リモートワークに向いているひとはいない 自分の”お仕事リズム”を知る
はじめに
緊急事態宣言が発令されてからはや1カ月が経とうとしています。「自粛疲れ」という言葉がある通り、外出自粛・出勤自粛に疲れを見せ始めている方も多いでしょう。このまま緊急事態宣言が継続されるかもしれない不安もあるかもしれません。
いつ終わるかも分からない先行きの不透明さ。その状況が一番のストレスかもしれませんね。「この苦境を越えれば、日常が戻ってくる!」という希望は一時的な感情や行動の抑制には有効です。しかし、「この苦境」はいつ終わるのでしょうか?「この苦境」を越えた先の私たちの日常は、苦境前の日常と同じものなのでしょうか?希望への期待が膨らめば膨らむほど、叶えられなかったときの落胆が大きいものです。コロナ禍は「一時的」ではなく「継続的」であることと、捉えることから始めてみませんか。同様に、私たちを取り巻く「働き方」の変化も「一時的」ではなく「継続的」な変化となるでしょう。
「リモートワーク/テレワーク/在宅ワーク」の浸透によって、「こころ」と「からだ」の不調を訴えるかたが増えているとニュースで拝見いたしました。どうかみなさん誤解をしないでください。その不調の原因が「働き方」そのものではなく、「変化」によるものだと。生活のリズム、仕事のリズム、そのすべてがいま変化を強いられています。人間だれだって、急な方向転換には「こころ」と「からだ」がついていきません。だからこそ、心地の良い「自分のリズム」を見出し、作り出していく必要があります。今回はそのヒントになるポイントをまとめてみました。
リモートワーク/テレワーク/在宅ワークに向いている人はいない
通算2000名以上のリモートワーカーとお仕事をしてみた結果、「向いていない」かたは確かにいらっしゃいます。しかし、向いているかたはいらっしゃらないと思います。それはどういうことかというと、リモートワークの向き不向きは、能力やスキルの問題ではなく「資質」であり、「スタンス」「マインド」の持ちようによっては克服できるものでもあります。
私がなぜその結論に至ったか。それは、今までの経験から、リモートワークをスタートさせたかたが、大小あれど同じような壁にぶつかっていたのを目の当たりにしたからです。また、その克服方法を試行錯誤しながらも自分自身で乗り切ってきたかたがたを応援してきました。
リモートワークの壁 私生活と仕事のバランスの崩壊
リモートワークは「仕事をしているかどうか分からない」というマネージャーの不安をよく耳にしますね。しかし、実態としては仕事をしないどころか「オーバーワーク」してしまうかたが少なくありません。
・出勤退勤という物理的な中断が発生しない
・生活空間内に仕事空間が生まれるのでオンオフの切り替えができない
「オンオフの切り替え」なんてそんなに難しくないだろうと思うかもしれません。しかし、テレワークが常態化するに加えて外出等ができないとなると、「オンオフの切り替え」の切り替えが思った以上に難しいのです。そして、この休まらない空間こそが、「こころ」と「からだ」に響く大ダメージにつながります。
「仕事」には終わりがありません。より良いものを、より役立つものを、より喜んでもらえるものを、を追求すればするほど、仕事は溢れてきます。だから、強い責任感を持つかたや仕事がよくできるかたほど「仕事の区切り」を自分でつけることが苦手です。単純に物量が多くて「仕事が終わらない」というより、本質的に「仕事が好き」だから中毒になっちゃうんですね。
①1日中仕事のことが気になる!
before:
出勤しないと、資料が確認できない!PCが触れない!メールが確認できない!
after:
スマホでどこでも連絡がとれる。資料もクラウドで確認できる。家で仕事できる。
↓
②仕事が終わらない!
before:
退勤時間に帰る。土日がある。上司や同僚に誘われて飲み会。 保育園のお迎え。イベントたくさん。
after:
あれも!これも!やらないと!誰も私を止めるものはない!
↓
③そして、私生活が乱れる
before:
一定の生活リズムを保っていた。たまにおさぼり。
after:
炊事家事育児なんだか手抜きになっているが見て見ぬふり。きちんとできていない自分に自己嫌悪。
↓
④そして、家庭不和
before:
基本的には、家庭で仕事のことは不干渉。お互いが見えていない領域。
after:
子どもがいることにいらいら。夫(妻)がいることにいらいら。私(俺)だって仕事があるんだけど。そんな自分にいらいら。
↓
以下、ループ
・私生活のことが満足にできなくて、いらいらする
・仕事が思う存分できなくて、いらいらする
・気がついたらぜんぜん休んでいない。休みたいのに休めない
・PC、スマホに通知がどんどんきて、気が休まらない
・子どもや家族に対して申し訳なく感じる
みなさん、おおよそリモートワークを1カ月つづけるとこんな悩みが生まれます。そして、ストレスが積もり積もって3カ月後に「もう無理!辞めたい!」と爆発してしまうんですね。そんな生活を続けていれば、当然長続きしませんし、破綻してしまいます。
バランス型か?インティグレーション型か?自分のお仕事リズムは
健全なリモートワークをするためには、自分のお仕事リズムについて知っておく必要があります。この2つのタイプの違いは”リズム”の取りかたにあります。
①プライベートと仕事は完全分離!ライフワークバランス型
リズムは動かず固定されている。
☑仕事と遊びはメリハリをつけて取り組みたい
☑頼まれた仕事はその日のうちにきっちり終わらせたい
☑メールの返信がないと落ち着かないことがある
☑メールの締めは自分マターで終わらせておきたい
☑メールが届くとすぐに確認したくなる
……etc
ポイント
ルールがない無法地帯が苦手です。
決められたルールのなかで、計画的に着実にゴールするのが得意です。
相手のペースに飲まれると調子が狂います。
生活リズム・仕事リズムを一定に保つことが、生産性向上の秘訣です。
②仕事はプライベートの一部!ライフワークインティグレーション型
状況にあわせてリズムを変化させる。
☑仕事も遊びの一部、楽しければ休みの日にも取り組んでしまう
☑仕事をしながら、自分の興味ある分野とつなげて妄想してしまう
☑仕事も遊びも自分のペース
☑メールや電話などで仕事を中断しない
☑何事もまとめてこなしてしまう
……etc
ポイント
ルールは自分でつくるのが好きです。適度にルールを曲げるのも得意です。
相手のペースに乗りながら、自分のペースをつくります。
束縛されると途端にやる気を失います。
余白のある生活リズム・仕事リズムが、生産性向上の秘訣です。
心地よいお仕事リズムをつくるヒント集
大切なのは自分の”リズム”にあわせてアレンジをすること。ここに正解はありません。自分で試行錯誤をしながら、ベストプラクティスを探しましょう!
