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心にぶっ刺さるタイドラマ「3WillBeFree」を泣きながら語る
『どうして他人と同じようにしたがるの?
何でそんなバカみたいなルールを作るの?
自分の人生をどうするのかどう行動するのかを他人なんかに決めさせないで
すくなくとも自分の心に従って』
ちまちまとブログ引っ越し中です。えへ(*´з`)
この記事は、はてなブログで7/11に書いたものに加筆してます
今、世界でタイBLドラマが熱いのをご存知だろうか?
数年前から本格的にタイの大手TV局がBLドラマの制作に乗り出し、タイ本国では若い女性を中心に大変な人気らしいのだ。
そんなタイBLだが、今年のはじめに放送された「2 gether The Series」と言うBLドラマが火つけ役になり。いまや世界中の腐女子はもちろん、腐女子だけではなく多くのファンを惹きつけているのだ。
そして私にも贔屓のタイ人俳優が出来た。BL作品ではないが彼を観たさに軽い気持ちで観た「3willbefree」だが、これがほんとに思いがけず心をもっていかれるすごいドラマであった。ひとこと説明するのは難しい・・・愛の在り方が物語の核ではあるが「人間の尊厳」がテーマのドラマであったように思う。
パンセクシャルであろうneo、Miw(?)ゲイのshin。3人のポリアモリー的な関係性。ただの恋愛ドラマでもないし、ノアールでもない。誰にも感情移入出来ない様で、まるでneoがmiwがshinが自分であるかのような心を掴まれる不思議な力強さを持つドラマであった。#3willbefree pic.twitter.com/4HHDEEF7Fr
— ゆりこ💙🤟 (@0rYTrLh3GK4LQwT) June 24, 2020
■ ストーリー
Neo・Miw・Shin。2人の男と1人の女
赤の他人だった3人はある事件に巻き込まれマフィアに追われる事となる…
neo・miw・shin、マフィアに追われる逃亡劇を縦糸に
3人の関係の変化と、mae・terの想いを横糸に
複雑に絡みあう糸は・・・3人を待ち受ける運命とは・・
■ 独特の映像美
shinがneoの部屋を訪れるシーン。まず目に留まるのは「ブエノスアイレス」のポスターだろう。セクシャリティに対する名言はなくともこの部屋を見回すとneoという人物が分かるような気がする。こういう部分に作り手の作品への愛を感じてしまう。そしてEP5は神回です(私的ですが笑)#3willbefree pic.twitter.com/ZodMiOBhHe
— ゆりこ💙🤟 (@0rYTrLh3GK4LQwT) June 24, 2020
「3will be free」は光と影の演出がとても素晴らしいので、そこも注目して観てほしい。また色彩が本当に美しく強く心に残るシーンがたくさんあった。バイオレンス目白押し・緊張感が続く場面が多い中、その映像美に暫しの安寧と優しさを感じる事ができると思う
■ 魅力的な主役たち
neoもmiwも自身のセクシャリティに言及するシーンはない。ドラマの序盤「男と女どっちが好きなの?」と問うmiwに「決めなきゃいけないのか?」とneoが返すシーンが好きだ。肯定とか否定とかではなく「自分の事は自分が決める」このドラマが最も伝えたいメッセージだったのではと思う#3willbefree pic.twitter.com/duZcc6H9ag
— ゆりこ💙🤟 (@0rYTrLh3GK4LQwT) June 24, 2020
★NEO「自由な魂に」
引き締まった肉体美に人好きのする人懐っこい笑顔。その外見もさることながら、やはりこの人の魅力は誰にも支配されない「自分の主人は自分」という確固たる信念にあったように思う。じゃあ他人を巻き込んでいいのかと突っ込みたくる場面も多々あったが、それが許される魅力に溢れるキャラクターであった。人は誰しも自分を肯定してくれる人を欲している。neoの持つ大らかで包み込むようなオーラ。自由な魂を持つこんな人だからshinもmiwも惹かれ、そして救われたのだ。
■ Miw「生への執着に」
