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コンテンツを生成AIに作らせる前に、やるべきこと

XINOBIXが掲げる行動指針「1記事入魂」とは、一つひとつのコンテンツに魂を込めて、手間ひまをかけて作り込むこと。
今回は、弊社代表取締役の長屋に、XINOBIXが掲げる独自の行動指針「1記事入魂」とは何か、そしてなぜそれが重要なのか、詳しく話を聞きました。


コンテンツに魂を込めて、手間ひまをかけて作り込む

ーーまず、XINOBIXが掲げる「1記事入魂」という行動指針について教えてください。

私たちXINOBIXは、企業向けのコンテンツマーケティング支援を行っています。「1記事入魂」とは、一つひとつのコンテンツに魂を込めて、手間ひまをかけて作り込むこと。クライアントはもちろん、その先にいるユーザーにも価値を届けるために、しっかりと考え抜いてコンテンツを作ることを意味しています。弊社にとって、質の高いコンテンツを通じてクライアントにマーケティング価値を提供することが大切だと考えています。

ーーなぜそのような方針を掲げているのでしょうか?

現代では情報が大量にあふれています。そんな中では、丁寧に作り込んだコンテンツでなければ、ユーザーの行動を生み出すほどの影響力を生み出せないと考えています。私たちが目指すのは、独自の価値を提供できるコンテンツ。ユーザーが感動し、「このコンテンツは信頼できる」と感じ、何らかの行動が生まれるレベルのコンテンツです。もちろん、SEOの観点からも、ユーザーが行動したくなるようなコンテンツを作ることは重要です。

よいコンテンツを作るには、よい関係性が不可欠

ーーそのような高品質なコンテンツを作るために、どのようなアプローチをとっていますか?

私たちが一番意識しているのは、クライアントとパートナーになることです。通常、クライアントとは毎週、コンテンツの企画や原稿について話し合うことが多いです。その中で、クライアント独自の情報や考えを引き出し、それをコンテンツの核にしていくのです。表面的な関わりではなく、密なコミュニケーションを通じて、より質の高いコンテンツを作り上げていきます。

AIにゴミを入れても、ゴミしか出てこない

ーーAIツールの台頭により、コンテンツ制作のあり方が変わってきていますが、それについてはどのように捉えていますか?また、XINOBIXではどのように対応されていますか?

生成AIは目まぐるしいスピードで発達しています。確かにAIの普及により、簡単にコンテンツを作れるようにはなりました。しかし、大事なのはAIにどのような情報をインプットするかです。「Garbage In, Garbage Out(ゴミを入れたら、ゴミが出てくる)」という言葉があるように、素材が悪ければ、コンテンツもよいものになりません。

私たちは、クライアント独自のノウハウや、見解、事例などを引き出し、それをAIに適切にインプットすることで、より質の高いコンテンツを効率的に作成することを目指しています。もちろん、完全にAIだけでコンテンツを作るわけではなく、信頼できる専門家の監修を受けることで、専門性や独自性を高めています。

こうして、キュレーションメディア時代の失敗が繰り返される

ーー過去のコンテンツ制作トレンドと比較して、現在の状況をどのように捉えていますか?

2000年代半ばには、在宅ワーカーのライターが大量に増え、キュレーションメディアが流行しました。この時代は、コンテンツを低単価で大量に作ることが主流でした。しかし、2018年頃にGoogleがこうした量産型コンテンツの評価を下げ、ブームが過ぎ去りました。この歴史からも分かる通り、誰が作っても同じようなコンテンツは長続きしません。現在のAIの台頭も、大量のコンテンツを安い単価でAIに作らせるという点ではとてもよく似ています。だからこそ、その企業の独自性や専門性などの価値を伝えられるコンテンツを作り出すことが重要なのです。

コンテンツの原液なしでは、よいコンテンツはできない

ーーコンテンツの独自性を高める戦略について教えてください。

独自性の高いコンテンツを生み出すためのアプローチとして、一番大事なのはコンテンツの「原液」です。同じテーマでコンテンツを作る場合、どんな情報をコンテンツに織り込むかが差別化の重要なポイントになります。
クライアント独自のノウハウやユーザーの声、社内で一番その分野に詳しい人の見解など、社外の人は知らない、最も独自性の高い情報をコンテンツの核に据えます。これが他のサイトからの引用やまとめになってしまうと、コンテンツの質が低下してしまい、差別化も図れません。


安かろう、悪かろうの記事制作はしない


ーークライアントならではのコンテンツを作るために、社内ではどのようなディスカッションや工夫をされていますか?