…勤務時間/場所は決めておいたほうが良い
★ライフワークバランス型のかたへアドバイス
できるだけリモートワークをする前の環境に近づけましょう。
例)
・通勤時間はストレッチやヨガなどの運動時間にあてる
・勤務時間は会社の勤務時間に合わせる ランチもしっかりとる
・プライベート時間に仕事を持ち込まない スマホの通知もオフにする
・プライベート空間に仕事を持ち込まない 仕事場所を確保する(ダイニングテーブルは使用しない など)
★ライフワークインティグレーション型のかたへアドバイス
急にリモートワークに完全移行しなくてもOK。徐々に慣らしていきましょう。
例)
・集中タイムを決める(10時~12時 14時~16時 は必ず仕事をする など)
・仕事を始めるまえに予定を立てる。だらだら仕事をしない
・友人と会話する時間を意識してつくる
・自分だけの時間を意識してつくる
…受信する情報は制限をした方が良い
洪水のようにふってくる情報は、”制限”をしましょう。
また、デジタルデトックスをする時間を持つようにしましょう。
★ライフワークバランス型のかたへアドバイス
例)
・PC、スマホからのとめどない通知は勤務時間に限定しよう
・必要な情報と不必要な情報を選別して処理しよう
・メールチェック、チャットチェックの時間を決めておこう
★ライフワークインティグレーション型のかたへアドバイス
例)
・PC、スマホからのとめどない通知はすべてOFFにしよう
・情報に優先順位を設けて処理しよう
・ネットサーフィンをしすぎて陸に戻れなくなるのに注意しよう
…休憩時間は意識してとったほうが良い
…会話する時間は意識してとったほうが良い
時間は無限ではありません。
自分の体力も集中力も無限ではありません。
そして、人は1人では生きていけません。
例)
・人間の集中力は1時間が限度。30分おき、1時間おき、意識して気を抜く癖をつけよう
・ご飯はエネルギーの源!しっかり食べよう
・だらだら仕事をしても生産性が低下するだけ。自分の”やる気”スイッチのオンオフを意識しよう
・くだらない話をしよう 笑える話をしよう
★チームでお仕事をするかたへ
・オンラインでも「休憩時間」はつくれる!でも、強制はだめ、絶対
モーニング、ランチ、ティータイム、ディナー やろうと思えば可能性は無限大!
・自分でリズムをとるのが苦手なかたがいたら、フォローをしよう!でも、長時間はだめ、絶対
☆朝礼 昼礼 終礼をオンラインでしよう!5分、10分でも会話すれば元気がでる!
☆定例のリズムを取り入れることで、みんなの歯車がかち合う!
☆MTGが難しい場合はテキストで代用もできる!「おはようございます」「お疲れ様でした」「日報書きます」
・隣で仕事をする感覚をオンラインでも
☆「つなぎっぱタイム」で、隣にいる安心感を。しゃべらなくても一緒に仕事をしているだけで充実感
☆1日中は疲れる。でも、1日のうちの1時間、2時間ならメリハリになる
☆追い込み期間なら、一致団結できる すぐに質問できる、依頼できる、確認できる 安心を
☆オンライン状況が分かるだけでも助かる「通話中です」「MTG中です」「離席中です」の表示が助かる
★こんなツールもあるよ
iruca - ログイン不要の在席管理ツール
めちゃおもろい在籍管理に特化したツール(笑)いるか?
Remo - Grow your revenue, and connect with your audience in the most interactive way online
新しいツールがでれば、何でも試してみる。バーチャルオフィス感満載。
…TODO整理する時間はとったほうが良い
思考をリセットする時間を持ちましょう。
思考がクリアになれば、行動もクリアになります。
例)
・1日のはじめに、スケジュールを確認しよう
・TODOだけではなく、何に何時間かけるのか、も予想を立てよう
・TODOの優先順位を立てよう
・詰め込みすぎはやめよう 自分の腹八分でおさめるつもりで
・時には、誰かに壁打ちをお願い 新しい視点でより思考が整理される
・予定は立てることがゴールではなく、達成することがゴール!やり切ったことを可視化して小さな達成感を得る
こんなヒントあります → ぜひコメントへ