【#01浜松市】3/7 実証実験に「ちょうどいい」浜松のスタートアップ報告レポート
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読んで欲しい方
・自治体施策を活用したいけど概要がわからない
・実証実験のメリットを知りたい
・どのような成果があるのか知りたい
浜松市実証実験の支援内容
・最大200万円の経費支援(補助率2分の1以内)
・市内公共施設、協力企業が有する施設などの実証実験フィールドの斡旋
・実証実験モニター募集支援、実証実験に係る各種調整等
・法制度に関するアドバイス
・実証事業のPR支援
・その他浜松市が必要と判断する支援
採択企業5社の実施報告レポート
AssistMotion株式会社
歩行アシストロボットを活用した高齢者の外出利便性の向上を図る
●応募理由
高齢化社会が進む中で、高齢者の外出利便性を向上させるために、歩行アシストロボットを活用することが有効であると考え、浜名湖花博2023までに実用化することを目的として応募。
●実施概要
浜松フラワーパークにおいて、高齢者の長時間の移動が可能かどうかを検証するもの。実証実験にあたり、浜松市から経費支援を受け、実験先の用意や実験期間中の報告を行った。
●成果
高齢者が歩行アシストロボットを利用することで、長時間の移動が可能であることが確認された。また、操作も簡単であり、高齢者にも利用しやすいことがわかった。
●今後のアクション
今後の事業展開では、装着しても恥ずかしくないようにデザインを改善し、操作も簡単にすることで、より多くの高齢者に利用していただけるように考える。さらに、技術の改善や課題の抽出を行い、浜名湖花博2023までに実用化することを目指す。
株式会社アルティマトラスト
AIカメラシステムを活用した地域分析
●応募理由
センサーデバイスやAI技術を活用し、さまざまな課題解決に貢献することを目指す。浜松市の実証実験に参加することで、自社製品やサービスの実績を上げ、社会に浸透させることができると考えたため。
●実施概要
浜松駅近郊新川モールにて実験を行った。具体的には、屋外に設置した歩行量計測装置による歩行量調査を行った。この調査結果をもとに、都市計画や交通政策などの意思決定を支援することを目的としている。
●成果
アルティマトラストが実施した歩行量調査により、浜松市の歩行量に関する貴重なデータを収集することができた。これにより、都市計画や交通政策において、より正確な情報を提供することが可能になる。
●今後のアクション
今後は、浜松市や他の自治体と連携しながら、センサーデバイスやAI技術を活用した課題解決に取り組んでいく予定。具体的には、歩行量調査をより精度高く行うための研究開発や、調査結果をもとにした都市計画や交通政策の提案などを行う。また、今後は屋外での設置に必要な天候や電源の確保、災害時における衛星画像の圧縮など、さまざまな課題に対して取り組んでいくことが必要であると考えている。
サグリ株式会社
衛星データ×AI による効率的な農地利用状況調査
●応募理由
放置された土地を活用するために、AIを活用した効率的な農地利用状況調査を行うことで、大企業の参入や法人利用につなげるために実証実験に参加。
●実施概要
衛星データを活用し、AIによる農地利用状況の分析を行った。浜松市農業委員会と共同で開発したAIの学習により、精度の高い情報を収集できた。
●成果
AIによる効率的な農地利用状況調査により、放置された土地の把握や活用が可能となり、大企業の参入や法人利用につながる可能性があることが確認できた。またAIの制度向上も確認できた。
●今後のアクション
今後は、市町村と県の連携を強化し、点在している農地の集約に取り組むことが必要と考えている。また、規制緩和などが必要になっていくと思うので、そのための働きかけも行っていきたい。さらに、AIによる農地利用状況の調査を継続して、精度の高い情報を収集し、効率的な農地利用の促進に取り組んでいく。
テレリハ株式会社
シニア世代の Well-Being をサポートするヘルスケアネットワーク
●応募理由
浜松市を介し市内の施設アプローチを行うため。
●実施概要
株式会社テレリハは、介護業界におけるリソース不足と医療格差の解消を目指し、リモート介護アプリサービスの開発に着手。
●成果
実証実験により、浜松市内の施設から多数の参加があり、リモート介護アプリサービスの需要が高いことが示された。また、ヘルスケアネットワークを構築することにより、高齢者の生活支援が可能となり、地域の医療格差の解消に一定の貢献ができることが確認できた。
●今後のアクション
今後は、、ヘルスケアコンソーシアムを組むことで、より広範な地域にリモート介護アプリサービスを提供することを目指す。また、市内の施設や地域の福祉関係者との連携を深め、リモート介護アプリサービスのさらなる改善に取り組んでいく。さらに、今回の実証実験を通じて得られた知見を活かし、他の地域でも同様のサービスを展開していく予定。
株式会社ベスプラ
脳と体の健康維持アプリによる地域活性エコシステム
●応募理由
認知症の進行を数年遅らせることで、医療費の削減が自治体に提供できるものをと考えているため。
●実施概要
脳科学に基づいた脳にいいアプリを開発し、浜松市の一部の地域住民に対して実証実験を行った。実験に参加する住民は、アプリを利用して脳トレを行い、定期的に健康診断を受けてもらった。
●成果
実証実験の結果、アプリを利用して脳トレを行った住民の認知症の進行が数年遅らせられることが分かった。また、アプリの利用によって健康診断の結果が改善された住民も確認できた。
●今後のアクション
今後は、認知症の進行を数年遅らせることができるアプリを提供していくことを目指す。さらに、自治体と協力して医療費の削減に貢献することも目指す。自治体と一緒にやることによる会社の信用度向上も大きな成果の一つであった。また、今回の実証実験で得た知見を元に、より効果的なアプリの開発に取り組んでいきます。MRI使用料の補助やスタートアップ推進の支援も今後も活用していく。
まとめ
本報告会を通して、浜松市の最大の魅力は、「実証実験に適した都市」だと感じました!理由としては2つあります。
①海、山、川、都心部がバランスよく存在する「国土縮図型都市」の浜松市。スタートアップが実証実験を行う上で多くのフィールドが活用できます。
②自治体がもつアセット規模が「ちょうどいい」
広大な面積を持ちつつも、人口規模や都市部のコンパクトなまとまり、各コミュニティの規模が大き過ぎず狭過ぎないため、実証実験を行う上で各意思決定までのスピードが早くスムーズな進行にプラスに働いていたのではないかと感じます。
首都圏からのアクセスもしやすく、時間やコストを抑えた取り組みがしやすいという点もメリットでしょう。
また、浜松市はスタートアップ推進課が存在しているため、実証実験を通して担当課の方が新規にプロジェクトを伴奏していただいているのではと思いました。
浜松市は、スタートアップにとって非常に魅力的な都市であり、多くの可能性が秘められています。今回の内容が、来年度実証実験に参加する人の参考になれば幸いです。
以上、浜松市実証実験サポート事業の魅力をご紹介しました。