ニコニコ動画vsYouTube

 こんにちは。Ximcoです。タイトルにある通り今回はまさに動画サイトと言って多くの人がパッと思いつくであろう2つの動画共有サービス、「ニコニコ動画」と「YouTube」の比較について語ります。(2件目の投稿がいきなりこんなのでいいのか…?)

 TikTokとかビリビリとかインスタグラムとかは?という意見もあるかと思いますが今回はこれらについては語りません。何より僕がやってないからよく知らないので。また、ここから語る内容はあくまでも僕個人の意見なので、軽~く流し読みしていただければ結構です。

 さてこの2つのサイト名を見かけた時、何やら不穏な空気を感じなかったでしょうか。そう、この2つのサイトはよくどっちが上でどっちが下だとか、やれオワコンだやれ検索がクソだとか、そういう「善悪二元論」的な論争に巻き込まれやすいのです。いきなり地雷みたいな話題を我ながら選択してしまったと思う。困ったね。

 ただしここで僕がやりたいのはどちらか一方を持ち上げてどちらか一方をボロクソに言うとかそういうことではないのです。なぜなら僕はニコ動もYouTubeもどちらも愛用しているからです。どっちも好きなのです。iPhoneのスクリーンタイム曰くどちらも1日平均14分ぐらいは見ているらしいです。そして同じ動画共有サービスであるにも関わらず、両者で見ている動画のタイプがまるで異なるのです。そう、恐らくこの二者は似て非なる存在で、何か性質上の大きな違いがあると思うワケです。それぞれに違った魅力があるのだと僕は思っています。今回の記事ではその辺りをざっくりと紹介していきたいと思います。

 さてまずは僕がこの二つでそれぞれどのような動画を見ているのかをサラッと紹介していきましょう。まずニコニコ動画ですが、1回目の記事でも紹介したように僕は音MADやメドレーが好きなので基本的には音MADとメドレーを見ています。また、公式アニメチャンネルでアニメを見たり、MMDの動画も時々見ています。

 一方でYouTubeでは僕が趣味として挙げていた他の要素、つまり文字とか言語とかの動画を見たり、世界史とか法律とかニューラルネットワークとかの教養系の動画を見ることが多いです。また、僕はSEIKINさんが好きなのでSEIKINさんの動画もよく見ています。動物の動画などの癒し系動画もYouTubeで見ることが多いですね。

 さて、それぞれのサイトで上げていた動画の性質の違いは一体何なのでしょうか。僕の考えを言ってしまう前に今度は各サイトのシステム自体の違いについて考えてみましょう。

 「ニコニコ動画とYouTube、違いはなにか?」と聞かれて一言で答えるとしたらまず第一に上がる要素は当然”コメントの有無”でしょう。ニコニコ動画の最大の特徴として動画にコメントがオーバーレイ表示されるという特徴があります。正直これだけで性質上の違いが決定的と言っても過言ではないのですが、それぞれのサイトはこの大きな性質の差異を元にその魅力を引き出せるように設計がなされていると僕は考えています。

 細かな差異を言えばYouTubeの方が当然利用者数が多いため、トップクラスの動画投稿者(という呼び方が適切なのかは分からないけど)はYouTubeの方が再生数を稼げることは間違いないでしょう。ただし一方でそれは競合がたくさんいることをも意味しているため、まだトップクラスほどの影響力は持っていない動画投稿者にとっては逆にニコニコ動画の方が動画が伸びやすかったりもします。このあたりは僕は適当なことを言っているかもしれないからちゃんと統計あたってる記事とか見つけて調べてくれ。

 よくこれら2つのサイトの比較として機能の優劣の話がされることがあるのだけれど、僕個人としては機能面での優劣はそこまでないように感じます。ニコニコはサーバーはYouTubeよりは脆弱だけど検索システムが優れていたり、YouTubeがその逆だったりと。そういうのを全部合わせていったときに僕としてはそこまで大きな利便性の差は感じていません。

 さて、ここまで色々な観点から両者の違いについて列挙してみたが、いうまでもなく両者の最大の違いは「コメントがオーバーレイ表示されるか否か」なのは間違いないでしょう(一応外部スクリプト?的なものを入れればYouTubeでもニコ動風の演出ができるらしいけれどそれは別にYouTubeの標準搭載機能ではないので利用者数が爆発的に増えない限りはこの差は残り続けると思います)。

