ANTHEMを観た記録
当初ソワレのみの参戦予定がご縁を頂き、マチソワWヘッダー。大車輪で用事を片付け、新幹線に乗り込む。冬晴れの日曜日、初めて足を踏み入れる日本武道館。
まずは体力温存。新幹線で睡眠をしっかり取っておく。
新横浜についた頃、それまで寝ていた隣席の女性が、私の着ているANTHEMパーカーを見て「ANTHEMに行かれるのですか?私もなんです」え!?なんて素敵な偶然。宝塚ファンあるある。どこのどなたかは存じ上げなくても袖振り合うも他生の縁。ANTHEM参戦ということは当然礼真琴ファン。そうとわかっていたらおそらく乗っている間中ヅカオタ話していただろうな。
ANTHEM
もう、何から書けばいいのだろう。何もかもが最高!ドカンと花火が上がったようなステージ。
宝塚の主要な曲も歌ったけど、私にとっては未知のJpopオンパレード。如何に自分の音楽嗜好が偏っているか。かろうじてドリカムは知っていたけど。
もはや宝塚の礼真琴ではなく「歌手 礼真琴」に魅せられた。キレの良いダンス、どこまでも伸びていく歌声。
MCコーナーは必要最低限。ヒーロー(ひろ香祐)が上手に進行した。日替わりで組子が語る礼真琴。お人柄がよくわかる。ここで再び松じいに会えるとは!りさこくん(天希ほまれ)役者やのう。突然80代の松じいになり、小野田っち(ひろ香祐)まで巻き込むとは!
宝塚の枠にはまらず、あらゆるJ-POPを歌う礼真琴。同期のひろ香祐、紫りらと歌う「何度でも」、暁千星とのハモリがきれいな「流星」何度でも聴きたい。なぜかことあり(礼真琴と暁千星)がおもむろにジャンケンをするのもご愛嬌。とはいえ、2人ががっつり手を組むシーン。これ以上エモーショナルなシーンがあるだろうか!?
ちなみにありちゃん(暁千星)の髪型はショートか少し伸びかけてきた感じで、一般人だったら伸びかけで鬱陶しい長さなんだろうけど、きれいに見せるのがありちゃん。さすが。そしてダンスのきれいなこと。
トップスター礼真琴の軌跡を振り返りと言おうか。眩耀の谷、柳生忍法帖、ロミオとジュリエット、ロックオペラモーツァルト、王家に捧ぐ歌、エル・アルコン、赤と黒、めぐりあいはふたたび、1789、RRR、記憶にございません、ビッグフィッシュ。
礼真琴が公演で着ていた衣装を身に着けて歌う星組の組子たち。感無量。
ルーチェの衣装を着た和波煌は、本公演でルーチェの少年時代役だった。
ビジュアルのみならず、色気を飛ばしまくる天飛華音の柳生十兵衛。
版権が厳しく、聴くのは無理だろうなと思っていた「ビッグフィッシュ」都優奈ちゃんの歌声が聴けるとは!
ぐわ〜っと盛り上がったところで、「ヴィオレトピア」の「孤独」のシーンを持ってくるとは!竹田悠一郎先生、完璧です!オタクの心を鷲掴み。
そして、なんと言っても「最後のダンス」
もおー!なんで星組で「エリザベート」上演しなかったのよ!いや、過去の名作は「ロミオとジュリエット」や「1789」で十分。それよりも、礼真琴には「RRR」「記憶にございません」のように新たな分野へ踏み出す役割を求めたのかもしれない。在団中にJ-POPのカバーアルバムをリリースしたのも然り。
低音から高音まで自在に操り、どこまでも伸びる歌声。もはやタカラジェンヌの枠を超えたエンターテイナー。いや、仰向けに寝転がってもぶれずに歌える人なんて、そうそういませんよ。
舞台狭しと歌い踊る礼真琴という類稀な一番星に出会えた奇跡に感謝しよう。
時が止まればいいと思いながらも終わりの時が来る。
素晴らしい舞台だった。私の語彙力ですべてを伝えることはできない。
このステージを観られたことは私の一生の宝物。