『派手な化粧に服装・はすっぱな態度・相手が男で尻込みしない』それは自分を守る術。そうしないと生きて来れなかった。生き延びるため全部を捨てたmiw。悲しいかな「演じている」うちに地になってしまう事はあるかもしれない。執着と言うとネガティブに聞こえるもしれないが、miwの「どんなことをしても生きるんだ」という姿は生命力に溢れ、時に惨めで、時に眩しく羨ましくも見えた。私たちは彼女を通してタイ社会に根深く残る女性蔑視を、女として生きていくことの生きづらさを垣間見ることになる。そして彼女の中にある弱さと真の優しさを感じるだろう。miwのセリフには何度も心揺さぶられた。彼女の言葉はすべての女性達へのエールかもしれない。miwもまた愛おしい魅力的なキャラクターであった。
■ Shin「愛に」
このドラマにとって重要な役である脆さと強さを持つ繊細なshinという人物を繊細な演技で表現した俳優TayTwanの素晴らしさは特筆したい。ファンの贔屓目を差し引いてもとても良かった。気弱な眼鏡男子設定。でも危ういセクシーさは隠しきれなかったね💙#3willbefree #taytawan pic.twitter.com/52Xyyk4Upa
— ゆりこ💙🤟 (@0rYTrLh3GK4LQwT) June 24, 2020
私はこのshinというキャラクターにドラマ最大の魅力を感じている
shinがこのドラマに「癒しと救い」を与えてくれたことは間違いないだろう。マフィアの1人息子として生まれたshinは父親の職業を嫌っている絵を描く事が好きな繊細な心を持つ物静かなゲイの青年だ。ひょんな事でneoと知り合い、たった一夜を過ごした彼に恋をする。後に再会した時に「たったあれだけで好きになるなんて早すぎないか?」と戸惑いを見せるneoに「好きになるのに時間の長さは重要じゃない。その瞬間、どれだけ幸せだと思えるのかにかかってるんじゃないのか?」と答えるシーンに胸を衝かれた人は多いのではないだろうか。過ごした時間が1日でも1時間であっても、誰かを好きになることはあるだろう、その時間だけが心の支えになる事も。まさにshinにとってneoは閉じ込められた籠の中から外の世界へ連れ出してくれた神様だったのだと思う。
neoとmiwが度々shinに言う「お金に苦労した事ない人間には分からない」
shinはこう返す「自分の意志とは関係なく敷かれたレールの上を進まなきゃならない気持ちは誰にも分からない」
shinはneo・miwの命を救う為、死ぬほど嫌っていた父の跡を継ぐ事を決意する。shinは生きながら死ぬことを選んだのだ。
気弱だったshinを突き動かしたのはneoへの愛に他ならない。
見返りを求めない無償の愛。この世にこれ以上尊いものがあるだろうか。このshinの愛に心を打たれずにはいられない。
ドラマのクライマックス。shinが父親と対峙する場面
父親がshinに「なぜそこまで奴らを守ろうとするのだ?彼らは何をした?」と問うシーンがある。shinの答えをどうか確かめてほしい。shinが求めていたものは何なのか?そこにドラマの答えがあるようにも思う
■ 愛する人を守るということ
このドラマにおいては「(自分)愛する者を守る=誰かを殺す事、裏切る事」であった。殺されなけば殺されるという構図。話せば分かるが通じない世界。タイは銃社会なのか?その辺りは不勉強で申し訳ないが銃を撃つシーン満載であった。
このテーマについては「phon&mae」に言及しなければらばならない。
殺し屋として生きてきたphon、恋人でトランスジェンダーのmae。互いに支え合い生きてきた2人。phonは「俺は足を洗う。お前の夢だった店を開いて2人つましく生きていこう」と語る。性別適合手術を控えるmaeはphonの言葉に幸せを噛み締めるのも束の間、phonは何者かに殺されてしまう。それを知ったmaeは、彼を兄と慕うterと共に愛する者を奪った犯人に復讐する事を決意するが・・・
殺したのは誰なのか?なぜ殺されなけばならなかったのか?
殺された者にも殺した者にも愛する人がいたとしたら?
物事は誰の立場から見るのか?によって悪は変わる。一方にとって悪でも違う角度からみればそれは「善」になる。
何が正しくて何が間違っているのか?
悪とは何なのか?善とは何なのか?
どちらも間違ってない。
「生きる」とはどいう事なのか。
飽きさせずテンポよく進むストーリー
見事な伏線の回収
暴力・貧困・差別・トランスジェンダー・女性の生き方。ひとことでは説明できない色んな要素を含んだ『愛と生と尊厳』がテーマのドラマ
しかし・・・タイドラマってすごいよーーーっ!!!
「3 will be free」(全10話)是非ご覧ください!
もちろんyoutubeにて無料視聴可能。
TayNewJapanFC様が素晴らしい日本語字幕を付けてくださっています。
※ちょっとサムネールがセックスィ~ですけど笑