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今買える中国SF、華文ミステリー⑦

今手に入る中国SFとか分ミステリーを紹介するシリーズ。

今回は、文藝春秋から発売されている華文ミステリーのいくつかを紹介してみます。

ある日、投資銀行にデータを”誘拐”したとのメールが届き、情報システムエンジニアと警察が捜査にあたります。主人公はエンジニアで探偵役を務めます。彼の視点と操作にあたる刑事の視点で物語は進行しますが、エンジニアは他の事件関係者ともども早々に缶詰状態になるので、物語自体はかなり「静的」に進行します。実はそこに作者の大きな意図が隠れています。

2020年、大地震によって荒廃してしまった台北の西門町(の一部)を再現した仮想空間で起きた殺人事件がメインの軸です。仮想空間に入ることのできる人間は限られており、完璧なログも残される、つまりアリバイは完全。その上に力も制限されており、普通に考えると殺人は不可能。では、誰が殺人を犯したのか?
それともう一つ、2008年の事件が絡んで来ます。



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