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[PSPP]グラフを描く
PSPPでは、グラフの描き方には、次の2通りの方法があります。
①[グラフ]メニューから。
②分析のオプションとして。
①は散布図、ヒストグラム、バーチャート(棒グラフ)を描くことができます。
②では、[記述統計量]メニューの中の[度数分布表]でヒストグラム・パイチャート(円グラフ)・バーチャート(棒グラフ)、[探索的]で、箱ひげ図・ヒストグラム・正規確率プロット(正規Q-Qプロット)、[クロス集計表]でパイチャート(円グラフ)を使うことができます。
[グラフ]メニューから描く
[グラフ]メニューから描くことができるのは、先ほども述べたように、ヒストグラム、散布図、棒グラフの3つです。
■ヒストグラム
国語の小テスト20人分の得点データ(14,7,13,12,6,10,8,4,15,14,6,10,9,12,12,5,8,15,8,12)を元にヒストグラムを描きます。
・[グラフ]→[ヒストグラムの描画]を選択。
・[変数]に「国語」を指定。正規曲線を付け加える場合は、[正規曲線を表示]にチェック。
・[OK]をクリック。
ヒストグラムが描画され、標準偏差、平均などが表示されます。
■散布図
これも先に用いた父親と子どもの身長のデータで見ていきましょう。
・[グラフ]→[散布図]を選択。
・[Y軸]に[子どもの身長]を指定。
・[X軸]に[父親の身長]を指定。
・[OK]をクリック。
■棒グラフ
記述統計のクロス集計表ところで出てきた、男女の朝食の嗜好(パン派とご飯派)のデータを用いて、説明してみます。
・[グラフ]→[バーチャート]を選択。
・[カテゴリ軸]に「性別」を指定。
・[カテゴリのクラスタ]に「朝食」を指定。
・[OK]をクリック。
これで、棒グラフが出力されます。
[カテゴリ軸]に指定した変数が横軸になり、[カテゴリのクラスタ]に指定した変数は、その下位におかれます。
ダイアログの上にある[バーの表示]は表示内容です。
[ケース数]は、度数です。実数が表示されます。
[ケースのパーセント]は、ケースそれぞれが全体に占めるパーセントが表示されます。
[累積ケース数]は、累積度数で、度数が順番に足していった数が表示されます。よって一番右側の棒が全体の数を示すことになります。
[ケースの累積パーセント]は、ケースのパーセントを順に足したものです。つまり、上の累積度数をパーセント表示にしたものとも言えます。
[その他の要約機能]は、その他の統計量という意味で、後の[変数:]で指定した変数について、プルダウンで選んだ値を表示することができます。
プルダウンで選べるのは、[Mean]平均、[Sum]合計、[Maximum]最大値、[Minimum]最小値の4つです。
[度数分布表]でのプロット
まず、度数分布表の手順を確認しておきましょう。
・[分析]→[記述統計量]→[度数分布表]を選択。
・[変数]に「血液型」を指定。[統計]のチェックはすべてはずす。
ここで、「OK」をクリックすれば、度数分布表が出力されますが、グラフを描く場合は、[チャート]から選びます。
■ヒストグラム
・[チャート]から[ヒストグラムの描画]にチェック。
をしておくと、ヒストグラムが描かれます。さらに、
・[正規曲線を重ね書き]にチェック。
で、正規曲線が追加されます。
■円グラフ
円グラフを描画する場合もヒストグラムと同様で、
・[チャート]から[パイチャートの描画]にチェック。
をしておくと、円グラフが描かれます。
■棒グラフ
棒グラフの場合は、
・[チャート]から[バーチャートの描画]にチェック。
で描かれますが、[度数分布表]のダイアログから[貼り付け]をクリックしてシンタックスエディタを起動して、
/BARCHART=PERCENT.
にすると、度数ではなくパーセントが縦軸になります。
[探索的]でのプロット
[探索的]は、代表値などを求める際に使用するメニューです。ここでもまず、途中までの手順を確認しておきましょう。
例には240名の算数・国語・理科・社会の得点データから、算数のデータを使います。
・[分析]→[記述統計量]→[探索的]を選択。
・[従属変数]に「算数」を指定。
ここから、
・[統計]で[記述統計量]にチェック。
をすると、平均と95%信頼区間、散布度、中央値などを求めることができますが、グラフを描くには、ここから、[貼り付け]をクリックしてシンタックスエディタを起動します。
■ヒストグラム
ヒストグラムを描く場合は、シンタックスの途中に、
/PLOT=HISTOGRAM
を追加します。
そして、[実行]→[すべて]を選択すれば、ヒストグラムが出力されます。
■箱ひげ図
箱ひげ図を描く場合は、シンタックスの途中に、
/PLOT=BOXPLOT
を追加します。
そして、[実行]→[すべて]を選択すれば、箱ひげ図が出力されます。
■正規確率プロット(正規Q-Qプロット)
正規確率プロットには、正規Q-Qプロットと正規P-Pプロットの2つがありますが、ここで出力されるのは、正規Q-Qプロットの方です。
正規Q-Qプロットは、X軸には観測された値つまり実際のデータの値を、Y軸に観測された値が正規分布に従う場合の期待値をとった確率プロットです。
プロットが直線に近ければ近いほど、観測値は正規分布に近いと考えることができます。
正規Q-Qプロットを描く場合は、シンタックスの途中に、
/PLOT=NPPLOT
を追加します。
そして、[実行]→[すべて]を選択すれば、正規Q-Qプロットが出力されます。
通常の正規Q-Qプロットと一緒に、正規分布からの乖離を示したトレンド除去された正規Q-Qプロットも出力されます。
トレンド除去された正規Q-Qプロットでは、正規Q-Q確率プロット上の各点の、正規に対応する偏差が表示されます。
Y軸は、正規Q-Qプロットの各点と正規分布を示す直線との間の差異、X軸は、観測値です。Y軸の数値が0のところに引かれている直線が正規分布を示しています。このトレンド除去された正規Q-Qプロットでは、正規分布からの偏差がより視覚的に分かりやすくなっています。
[クロス集計表]でのプロット
先ほど[グラフ]の棒グラフの説明でも用いた、男女でパン派とご飯派が何人ずついるかというデータをもう一度使いながら、手順を見ていきましょう。
・[分析]→[記述統計量]→[クロス集計表]を選択。
・[行]に「性別」、[列]に「朝食」を指定。
・[セル]をクリックして、[度数]のみにチェック。
ここまでは、単にクロス集計表を作る場合と同じです。
■棒グラフ
棒グラフを表示する場合は、ここで[貼り付け]をクリックしてシンタックスエディタを起動します。
そして、シンタックスの途中に
/BARCHART
を追加します。
その後、[実行]→[すべて]を選択すれば、クロス集計表と一緒に棒グラフが出力されます。
以上のように、PSPPもグラフを描くことはできますが、SPSSに比べると、出力後の変更ができないなど、機能は貧弱と言わなくてはなりません。
そこで、グラフを描く部分をLibreOfficeで補完するという提案になるわけです。