しています。4月号、8月号です。隔月刊ですから、三分の一で〈中国SF〉を紹介したことになります。
〈『三体』と中国SF〉を特集した8月号は、版元品切れとなっています。
また、12月号では、中国系アメリカ人ですテッド・チャンが特集されています。
一方の〈華文ミステリー〉ですが、こちらはあまり追いかけられていないのですが、『ミステリマガジン』2019年3月号が〈華文ミステリ〉の特集を組んでいます。
陳浩基『13・67』を刊行した文藝春秋は、電子書籍のムックを複数刊行しています。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?