選択的夫婦別姓って実際どうなん? Z世代のリアル
日本の女性の権利拡大やジェンダー平等などを担当する男女共同参画担当相が、選択的夫婦別姓に反対するよう地方議員などに呼びかける書状に名前を連ねていたことが明らかになった。
BBC NEWS JAPAN -https://www.bbc.com/japanese/56220551
こんにちは。
今回は丸川大臣の一件をきっかけに、個人的にすごく気になった「選択的夫婦別姓」について取り上げていきたいと思います。
私自身があまり「選択的夫婦別姓」についてきちんと理解できていなかったり、自分の意見がまとまらなかったので、どのような制度なのか学び直し、SNSで同世代に意見を募りました。
このnoteでは「選択的夫婦別姓って何?」といった初歩的な部分から私がSNSで募った意見を参考にZ世代がどのように「選択的夫婦別姓」を捉えているのかと言った部分について言及していきたいと思います。
本日のアウトラインは次の通りです。
1、話題の「選択的夫婦別姓」 そもそもどんな制度なの?
2、Z世代が捉える「選択的夫婦別姓」〜めっちゃ疑問やねんけど、自分の苗字が変わるのって抵抗ある?〜
3、日本は「選択的夫婦別姓」を導入すべき?Z世代の私と社会
1、 話題の「選択的夫婦別姓」 そもそもどんな制度なの?
「選択的夫婦別姓」って一体何?
法務省の回答(以下)がわかりやすかった!
現在は,男女が結婚するときは,全ての夫婦は必ず同じ氏を名乗らなければならないことになっています。選択的夫婦別氏制度とは,このような夫婦は同じ氏を名乗るという現在の制度に加えて,希望する夫婦が結婚後にそれぞれの結婚前の氏を名乗ることも認めるというものです。
もちろん,選択的な制度ですから,全ての夫婦が別々の氏を名乗らなければならないわけではありません。これまでどおり夫婦が同じ氏を名乗りたい場合には同じ氏を名乗ることもできますし,夫婦が別々の氏を名乗ることを希望した場合には別々の氏を名乗ることもできるようにしようという制度です。
分かりやすいけど、文章読むのダル!つまりこんな感じかなあと思いました!
(めちゃくちゃ裏紙の走り書きメモ)
選択的夫婦別姓制度が日本に導入されたからといって夫婦別姓が強要されるものではないんですよね。
今まで通り結婚して同じ名字になりたい人は同じ名字を使用できるし、逆に別姓がいいなあと思っている場合は別姓を使用できる。
あくまでこの制度はいわゆる“オプション”的なものなのです。
名前通り、「選択的」だなあという印象を覚えました。
2、 Z世代が捉える「選択的夫婦別姓」
私がSNS(Instagram)を通してZ世代に対して「選択的夫婦別姓、どう捉えてる?」と質問して得られた回答を紹介していきます。
①選択肢としてアリ系
・選択肢のひとつ
・多様性を認めるってことにつながる
・選択肢が広がるならあったほうがいい
②好きな自分で生きていく手段としてアリ系
・好きな名字で生きるのいいなあと思う
・嫌なら自分の名前を捨てる必要はない
・名字というアイデンティティを残すために良い手段
③個人の事情的にアリ系
・家が残るから
・ずっと続いてきた家柄が途絶えないために必要
・キャリア的に変えたくないってなる可能性がある
・(同姓では)婚姻後の手続きがめんどくさそう
・お墓の問題(お母さんと同じお墓入りたい)
④なんで反対されてるかわからん系
・認める事で生じるデメリットに全く正当性がない
・「選択的」やから反対する理由がない
・なんで反対すんのかわからん
⑤子ども・家族のことあるしむずい系
・子どもがいたら同じ姓のほうがいい気がする
・同じ空間で生活するのに違う姓やと他人に感じる
・子どもの姓問題に発展しそう
・婿入りをバカにする風潮もあるしむずい
⑥その他
・丸川さん矛盾してる
・夫婦別姓推しの政治家共産主義多め、ちょい怖
・今の制度のままでOK!
(*省略・分けて記述している部分があります。)
なるほど!思っていた以上に多種多様な意見が「選択的夫婦別姓」に対してあってびっくりしました。そして私も自分ごととして捉えていかないと…
上記の通り様々な意見があるけど、そもそも
“自分の名字が変わるのって抵抗ある?”
