Instagramについて知る。ユーザー、検索、コマース、世界観。
こんにちは。デザイナーです。寒くて出勤できません。
最近お仕事でInstagramやそのユーザーさん、女性向けメディアについて調べることが多く、個人的な感想とともにnoteにメモしておきます。デザインプロセスのひとつってことで。長いよ。
増えるユーザー数、高いアクティブ率
長谷川氏によると、Instagramの月間アクティブユーザー数は、グローバルでは8億、日本では2000万超えるまでに成長したという。
出典 2017/10/04 Instagramの月間アクティブユーザー数は2000万人。ユーザーの8割がビジネスアカウントをフォロー
・月間アクティブユーザー数:1,600万人 ⇒ 2,000万人(参照元と期間:2016年12月 から 2017年10月)
出典 2017/11/06 【最新版】2017年11月更新! 11のソーシャルメディア最新動向データまとめ
・月間アクティブ率:76.7% ⇒ 84.7%(参照元と期間:2014年12月 から 2015年6月)
伸びております。まだそんなもんだったのか。TwitterのMAUが4500万、FacebookのMAUが2800万ですから、それに比べるとまだまだじゃんと思いそうですが、アクティブ率が高く、ユーザー層やその接し方の違いが想像できます。なおInstagramは世界で見るとMAU8億。......おそろしい子! おかげでクソみたいな広告が増えました。
またここまでユーザーが増え、そしてアクティブとなってくるとグロースハッカーたちは、Instagramをどう巻き込むかということも考える必要があります。最近ではSarahahのグロースにInstagram Storiesが一役買ったという話がありました。
- 急速に流行「Sarahah」とは? 中東発のアプリ、日本でランキング1位に
変化するコンテンツ
また長谷川氏は、2017年9月に行った18~44歳の男女2053人を対象とする、Instagramの利用実態の調査結果を紹介した(フェイスブックの委託調査・実施はKanter)。
出典 2017/10/04 Instagramの月間アクティブユーザー数は2000万人。ユーザーの8割がビジネスアカウントをフォロー
日本におけるInstagramユーザーの男女は、男性39%、女性61%だという。
Instagramユーザーの最も多い利用シーンは、自宅でくつろいでいるときが59%と1位となり、次いで移動中が31%、仕事の休憩中の18%が続いた。
「よく見るコンテンツ」の上位15位を紹介した(右の数字は2015年比)。1位は有名人の投稿、2位は友人の投稿、3位はファッションと2015年と比べても上位3トップは根強い人気がある。
2015年と比較して減少しているコンテンツは、4位の写真や13位のアート・デザインである。一方、よく見られるコンテンツとして増加しているものは、5位の料理、6位の旅行、7位の動物・ペット、12位のスポーツは50%以上増加している。
出典 2017/10/04 Instagramの月間アクティブユーザー数は2000万人。ユーザーの8割がビジネスアカウントをフォロー
10代女性に絞ると、SNOWが74%、Instagramが68%となっており、どちらも特に女性に人気が高いことが分かります。
出典 2017/11/17 【若年層のSNS利用状況関連の調査まとめ】 テレビは見ないがネット動画は毎日見る。若年層のネット利用状況とは?
