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『レインメーカー』(1997)
1997
監督:フランシス・フォード・コッポラ
原作:ジョン・グリシャム
音楽:エルマー・バーンスタイン
ロー・スクール学生、マット・デイモン。
やがて司法試験に合格する彼が バイト先のビアパブでスカウトされたのが ミッキー・ローク演ずる悪徳弁護士の事務所。 そこで無資格弁護歴度々アリの万年見習い、 ダニー・デビィートとコンビを組むことに…
この二人、いかがわしさでは他の俳優たちと比べようもないのだが なぜか熱血直情正義型新人弁護士を気に入ったみたいだ。 スクールの法律相談で受けた白血病患者の保険金案件を ほじくり返すデイモンは、 ”7回にわたり保険金支払い拒否をお知らせしました。 これが最後の拒否通告です。”
”あなたは、バカで愚鈍で無知な人です”
(ここは原語では
"STUPID! STUPID! STUPID!"。 相当タチの悪い保険屋っちゅうのがわかるでしょ)こんな手紙が患者の母親に送りつけられていたことを知る。
絶対に保険金が下りないシステムなっている低所得者向け商品を保険会社がいかにして処理してきたかを法廷で明らかにして行くのだが、キャラクターがみんな生きてるカンジが伝わってきて楽しい。
法廷で保険処理のマニュアル・システムの正体を証言するも 上司との秘密をさらされて泣きじゃくる女。 その様子を心配そうに見守る新たな恋人。 冷静に職務に徹しようとするが、目が潤み始める法廷速記の女性職員。 ”悪徳上等!”ぐらいの言葉吐きそうな保険会社社長ロイ・シャイダー。 新人弁護士の元気な芽を冷静、公正な立場で見守る裁判長は いかりや長介サン特別出演です。(ノンクレジット)
なんだかねこの映画、画面に人間があふれてるんだけど、 演出が的確なのですべての登場人物が迫ってきます。 先程挙げた証人の女性(ヴァージニア・マドセン)と、 主人公がやがて惹かれあい守り抜く覚悟をしていくDV被害者の女性(クレア・デインズ)は、 特に生きている人間を強く感じさせてくれました。
(2005.5.15)