道三川をたどる冒険_1/2
JR福山駅の南側に道三川という小川が流れている。
昔から風情のあるこの川が好きだったので、どこから来て、どこに流れ着くのか、調べてみることにした。
グーグルマップで確認すると、源流は霞小学校の少し西側。
地図では突然、川が始まっているように見える。
源流はどうなっているのだろうか?
訪れると意外な形で川が始まっていた。
写真では上流から水が流れてきているように見えるが、実際は堰のように見える石積みの内側から水が湧いていて、堰の上流部分は淀んでしまっている。
堰のすぐ上流に石柱で組んだ枡があり、中心からゆらゆらと少しだけ水が湧いていた。
なるほど!
これがかつての源流に違いない。
昔はこんこんと湧いていた水が枯れかけているのだ。
すると近くに機械を保護するようなケースが置かれていることに気づいた。
自然に任せたのでは水が湧かなくなったので、ポンプで汲み上げることにしたのだろう。
堰の内側に管を仕込み、そこから汲み上げた水を川に流しているのだ。
結構なお金をかけて、この川の流れを維持しようとしたことがわかる。
源流のすぐ近くにも湧水があったので、様々な要因で時間の経過とともに水脈が移動しているようだ。
道三川上流の霞町、道三町付近は、昭和50年代くらいまでは立派な商店街で、今でも霞通りを歩けば、たくさんの店が残っている。
ふとん店、材木店、金物店、薬局、印刷店、書店、呉服店、ガス店、塗料店、学生服店、雑貨店など、現代ではほぼ消えてしまった専門店たちだ。
駅前の好立地なので、現在はマンションが次々に建設され、住宅街に移行しつつある。
上流は水が綺麗なので小魚をたくさん見かけたし、ヌシのような大きな鯉が悠々と泳いでいた。
すぐ近くに小学校があるので、子供たちが川遊びするのだろう。
僕が小学生なら間違いなく魚捕りをしただろうが、最近の子供たちは立派だ。
こんな掲示を見つけた。
土曜日の朝ということもあるからか、近所の方々が川の周りを清掃しておられた。
ご挨拶すると気持ちの良い返事を返してくださった。
ご覧のように道三川には遊歩道が整備されているので、ここから流れに沿って歩いてみよう。
官地になるのか、民地になるのか不明だが、舗装路の横に植物を植えるスペースが作られているため、近所の人たちが色んな植物を植えてくれているので散歩がとても楽しい。
ここにも掃除されている方がいた。
邪魔してごめんなさいと声をかけると、反対に恐縮されてしまった。
この流れの先には中央公園があり、そこで一旦、暗渠に入る。
目の前に見えている黒い壁は「まなびの館ローズコム」だ。
中央公園には江戸末期、誠之館という藩校が作られた。
つまり、この場所は福山藩の所有地だったということなので、道三川を引き入れ、作庭がなされていたのかもしれない。
作為的に水の流れを変えたのかな?と感じた。
ここから先が道三川のハイライトだ。
繁華街を突き抜け、バラ公園の近くに出る。
ここからは植栽が一層見事なのだが、写真が増えてしまったので稿を分ける。