女性が多いです。このあたりは皆様の肌感覚と同じはず。有名人が増えましたし、生まれてきてもいます。そういった方はサロモ、読モを含む女性モデルが多い印象があります。世の中にはモデルって多いんやね。
ハイクオリティなものに触れる場やセンスを見せる場よりも、自分と同じ興味を持った人とつながれる場(61%)や世界をもっと知れる(61%)、最新のカルチャーやファッションを知れる(56%)といった回答が多く、自分の日常を切り取る場としてInstagramは利用されていることがわかる。
出典 2017/10/04 Instagramの月間アクティブユーザー数は2000万人。ユーザーの8割がビジネスアカウントをフォロー
一見、モデルさんのコメント欄に生息しているように見えるオッサンも、プロフィールを見に行けばラーメン、バイク、橋でセルフィーとマーベラスな日常を切り取っておられます。日常的に使用するようになってきたためにハイセンスなコンテンツの割合が減りました。Instagram Storiesが日常使いに貢献しています。
下記もご参考に。
- フォトジェニック疲れ?Instagramストーリーが流行るワケ。
- なぜインスタは「キラキラ専用空間」ではなくなってしまったのか? 女子大生が語るインスタに起きている変化と、SNSで「着物の価値」が上がった理由。
少し古いですが、トレンダーズさんの調査も引用させていただきます。
次に、「Instagram に投稿されていた内容を“真似したい”と思ったことがありますか?」と質問すると、73%と 7 割以上の人が「ある」と回答しました。「“真似したい”と思ったことがある投稿のジャンル」として特に多かったのは「ファッション」(67%)と「食べ物/飲み物」(58%)。[グラフ 2] これらに続いて「美容」(42%)や「インテリア」(40%)、「旅行/景色」(40%)などが上位に並びました。
出典 2015/09/03 女性の Instagram 活用に関する調査
俗に“衣食住”と言いますが、その中でも“衣”・“食”に関する投稿に影響を受けている人が多いと言えます。
そうですよね。ぶっちゃけそういったジャンルは「参考しよう」「真似しよう」という意識があって見ているはずなので、そういう結果にはなると思います。
「ファッション」は好みのスタイルを見つけて類似のアイテムを購入、「食べ物/飲み物」は価格が低く再現が簡単、「美容」は生のレビューを見られるからリアル、「インテリア」は「ファッション」と同じ感覚だが行動頻度は低い、「旅行/景色」はスクラップブック代わりって感じですかね。
Pinterestっていまどうしてますか。
検索ツールとして
Instagramで検索するユーザーも「見たい」「参考にしたい」というインテントをもって検索します。Instagramでの検索は主に画像・動画なので、Googleと比較して検索するコンテンツの形式は異なりますが、ユーザーがインテントを持って検索するという点に関してはGoogleと同じです。つまりInstagramはGoogleと同じく価値の高いユーザーのインテントを集めることが出来る媒体なのです。
出典 2017/03/07 Google的な検索文化を持つInstagram。よりビジネス活用価値の高いSNSになりえるか?
普段、インターネットで調べものをする際、情報検索を行う手段をきいたところ、Instagramを利用したことがあると回答した人は13.9%でした。若年女性ほどその割合は高く、10代女性では33%が利用したことがあると回答。頻繁にInstagramを情報検索手段として利用している割合は、10代女性で13%、20代女性で12%でした。若い女性の中では、Instagramは情報検索手段の一つとなってきているようです。
出典 2016/07/26 2016年夏、Instagramの今。
GENKINGさんは「昔の若い子の楽しみって買い物やカラオケ、今はセルフィーなんですよ。SNSに写真をアップするのがライフスタイルの1つになっている」と続ける。だから、ビジュアルで個人ユーザーがリアルに使っているモノが分かるのだと。「一昔前ならGoogleで検索して化粧品のランキングを見ていたが、いまは見ません。結果にウソが多いのも若い子は知っている。自分が使っている化粧品が良くなくても、(ネットの)評価がいいと『ウソだな』と思う。Instagramは個人がやっているからウソがない」——もちろんInstagramにだって広告は入っているわけだけれど、SEOの件も含めて、すごく核心をついた話に聞こえる。
出典 2016/03/03 Googleは使わない、SEO対策しているから——Instagram有名人のGENKINGが語った10代の「リアル」
確かに、実際に行った、食べた、着た人の写真とコメント見られるので、当然参考になります。Googleだとクリックした先が自分の想像していたコンテンツだとは限らないのでストレスを感じることもあります。前述した日常使いのユーザーが増えたということにも繋がります。サンキューGENKING!
