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[PSPP]尺度の信頼性
何らかの調査を行おうとする場合、先行研究でも用いられた尺度をそのまま用いることもあれば、いくつかの先行研究を元に新たに尺度を作成することもあります。新たに尺度を作成する場合には、予備調査を行い、その結果を因子分析で確認して、調整していく必要があります。
もちろん、分布を確認してあまりに偏りがないかどうかなども確認する必要があります。たとえば、4件法で4と3でほとんどを占めてしまうような項目は適切とは言えません。
そのようにして尺度を決定するわけですが、そこで考えなくてはいけないのが、尺度の信頼性です。
α係数
尺度の信頼性を表す数値としてα係数があります。α係数が表しているのは内部整合性で、尺度のまとまりの程度を表していると考えることができます。ある程度以上だと尺度として問題がないと考えるのですが、これは明確な基準があるわけではありません。一般的には0.50以下の場合には、やや問題があると考えることが多いようです。
ではα係数は高ければ高いほどいいのかというと、実はそういうわけでもありません。たとえば「毎朝早く起きる」「早起きは得意だ」「朝寝坊はほとんどしない」という3つの質問があったとすると、恐らくα係数は非常に高くなるはずです。しかしこれはほとんど同じ質問ですから、3つも用意する必要はなく、1つで充分だということになってしまいます。
では、因子分析①、因子分析②で用いた、生活習慣の質問データを使って、実際に第2因子のα係数を求めてみましょう。
・[分析]→[信頼性]を選択。
・[項目]に、第2因子に相当するA9・A10・A11・A12を指定。
・[モデル]で[Alpha]を選択。
・[項目を削除したときの尺度]にチェック
・[OK]をクリック。
出力の見方
α係数は、「信頼性統計」の「クロンバックのアルファ」の欄に記されています。この場合は、0.52で決して高い値ではありません。
次に、「全項目の統計」を確認します。
ここで重要なのは、「修正済み項目-合計相関」と「当該項目を除いてクロンバックのアルファ」です。「修正済み項目-合計相関」が高いほど、全体の合計と相関が高いということですから、整合性が高いと考えられます。
「当該項目を除いてクロンバックのアルファ」は、その項目を除いた場合に、α係数がいくらになるかを示しています。この場合、どれを除いても、現在の0.52よりも低くなりますから、削除するのは得策ではありません。しかし、「修正済み項目-合計相関」が低い項目だと、削除した方がα係数が高くなることもありえます。
項目数を調整する場合には、これらの値を参考にしながら、繰り返し分析を行っていきます。