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花組 バウホール「殉情」観劇

谷崎の世界が宝塚の舞台で上演される。
久しぶりに原作を読み直した。老眼が進み、読む速度も遅くなったが、なぜ「殉情」のタイトルがついたのか、わかった。

耽美的美しさにおいては、花組は最強!わかってる。いうまでもない。
幻に終わった「はいからさんが通る」新公リベンジの一之瀬航季くんと美羽愛ちゃん。丁寧に演じてた。お稽古をつけるときのこいさんの「ちがう」。全部ちがう感情が乗っている。峰果とわくん演じるアホボン利太郎。際立っていた。

冒頭は21世紀の大阪。ユーチューバーの大学生にストーリーテラーをさせるという。うーむ、そうくるか。マモルとユリコと石橋教授。マモル役の鏡星珠くん。冒頭「今日は配信もあるみたいだし」のアドリブで頭がいっぱいだったんだろう。直前の台詞を少々を噛んでしまったが、動じず。よっしゃ!
中盤で甘酒屋さんに入ろうとするシーン。ユリコ役の二葉ゆゆちゃんの台詞は、笑いを取りにいったのかもしれないが、私はよくわからなかった。他の観客も同様で、客席は微妙な空気が流れた。しかし!鏡星珠くん、捨て身のフォロー。うまいわ。
わかりやすいジョークがいいのだ。
峰果とわくんの台詞「按摩〜!?あんまりやぁ〜」といった具合に

ただ、春琴の顔に大火傷をしたのは誰の仕業か?原作では謎になっているが、この舞台では、利太郎ということになっている。いいのか?誰がやったかということよりも、その結果起こったことこそがこの話のクライマックスだ。佐助が自ら針で目を突き、「これでわては、こいさんと同じ世界にきました。わての思い出にはきれいなこいはんの姿だけどす」と語るシーン(セリフは大体こんな感じ)あかーん。涙腺刺激してくれた。客席あちこちですすり泣き。深い、深いわ。


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