コマース
このまえ、海外旅行のために「ブラジリアンビキニ」っていう、露出度の低いビキニを買いました。
出典 2017/05/09 インスタは「妄想の検索エンジン」メルカリは「通販の検索エンジン」としてつかう。女子大生が教えてくれたスマホで「ビキニ」を買うまでの心理と経路。
まず、最初にやったことは「インスタでの検索」ですね。ハッシュタグ「#ブラジリアンビキニ」で検索して、実際に着ている人の写真を見てみました。
その写真を見ながら「わたしが着ても似合うかな?」って妄想するんですよ。日本人の体型でも似合うかな、自分が着てもカワイイかなって。笑
たしかに、通販サイトにも写真はあるけど「ナイスバディな外国のお姉さん」ばかりで参考にならない。だから写真はインスタで見た方がいい。
ハッシュタグでの検索は確かにリアルではあるのですが、ノイズも多く、期待した結果が得られないこともあります。お前のアウトフィット、刺し身かよ。
今後、フリーワードで画像検索なんて実装してくれるんでしょうか。頑張ってFacebookの人工知能。
ちなみに、インスタに「フリマ・通販」の機能がついたら、けっこう使われそうですか?
そういう感じだったら、インスタで服をすごい買うようになるかもしれないですね。
めちゃつかうかもしれないです。とくにインスタにいる「有名な読モ」みたいな子がやったら、めっちゃ売れそうだなと思いますよ。
いまの大学生って、そういう子に憧れているので。しかも、中古だったら「その子の着た服」を買えるわけですし、買うときにその子としゃべれるのも良い。笑
出典 2017/05/09 インスタは「妄想の検索エンジン」メルカリは「通販の検索エンジン」としてつかう。女子大生が教えてくれたスマホで「ビキニ」を買うまでの心理と経路。
これ、欲しいっていうから実装したのに使わないやんけ^^ シリーズになる気もするのですが…..どうでしょうね。
確かにInstagramからのコマースというアプローチは盛んになっております。アメリカではScreenShop、日本ではchaoといったサービスがあります。
- インスタで見かけた服を「即買い」できるアプリが買い物を変える?
- インスタで「いいね」した商品が見つかる リコメンドアプリ「チャオ」が本格ローンチ
- 【まとめ】SNSやAIを活用、ファッションに特化したデジタルサービス8選
なおInstagramは米国の一部アカウントでショッピング機能をスタートさせています。
- Instagramでショッピング
- 「見るだけ」が「買おう」に変わるまで: Instagram上のカスタマージャーニーを探る
しかしアプリマーケティング研究所は一体どこからこんなに女子大生を見つけてくるのでしょうか。
テイスト
特に、「カフェ」「ファッション アイテム」「ダイエット」「コスメ」のジャンルは、キーワードで探すニーズが高まっており、それに伴いフィードに投稿されるコンテンツも変化してきているようです。
出典 2017/10/30 セレブよりハウツー?プロに聞いてみたInstagramの活用法3つのポイント
これまではInstagram上で誰かをフォローする最初の動機は「憧れ」の要素が強かったのですが、いまは「情報を得たい」という動機へと変化しています。
その結果、現在は、モデルやハリウッドセレブのような華やかなアカウントよりも、明確なテーマがあるいわゆる”情報が濃い”アカウントの人気が高まりつつあります。
インスタは雑誌を作る感覚で「非日常」を投稿するようにしています。なので生活感が出ないようにしています。ブログでもそうですが、読者やフォロワーは私の日常を見たいのではなく、ファッションやメイクの情報を見に来ているので。
出典 2017/11/17 大事なのはフォロワー数だけじゃない? 13,000人から支持されるインスタグラマーにSNSとビジネスの話を聞いてきた
メディア作りと同じように、Instagramでも受け入れてもらうにはコンセプトが重要。インスタグラマーの皆様にお話を聞いていると大変なこともあるようですが、世界観にこだわってすごく頑張っていました。
何かと揶揄される“インスタ映え”ですが、これまで僕たちが雑誌を読んで憧れ、ガイドブックを見ながら旅先を想像していたのと大きな違いはありません。非日常が身近になった、とでも言いましょうか。そりゃあ楽しいに決まってますよ。毎日楽しいほうが良い。
みんながモデルになれる、編集者になれるって楽しいし、憧れている人がいるって素晴らしいと思います。
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Instagramの新機能の話とかもあったけど、今日はこのへんで。
おれもインスタグラマーになろう〜〜っと!
また一歩、天国に近づくのです...💃