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ダイエット成功の秘訣は睡眠にあり

痩せたい、腹筋をバキバキにしたい、もっと引き締まった身体になりたい。
そう思っている方は多いはず。

しかし、理想の体型になるのはそう簡単なことではない。

理想の体型は食事管理や運動など、徹底した自己管理を何か月、何年間も積み重ね、ようやく手に入れられるものである。

だからこそ、出来るだけ最短で効率よく実現出来る方法を模索するのだが、実は案外単純で重要なことを見落としていたりする。

その代表的なものが『睡眠』だ。

というわけで今回は、睡眠と肥満の関係についてご紹介しようと思う。
読者様にとって参考となれば幸いである。

睡眠と肥満の関連性

早速結論だが、睡眠が不足していると太りやすいということがコロンビア大学をはじめとする複数の研究で近年明らかになっている。

この研究は、32〜59歳の男女8000人を対象におこなったもので、平均睡眠時間が7~9時間の人たちは最も肥満度が低く、これに対して5時間睡眠で肥満度50%増、4時間睡眠にいたっては肥満度75%増という結果が得られているのである。

睡眠不足で太りやすくなるのは、脳やホルモン等の反応が原因と考えられているのだが、一体どうしてそのような反応がおきているのか、簡単に紹介していこうと思う。

食欲を制御するグレリンとレプチン

食欲に関するホルモンとして、「グレリン」と「レプチン」というホルモンがある。

「グレリン」:食欲増進ホルモン
「レプチン」:食欲抑制ホルモン

これらのホルモンと睡眠には、睡眠時間が不足すると「グレリン」の血中濃度が増え、反対に「レプチン」の血中濃度が減るという関係性が確認されている。
そのため、睡眠不足に陥った人は食欲が高まり、過食しがちな状態となるのである。

では、どのくらい過食しやすいのかと言うと、正常時と比較すると食欲が25%も増幅すると言われている。

例えば米だったとしたら茶碗一杯で235Kcalのものが、25%増となると300Kcalとなる。
たった65Kcalと思うかもしれないが、これを消費するにはウォーキングなら15分以上の運動時間を費やす必要がある(勿論、体重にもよるが)。

もしこれが、脂質や糖質の多い食品だったら摂取カロリーと、それを消費する運動量も相当増えることが容易に想像がつく。

では、何故このような面倒な反応が起こるのか?

それは、起きている時間(活動時間)が長くなるので、エネルギーを多めに摂取しようと生命維持本能が働いているからである。

しかし、残念なことに睡眠不足の状態では活動量が落ちてしまうので、接種したエネルギーを消費しきれず、大抵の場合は肥満になるということらしいのだ。

つまり、「長時間起きているからちょっとくらいカロリーオーバーしても良い」という考えでは中々体重は落ちないどころか、かえって太ってしまう場合があるということ。

適切な食欲を維持するためにも、7時間以上の睡眠を確保したいものである。

ジャンクフードを欲する快楽中枢

再び研究の話に戻ろう。

コロンビア大学の研究では睡眠不足と食欲の関係の他に、睡眠不足に陥ると野菜や果物のような健康的な食事よりも、糖質や脂質の多いジャンクフードに対して脳の快楽中枢が活発な反応を示すことが報告されている。

同様の研究はアメリカのペンシルベニア大学の研究でも報告されていて、8時間眠ったグループと徹夜したグループを比較すると、徹夜したグループは8時間眠ったグループより、高カロリー・高脂質な食べ物を選ぶ傾向にあることが明らかになっている。

さらに、カリフォルニア大学の研究では、睡眠不足によって意思決定や判断をつかさどる部分の働きが鈍くなるため、食事を節制することが難しくなるということが報告されている。

つまり、どんなに自制心の強い人でも、睡眠時間が不足した状態では本能的に食欲や高カロリー食品を我慢するのが困難になるという訳だ。 

また、睡眠不足だと甘いもの(糖質)が欲しくなるという経験をしたことがある方も多いと思うが、これは糖質を摂取することでセロトニン(幸せホルモン)を分泌させ、ストレスを緩和させようとする働きが脳内で起きているからである。

食欲が増幅しているうえに、ジャンクフードを欲してしまう状況となれば、太るのも当然だ。

甘いモノやファストフードが食べたいという欲求に駆られたら、睡眠時間は足りているのかどうか再確認してみると良いかも知れない。

太りにくい体質をつくる成長ホルモン

 成長ホルモンという言葉をご存知の方は多いことだろう。

このホルモンは骨や筋肉の形成、細胞の修復、脂肪の分解などを行うホルモンとして有名だが、体中の細胞の新陳代謝を促し、内臓機能が活発にさせる働きも持っている。

内臓機能が活発になるということは、エネルギーを多く消費するということである。

つまり、「新陳代謝が良くなる」=「基礎代謝が増える」、その結果「消費カロリーが増える」ということになるので、太りにくい体質になるということなのだ。

この成長ホルモンは睡眠時に分泌されるのだが、特に入眠後3時間以内の深いノンレム睡眠時の分泌量が最も多く、一日の7~8割に相当すると言われている。

時間帯で表せば夜の22~3時が最も多く分泌されることが明らかになっている。

したがって、成長ホルモンの分泌には夜更かししないことと、入眠後は覚醒しないことが重要だ。

また、成長ホルモンは空腹時にも分泌されやすくなるので、入眠の3時間程前までに夕食を済ませておくと良いだろう。

まとめ

太りにくい体質を作るなら睡眠時間は7~9時間がベスト。
睡眠時間が短くなると、食欲が増幅する。
睡眠不足のときは高脂質、高カロリー、糖質を食べたくなる。
成長ホルモンを多く分泌すると太りにくい体質になる。

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