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「ズルい」と思う感情は弱者にではなく強者に向けるべき。

日本を離れて暮らすようになって足掛け10年。海外に住むことのデメリットとして、日本の安くて美味すぎる飯が身近ではなくなったことが挙げられるけど、それ以上にメリットもある。

メリットの一つとして、日本に住んでた頃は当たり前だと思っていた「日本人の感覚」が当たり前ではなくなり、客観視できるようになったことが挙げられる。

たとえば、以下の特徴、

・お客さま第一主義
・極端な自己犠牲精神
異常なまでの局所完璧主義

これらは、日本人の大半に当てはまる典型的な特徴だと思う。そして、自分が近ごろ認識しているもう一つの日本人の典型的な特徴として「自分より弱い者・自分と同等の者に対してズルいという感情を持ちやすい」という事が挙げられる。

そう思った具体的な話をします。

★★★

ある時、¥Youtubeのオススメに表示された動画が気になった。

「あいりん地区」と題された読売テレビの番組がアップされた動画だ。

この「読売テレビ」の番組はクソだと思う。何がクソかと言うと、編集がクソだと思う。この番組が伝えたい事は2つ。

・貧しくても働く事に誇りを持て
・生活保護を貰うなんてクズだ


番組は、貧しくとも生活保護を貰わず健気に誇りを持って働く高齢者の生活がメイン。しかし最初に一部だけ高齢者と対比されるかのように、生活保護を貰って「2倍くらいないと足りんわ」と言いつつ、酒を飲んでいる20代の若者の姿が映し出された。

つまり、読売テレビが公共電波を使って「生活保護なんかに頼らず、貧乏人はみんな番組に出てくる高齢者のように、大人しく働け」という事を伝える番組な訳だ。

つまり現政権に忖度するメディアの報道なんだけど、Youtube上のコメントを見ても皆おもしろいくらいに、若者を叩いて老人を褒め称える内容の書き込みをしいている。見事すぎるぐらいに、読売テレビの思惑に釣られてしまってる訳だ。

自分は一個人の生き方として、番組に出てくる高齢者は批判はしない。だけど彼らは、生活保護を受給しないという選択をした上で、読売テレビの番組作成に協力した。意図的ではないにせよ、読売テレビの忖度に加担したという点は、好ましく思えない。

生活保護は、生活は苦しいなら躊躇いなく受けるべき制度なんだから、簡単に受けてはダメのような雰囲気をメディアが作り出してはいけない。

そして生活困窮者こそ、お金の話をすることが大切。

この世は拝金主義者になってナンボの世界。そうでないと、拝金主義者ばかりの権力者に対抗できない。貧しいお人よしになってはダメ。

「みんな苦しいから仕方ない」じゃなくて「多くの人のお金を独り占めして、ほくそ笑んでる連中がいる、お金とは権力者から奪いとるもの」と思うくらいが丁度いい。

幸い自分は、両親や今までの境遇、周りの人のお陰で、今は経済的に問題ない生活を送らせて貰ってる。お陰様で貯金しつつ、トランプ大統領が発する株バーゲンも楽しんでいる。

だけど、もし自分が、この番組の高齢者のような境遇だったら、どんな手を使っても、何を犠牲にしてでも、税金を食い尽くしてる連中に報復したいと思うだろう。

それぐらい血税吸い上げポケットマネーにしてる権力者が嫌いだし、誰よりもズルいと思う、という話でした。

今回例に挙げた「あいりん地区」の動画で行われているネットでの批判や喧嘩と同様に、様々な話題についてネット上での批判や喧嘩をよく見かける。

たとえば、以下のようなテーマでの議論が多い。

・タバコ休憩は有りか無しか(喫煙者VS非喫煙者)
・従軍慰安婦の問題について(男性VS女性)
・男女の会社上での立場や賃金格差の問題(男性VS女性)
・韓国関連の一連の話題(右翼VS左翼?)

だけど、こういった議論は、いくらしても無駄。たとえば「デートは男性のおごりか割り勘か?」というテーマの話でも、男女の意見が和解することは永遠にないだろうから。

こんな不毛な議論をして、弱者に「ズルい」という感情で喧嘩を売るのでなく、多くの人が強者に対して、ズルいと批判して攻撃すべきだと思う。

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