これは私の疑問だったんですけど、自分の名字が変わるのに対して、果たして抵抗があるのかと思ったんですよ。私自身、自分の名字にあまり愛着がないのでそこまで考えた事なかったんですけど他の人ってどう思ってるんだろう。
②で紹介した意見では名前への愛着みたいな部分が反映していると感じたので実際に「“めっちゃ疑問やねんけど、自分の名字が変わるのって抵抗ある?”」を調査してみました。
調査結果は…
めちゃくちゃ僅差!なんと はい:29票 いいえ:28票 という結果でした。意外と「いいえ」の人が多いなあ…
少し余談ですが、この投票で男性が投票してくれたことがすごく嬉しいなと思いました。選択的夫婦別姓の議論において、現在の制度でも妻の名字を(婿入りで)尊重できるということが取り上げられます。
しかし、厚生労働省の「平成28年度人口動態統計特殊報告『婚姻に関する統計』の概況」(10頁)の通り、平成27年度では、96%が夫の姓を選択し、「夫婦とも初婚」の場合は、さらに高く97.1%が同じく夫の姓を選択している状況です。
現在の法律では「夫」の立場になる男性が、自分ごととして捉える/捉える一歩としてこの質問に回答してくれているとしたら私はとても嬉しく思います。
これらを踏まえて私の意見を述べていきたいと思います。
3、 日本は「選択的夫婦別姓」を導入すべき?Z世代の私と社会
結論から言うと、
私は「選択的夫婦別姓」を導入すべきである
と考えています。
理由は、したいと思っている人がいる・制度を必要としている人がいるのにできない理由に整合性がないと感じたからです。
正直なことを言うと、反対の理由が全くわかりませんでした。
反対される理由の大部分を占めるのは「家族のあり方」といった部分であると思います。
名字が違うということは、家族のあり方にそんなにも関わるものなのでしょうか。
丸川さんは福島さんとの答弁バトルで明言はしませんでしたが、選択的夫婦別姓に反対した理由について「家族の一体感について議論があって、これは家族の根幹にかかわる議論だなという認識をもった」と答弁しています。
私はこの発言に対して、夫婦間で名字が違うということは家族の根幹を揺るがしかねない事態につながるといった考え方が含まれていると感じました。
しかし、 “名字が違う”という理由だけで家族の一体感がなくなるという家族を少なくとも私は知りません。【同姓=家族の一体感】と一様に括るのはあまりにも安直なように感じます。
家族において大切なのは、名字云々よりも「どのような絆や繋がりを構築しているか」といった部分ではないでしょうか。
仮に私の両親が別姓であったとしても、私の母親は私の母親で私の父親は私の父親です。
選択的夫婦別姓とは、自分のあり方の話で、家族のあり方の話ではない、と私は思うのです。
そして、夫婦のあり方を真剣に考えて、お互いの意見を尊重して別姓・同姓を選ぶことのできる夫婦や家族はとっても素敵だなと感じます。
父がよく訪れる与那国島では古来の名字を守るために事実婚状態の夫婦が多くいるという話を聞きました。
「別姓を名乗れない」という理由だけで「結婚」という選択肢を奪われているという現状がそこにはあります。
選択的夫婦別姓制度は別姓を義務化するものではなく、別姓という選択肢を加えるという制度です。
(=夫婦間において同姓・別姓どちらでも可能)
現状の同姓制度を否定するものではありませんし、選択肢を増やすための手段なのです。
この手段の一つである「選択的夫婦別姓」を私は、1人でも多くの人々の選択肢を奪わないために導入すべきであると思います。
また、子どもの名字問題についてですが、
法務省では平成8年の法制審議会の答申において “婚姻の際に,あらかじめ子どもが名乗るべき氏を決めておくという考え方が採用されており,子どもが複数いるときは,子どもは全員同じ氏を名乗ること” としています。
選択的夫婦別姓が一般化すれば、名字が片方の親と違うことに疑問も生まれないでしょうし、また、子どもは “成年に達した後は,特別の事情がなくても,家庭裁判所の許可を得れば氏を変更することができる”とされているため子どもの意思を尊重するといった仕組みも組み込まれています。
以上のことから子どもの名字問題について、選択的夫婦別姓を否定する理由ではないと考えます。
Z世代への「日本は選択的夫婦別姓を導入すべき?」という質問。
はい:97%
いいえ:3%
あなたはこの数字をどう捉えますか?
そして、選択的夫婦別姓制度について賛成ですか?反対ですか?
2021.03.05
Kirara Okamoto
参考サイト
BBC NEWS JAPAN 日本の男女共同参画担当大臣、選択的夫婦別姓に反対 2021/2/27 https://www.bbc.com/japanese/56220551
法務省 選択的夫婦別氏制度(いわゆる選択的夫婦別姓制度)について http://www.moj.go.jp/MINJI/minji36.html
民法の一部を改正する法律案要綱 http://www.moj.go.jp/shingi1/shingi_960226-1.html
Yahoo! JAPAN ニュース「選択的夫婦別姓制度」で知っておきたい法知識~明日「第2次夫婦別姓訴訟」の判決下る 2019/10/1 https://news.yahoo.co.jp/byline/takeuchiyutaka/20191001-00144904/
朝日新聞デジタル 丸川氏、7回続けて答弁拒否 選択的夫婦別姓の反対理由
2021/3/3 https://www.asahi.com/articles/ASP334VQWP33UTFK016.html
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