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[PSPP]データ入力と設定

データ入力と変数ラベル

たとえば、下のようなデータがあったとして、これをPSPPに入力してみましょう。

まずは、「データビュー」で、1列目を選択状態にして、メニューの[編集]から[変数の挿入]を選択して、列を増やしていき、4つにしてください。

そして[ケース]の「1」の右側の列を1つとばして、上から、「性別」の数字を「2」「2」「1」と入力し、「クラス」「得点」も同様に入力していきます。

数値を入力後にリターンを押せば、次のケースに移り、ケースは自動で増えていきます。

さて、とばした列の1行目に「根津忠太」と入力してみましょう。そのままでは入力できません。これはデータの形式があっていないためで、設定を変更する必要があります。ここで「変数ビュー」を使います。

「変数ビュー」は左から、[名前][タイプ][横幅][小数点][ラベル][変数ラベル][欠損値][列][配置][尺度][役割]となっています。

まずは、[名前]を入力しておきましょう。上から順に「氏名」「性別」「クラス」「得点」です。

次に、[タイプ]を変更します。「性別」「クラス」「得点」は数値ですからそのままでかまいませんが、「氏名」は数値ではないので、これを変更しないと入力ができません。[…]のボタンを押し、一覧から「文字列」を選択しておきます。

[横幅]はデータの桁数(バイト数)です。日本語文字列の場合、1文字が「2」になりますので、このデータの場合、「氏名」だけは5文字の氏名があり8バイトを超えるので「10」に設定しておきます。

[小数点]は、今回は必要ないのですべて「0」にしておきます。身長や体重などの場合は、必要に応じて設定します。

[ラベル]は、変数に対する説明で、これを設定しておくと分析などでは[名前]ではなくこちらが表示されるようになります。ただ、[名前]で変数にわかりやすい名前をつけている場合は特に必要がありません。

[変数ラベル]は、変数が名義尺度や順序尺度など、値が何らかの意味を持っている場合にそれを表すものです。たとえば、「性別」は1と2で入力されていますが、このデータでは1が女子で2が男子になっています。このままでも分析はできますが、分かりにくいでしょう。この[変数ラベル]をつけておくと、[ラベル]同様に分析では、こちらが表示されるので分かりやすくなります。

たとえばこのデータの場合、[…]のボタンを押し表示されたウインドウで、[値]に「1」、[値ラベル]に「女子」と入力し、[追加]をクリックします。同じように「2」「男子」を追加し、[OK]をクリックします。

次に[尺度]を設定します。これは先に説明した尺度水準に関する設定で、PSPPでは[名義][順序][尺度]の3つになっており、最後の[尺度]が間隔尺度と比率尺度に相当します。このデータでは「氏名」「性別」「クラス」は[名義]、「得点」は[尺度]にしておきます。ただ[クラス]が成績順に編成されている場合には[順序]でも問題はないでしょう。

[欠損値][列][配置][役割]については、ここでは通常は設定しなくても問題はありません([欠損値]は後述)。

「変数ビュー」は以上で、「データビュー」に戻り、「氏名」を順に入力しておきましょう。今度はちゃんと入力できるはずです。

しかし、「性別」が数字のままです。

メニューから[表示]→[値ラベル]を選択するか、メニューバーのラベルアイコン(下図の赤丸)をクリックしてください。

すると、「1」が「女子」に、「2」が「男子」にと表示が切り替わります。


ただ、変数の値レベルの設定も、数が多くなってくるとシンタックスを直接記述する方が速い場合もあります。

・[ファイル]→[新規作成]→[シンタックス]を選択。

起動したシンタックスエディタに、今回の例であれば以下のように書きます。

ADD VALUE LABELS
性別
1 "女子"
2 "男子".

その後、[実行]→[すべて]を選択すると、「変数ビュー」で行ったのと同じ結果になります。ここで「女子」「男子」というラベルが""で囲まれているのは、ラベルが文字列だからです。

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