骨折しているのに風邪薬をあげてる②(その課題にその解決策は合ってるか?)
前回は、そもそもお客様は誰で、どんな課題を持っているのか、という解説を、お客様を患者、企業をお医者さんに変換して説明しました。
世の中的に事業を作る際の順番として、
①カスタマープロブレムフィット(↑↑↑の記事見てください)
(課題を抱えている顧客はいるか)
②プロブレムソリューションフィット
(①の課題にその解決策はあってるか)
③プロダクトマーケットフィット
(②の解決策は広く市場で受け入れられるか)
という流れがあリますが、今回は、②をご説明します。
患者さんがいて、症状もわかった。では処方箋を
ここでは前回の記事を受けて、課題(症状が確定)がわかった、という段階です。その課題(症状)に対して、症状によっていくつか処方箋をもらうとおもいます。
うちにはこのお薬しかないから、これしか出さない、とか、この症状には全く効かない処方箋を出すことは、ま、ないと思います(信じます)。
この症状に効くお薬はいくつかあるが、なぜそれを選んだ?ということです。
一方で実際の顧客、企業に当てはめた時に、創業当初はばっちし商品とお客様、その課題がハマってたと思います。当初ここにお店を出した、この商品が当たった、ここの情報入手源から情報が来ていた、など当初は当たっていたかもしれませんが、時代の流れでどんどんずれていくと思います。
お客様と課題は特定し、いろんな手段があるが、なぜその立地?なぜその商品?なぜそのPR法?を選択したのか?
昔、とある先生より、「それは、ツンツンピクピクか?」と習ったことがあります。体の秘孔的なところなんですが、ツボを押さないとずっと押しても永遠に効かない。でもツボを押すと一瞬でピクっ!!っとなる。
その解決策(商品や立地など)は、お客様やその課題に一番ピクっ!ってなってますか?
その売っている場所は商品が一番輝く場所ですか?
たまたま自分が生まれた場所だから、という理由だけで売っていませんか?
また、お店の方や事業者の方も、どんどんプロ化して行って顧客との距離がどんどん離れていく場合があります。
顧客の絞り方で当然に変わってくると思いますが、企業と顧客で最初はバッチリハマっていたのにどんどんずれてきます。
このズレを事実として認識し対応できるのか、これはたまたま起こっている現象でいずれまた顧客が戻ってくると思うのか、でずいぶん違います。
(ここに関しては、スマホの王者だったブラックベリーがあっという間にiPhoneにとって変わられた事例がわかりやすいと思います)
どうやるか、からの工程
気付いたら新興企業の人たちが、もともと自分たちがいた土俵じゃない土俵を作り、むしろそっちにお客様がめちゃ行ってしまってる・・・、と。(あれ、スマホはハードキーがあるのがいいじゃん。オバマさんも使ってたんだよ。iPhoneよりいいのに。。。というブラックベリー陣のように)
企業やお店、現事業はオペレーションを回すには最適な組織だと思います。いかに効率性を高め、生産性を高めて競争に勝っていくか。「どう」やるかどう処理するかにフォーカスが当たっています。
一方で、当たり前ですが全ての企業には始まりがありました。創業者はその時代その時代の課題を見つけ解決策を見つけ社会に提供し喜ばれてきました。
ただほぼほぼ今の社会は労働者(雇用されている人)がほとんどであり、この事業をうまく回すことに専念している方がほとんどで、目の前の仕事や差し迫る締め切りでそれ以外手につかない、というのがあるあるだと思います。
何をやるのか?の工程
上記の矢印チャートで言うと、前の工程の失敗は後ろの工程ではなかなかカバーしづらいです(もちろんゴリゴリに努力して会社の方針はどうかな?と思ってるけど根性で戦術でカバーしているぜ、って言う現場の方がたくさんいるのも承知しています)。
とはいえ、戦略の失敗は戦術ではなかなかカバーできないし、その前も然りです。たくさんのカロリーがかかります。
いくら棚をきれいにしたり、品揃えを良くしても、砂漠の真ん中に立地してはお客様は来ません。
カオスな世界
上記の工程は図表的には、こう言った一直線になっていますが、実際にはこんなみどりの線のようなイメージです。
アイデアから始まって、結果的に右側の戦術まで辿り着いてお客様に提供できるステージまで行けたけど、途中はまーまー枠からはみ出ることもあるし、よくもまー、着地したよね、って言う結果論的な奇跡的な着地であることもたくさんあると思います。
このチャートの前半の部分は、綺麗な言葉でいうとアートな世界、実際はカオスな世界だと思います。後半は最適化が進むので効率化の世界、サイエンスの世界です。
メタ認知
(出典)メタ思考トレーニング 発想力が飛躍的にアップする34問 PHPビジネス新書 細谷 功 (著)
前半のカオスな部分はこの細谷さんの本に照らし合わせると、「気づいていない領域」、後半のサイエンスな部分は「気づいている領域」です。いわゆるメタ認知の事です。
前半部分:カオスな部分=見えていない領域
後半部分:サイエンスな部分=見えている領域
後半部分は見えている、気づいている、と言うことは競合も気付いています。わかっています。なのでみんなそこに行くので競争も激しい。専門家も多い、分析や打ち手のフレームワークも多い。答えがピシッとあって本を読んでても気持ちいいし、説明する方もされる方もある程度ハマる。
前半のカオスな部分は気付いていない、見えてない部分であり、フレームワークには当てはまらない部分が多々あります(全くないわけではありません)。
当然競合も気付いていないことも多く、本人(起業家)のみ気付いていると言う世界です。他人が知らない意外な真実がある分野もここです。
ユニークな部分なので競争もなく、いわゆるブルーオーシャンと呼ばれる世界です。孫氏の兵法では「不戦」の領域です。ピーターティールも「競争は負け犬のすることだ」と言っています。
基本、戦わない。どうしても戦わないといけな場合にいろいろ戦略練る。
でもここは静かすぎて競合もいないが顧客もいない気がして、やってて気持ち悪いし、不安だし、早く見えるところに行って解決策を出して置きに行きたいところです。でもそこは見えているところなので、競合もそこは見えていて同じような打ち手を打ってくるので、結果レッドーシャンになり、↓↓↓のようなことになります。
リアルレッドーシャンの映像です。。
後日記載しますが、すぐに解決策に流れずに、顧客の課題を深掘りしてしっかりと独自の土俵を作る方法が開発されています。
課題があるかどうかは、ま、あるでしょう、と流しすぐに自分のやりたい解決策に行きたいのはものすごくわかります。そこが一番やりたいし、気持ちいいし。でもそこは競合もひしめく「見えている」世界です。
課題の特定は苦しむが独自のスポットを見つけて独占するか、
課題はそれなりにいい感じにあると仮定し、解決策のところで競合と戦い苦しむのか。
どっちも苦しむんですが前者のほうが利幅が高く価値も高そうなのはお分かりになるかと思います。
どうやるか?の前に、何をやるか?実はその前に、なぜやるか?があります。ここはあの有名なサラス・サラスバシーさんのエフェクチュエーションの世界になりますが、またこちらのnoteで紹介したいと思います。
長くなってきたので、次回は手短に③を