シンガポール貧困層が母乳がわりに乳児に飲ませる物。
シンガポールの国内所得格差はひどい。
上は世界的に有名な投資家から、下は外国人労働者まで。東京都23区程の大きさしかない小国で、世界のピンキリに近い所得格差がある。
そんな国の市民であるシンガポール人は、所得格差のなかの中間層を占めている。とはいえ外国人ほどではないにせよ、そこそこの所得格差はある。ざっくり分けると中華系に金持ちが多く、インド系・マレー系に貧困層が多い。
中華系は、ビジネスに長けてるので金持ちが多く、そうではないインド系やマレー系は、経済的に取り残される。この傾向は、お隣の国マレーシアも同じなんだけど、マレー系は低所得な上に、何故か子沢山も多い。
子どもが多いと、大きな負担になってくるのは子育ての費用。生まれた直後に必要になってくる粉ミルク、シンガポールでは結構たかいんですよ。
そこでマレー系シンガポール人は、現地で安く手に入る、驚くべきものを粉ミルクの代替とする。
それは、何とMILO(マイロ)だ!
日本では「ミロ」という発音だけど、シンガポールでは「マイロ」。
マイロは、シンガポールでは、コーヒー・レモンティー・コーラ等と同様、ホーカーなど何処でも売られていて、スーパーマーケットでも安価に手に入る。加えて、子供は甘い味が大好きだし、栄養価もある。
そんな訳で、低所得子沢山のマレーシア系家族は、粉ミルクの替わりにマイロを飲ませて育てるケースが多いそうだ。実際に自分は、その様子を目の当たりにした訳ではないが、仲の良いシンガポール人友人(中華系)が教えてくれたんだよね。
この事をツイッターで呟いたところ「あんなもんを乳児に飲ませるとか信じられん」という意見も。
だけど、デフォルトで乳児に飲ませる事になってるミルク(牛乳)も実は不健康だぞ、という説もある。
一応マイロは、公式サイトでは「幼児には最適ではない」と書かれている。
MILO® powder & RTD is most suitable for primary school-aged children and adolescents. It is not suitable for infants and very young toddlers (i.e. less than two years). Toddlers from one year of age are encouraged to have plain full cream milk as a drink.
とはいえ、少しなら大丈夫と書かれている健康系サイトもある。
It's recommended that if children have these drinks then it's only occasionally, in small serving sizes; the Ministry of Health advises that means less than once a week and half a glass for children under five years, and one glass for older children.
どっちなのかイマイチ分からん。
もちろん、子育てには母乳が一番なんだろうけど、シンガポールで、子供が多くて、母乳も、お金も足りない。そんな状況では高い粉ミルクなど買ってられん。マイロを常時、飲ませる他ないんだろう。
それでも、マイロで育ったマレー系の子どもが、ミルクで育った中華系に比べて不健康かというと、そんな訳でもないと思うんだよね。
それに粉ミルクって言っても、もとは人間じゃない牛の牛乳。そんな飲み物が本当に人間の赤ちゃんに最適なのか、マイロでも変わらんのでは?…等と時々思うのである。