クライアントならではのコンテンツを作ることは、一朝一夕にはいきません。繰り返しになりますが、私たちが一番意識しているのは、クライアントとパートナーになることです。コミュニケーションなしに格安でとにかく大量の記事を作成するだけ、といった関わり方では十分な成果が得られません。クライアント独自の価値をユーザーに届けられる、そんなコンテンツを作るために、私たちはクライアントとなるべく濃いコミュニケーションを取りたいと考えています。

ーークライアントとなるべく濃いコミュニケーションをとる上で具体的にどのような取り組みをされていますか?

1人のコンサルタントが多くの社数を担当していると、どうしても1社あたりの支援が手薄になります。そのため、1人が担当するクライアントの数は多くても5社程度に制限をするようにしています。
また、いいコンテンツを作るにはクライアントのモチベーションも非常に重要です。そのため、作成するコンテンツにはどのような意味があり、成果につながるのかを伝えることを大切にしています。また、少しでも成果が出ればしっかりと共有することを意識しています。

AIに置き換えられない価値は、コミュニケーションである


ーー効率化と質の高いコンテンツ作成のバランスをどのように取っていますでしょうか。

効率化と質の高いコンテンツのバランスを取るためには、まず効率化できるところとできないところを区別することが重要です。効率化がしやすいところは、例えば構成の作成や、一部の決まった内容のライティングです。これらはAIが処理しやすい部分なので、効率化しやすいといえます。

一方で、先ほどお伝えしたようなクライアントとのコミュニケーション、しっかりとしたインタビューやヒアリング、原稿の内容についてのリサーチなどの上流の部分、つまりコンテンツのコアになるようなクライアント独自の部分については、効率化せずに時間をかけることが重要です。

そのため、企画の部分には時間をかけ、その他の部分はなるべく効率化していくというアプローチを取っています。

よいコンテンツづくりのはカルチャーが必須

ーー1記事入魂の理念を社内に浸透させるために具体的にどのような取り組みをされていますでしょうか?

よいコンテンツを作るカルチャーを生み出すには、採用が最も大切だと考えています。理念に共感してくれるメンバーを集めることで、自然とカルチャーが生まれます。自然とそこにそういう価値観が醸成されていきます。

ーー採用プロセスでは特に何を重視されていますか?

ライターさん、ディレクター(編集)さんなどに対して、しっかりとテストを行います。弊社のフォーマットに沿って品質を判断させていただくものです。

私たちの行動指針に沿った行動を取っていただけるかも重要です。誠意や熱意を持ってコンテンツに向き合っていただけるか。1記事入魂の価値観を共有できる人材とご一緒したいと思っています。

誰かが喜んでくれたことが、働く理由になる

ーー採用後は、どのようにして社員のモチベーションを維持・向上させていますか?

ライターさんが作成した記事から成果が出た場合、なるべく細かくライターさんやディレクターさんに共有するようにしています。例えばお問い合わせが増えた、などです。

これによって、ライターさんのモチベーション向上にもつながります。大変だった原稿でも、その先に誰かが喜んでくれたという実感は、働くうえでなくてはならないものだと考えています。そういったポジティブな共有をすることで、ただ作業をしているのではなく、世の中にちゃんと届いているんだということを実感してもらえます。

ーーありがとうございました。

このインタビューを通じて、XINOBIXの「1記事入魂」という行動指針が、単なるスローガンではなく、実際のビジネスや社員の働き方に深く根付いていることがわかりました。高品質なコンテンツ制作へのこだわりと、クライアントとの深い関係性構築、そして社員の成長とモチベーション向上への取り組みは、コンテンツマーケティング業界で働きたい人にとって、非常に魅力的に映るのではないでしょうか。

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