 コメントがオーバーレイ表示されることによるメリットとは何か、それはすなわち「皆と一緒に見ている感」があり、刺激が増大することではないだろうか。一つの動画の様々なシーンにそれぞれ異なる雰囲気のコメントが付くことで、他の視聴者と「ここは盛り上がっているな」とか「ここは突っ込みどころだな」とか、そういった感情の共有が齎されることで他の視聴者との一体感のようなものが生まれ、これが刺激的な楽しさにつながっているのだ。ニコニコ動画とはいわばライブ会場やアミューズメントパークのようなサービスと言うことができるだろう。コンテンツを楽しみつつも、他の来場者との一体感を楽しむことでより感情の揺れ動きを増大させているという点で似ていると思う。すなわちニコニコ動画に向いている動画は感情の増幅、特に「超!エキサイティング!」なドーパミン的快楽が楽しさの中心となっているタイプの動画と言えるんじゃないだろうか。

 さて当然メリットというものはデメリットと表裏一体のものであるわけだから、当然ながらこのコメントオーバーレイ機能には問題点もある。それはすなわちコンテンツそのものへの集中が削がれやすいことと、刺激が大きくなりすぎてしまう、という点である。コメントは当然情報を持っているため、人の注意を引くのである。特にニコ動のコメントは通常右から左へ絶えず動いているためその誘目性は非常に大きいものと言えるだろう。そのため、動画コンテンツそのものの視聴に集中力を要するようなものの場合(例えば学習系の講座とか思想系の動画とか)においてはこのオーバーレイするコメントは正直言って邪魔でしかなかったりもするわけである(もちろんニコ動向きにアレンジされている講座動画とかもあるが、そうした動画は情報量がある程度制限されているとも言える)。そして当然コメントがあることで動画の刺激感が増してしまうため、癒しを求めて動画を見るような場合にもこれが邪魔になることがあるだろう。寝ようと思ってリラックスのためにコーヒーを飲んだら中に入っているカフェインで寝れなくなった、みたいな。

 ここで「コメントがないこと」によるYouTubeのメリットが出てくる。すなわちコメントがないお蔭で(という表現もニコニコにべったり傾倒している感があるのだけれど)YouTubeでは作品そのものに集中することができるのである。だからこそ学習・解説系の動画とか自己啓発セミナー系の動画なんかはYouTube向きだと言えるし、刺激が強すぎず飽きない程度に動画が見られるので動物の動画とか、癒し系の動画もYouTube向きなのだと思う。ニコニコがライブ会場やアミューズメントパークのメタファーならば、YouTubeはむしろ美術館や図書館、リラクゼーション施設のメタファーと言えるんじゃないかな。つまりYouTubeに向いている動画は静かに楽しむ系の動画、セロトニン的な快楽が中心の動画が向いていると僕は思います。

 じゃあ先ほど僕がYouTubeで良く見る側にあげたSEIKINさんの動画はどこに当たるんだともお思いの方もいらっしゃると思うかもしれないですが、あの人の動画は僕的には癒しの要素がとても強いと思うのです。森林浴や動物の動画になぜ癒しの効果があるか、それを僕は「適度に情報量が少なく、かと言って自分の思考が生み出す余計な情報に注意が向かないぐらいには情報量があるから」だと考えています。情報量が多いものというのは疲れている時などはストレスにつながりやすいのです。ただし情報が少なすぎると今度は脳が勝手に目に見えないけれど情報量過多な”思考”というものを生み出してしまうため、それがストレスの元になるわけです。癒しを求める場合、この思考から脱する程度の注意は必要で、かといってあまりにも情報量が多いとそれはそれでストレスになる、このバランスをうまくとる必要があるわけです。SEIKINさんの動画はその辺りの情報量のバランスが僕的には一番癒しに最適化されていると思っています。特に料理の動画は癒し効果が非常に高いです。

 さて、盛大に話は脱線しましたが、最後に結論を話して締めくくりたいと思います。ニコニコでは「ドーパミン的快楽の、興奮できるようなタイプの動画が楽しみやすい」、YouTubeでは「セロトニン的快楽の、静かに楽しむタイプの動画が楽しみやすい」というのが僕の考えです。だからこそ僕はこの2つの動画共有サービスを両方使い続けているのです。僕は決してこの2つのサービスが両立不可能な、「敵」同士の関係にあるとは思っていません。それぞれに向き不向きがあり、用途に応じて使い分けるべきだと思っているからです。中には当然「ニコニコでもYouTubeでもどっちにあげても問題なく同じように楽しめる」動画もあると思いますし(僕の中ではゲーム実況や音楽の動画がこれに相当します)、もちろん人によって色々な意見はあるとは思いますが、僕はそれぞれの良い点を尊重しつつ、これからもこれら2つのサイトを使い続けていきたいなと考えています。(なんだか綺麗事っぽくなってしまったけど平和的だからいいでしょう!)

 拙文をお読みいただきありがとうございました。それでは!Ximcoでした!!

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