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足の『データ化』で身体を理解!【XFメディカルサポート企画/第1回 日本クラブユース女子サッカーチャレンジカップU-18編】
■足先の『骨の数』を言えますか?
「足先に骨が何個あるか」を知っていますか?
関節を含めて複数存在していることは認識できていると思います。ただ何個と、きちんと数字で答えられる方はそれほどいないでしょう。
答えは、26個の骨と31個の関節で構成されています。
『第1回 日本クラブユース女子サッカーチャレンジカップU-18』のメディカルサポートとして開催させていただいた『足の学習セミナー』でも同じ質問をしましたが、正確に答えられた方は指導者を含めてほとんどいなかった印象です。
スポーツをプレーしたり指導したりする方々でも、身体のことを学術的、かつ医科学的に知る発想はなかなかありません。
一方、パフォーマンスの向上を求めて、スポーツスキル獲得への探求にはかなり力が入っています。
しかし、すべてのスポーツは身体パフォーマンスの延長線上に『スキル』がのっており、土台は間違いなく『身体』です。前述した通り、足先は26個の骨と31個の関節によって機能しています。
では、自分の足先をきちんと使いこなせていますか?
ここに自信をもって答えられる根拠がなければ、日頃のスポーツトレーニングに「スキルを身につけられた、伸ばせた」と実感を抱くことは難しいのではないでしょうか。
少し視点を変えて質問します。
上手に21個の骨と31個の関節を使えなかったら、身体がどのような状態になるかを想像できますか?
ご想像の通り、ケガを発症する可能性が高まります。
【育成期におけるケガの例】
・オスグッド病
・骨端線損傷
・シンスプリント
・分裂膝蓋骨…etc
最終的には『足裏』が体重+α(運動エネルギーとして地面との接点にかかる力)を受けることになります。
仮に足首より末端の『足先』がきちんと機能していれば、そこにかかる衝撃の60%を足裏で吸収してくれるそうです。
しかし、足裏が機能を果たしておらず、『偏平足だった』としたらどのくらいの衝撃を吸収してくれると思いますか?
実は、「20~30%の衝撃しか吸収してくれない」とのデータがあります。
正常の半分も、足裏が運動時の衝撃を吸収できていません。そうであるならば、その衝撃がどこに分散されているか、身体のどこに負担がたどり着いているのかは予想がつくしょう。
このような事実も知らず、多くの選手と指導者はスポーツスキルの向上を求め、うまく使いこなせていない身体を酷使し、本来とは違う箇所に負担をかけ続けて上達のためのトレーニングに時間を費やしています。
■毎日のフットケアがケガを減らす。
スポーツスキル獲得は『コンディショニング』と『日常生活』という土台の上に成り立っています。
足の学習セミナーの序盤にお話していますが、コンディショニングは主に4つの要素で構成されています。
・栄養
・睡眠
・メディカル
・フィジカル
どの要素が欠けても、選手が望むようなスキル獲得は難しいことがこの図から理解できるでしょう。
たとえば、この4つの要素を万全に整えた状態でトレーニングに臨んでいるのにケガをしたり、スキル獲得につながらなかったりするのは、解剖学的な観点で分析すると「身体操作に原因がある」ことも多いようです。
先ほど『偏平足』の話題を取り上げましたが、事例としては『小指が地面についていない』足は多く見受けられます。
小指が地面に設置していなければ、安定性を欠くことは容易に想像が付きます。ほかにも、内股気味、外反母趾気味…挙げたらいろいろ出てきます。当然、これらの症状は正常の状態ではありませんから、ケガのリスクを高める原因になります。
スポーツ選手の足先への負担は一般の方と比較になりません。
だから、休息が必要になるのは当たり前だと思いますが、セミナーを開催してケアをテーマにした質問を投げかけると「フットケアを行うスポーツ選手は少ない」ことに驚きを隠せません。
お風呂に入って足裏をもんだりしていますか?
太ももや腰回り、肩や首をケアする方はいるかもしれません。ただ足先となるとグッと少なくなることは、私たちが実施する『足の学習セミナー』の中だけでも把握できています。
■データで足と身体の状態を知る。
ここ数年、スポーツ界もさまざまなギア(道具)が発達しました。
アンダーウエア、心拍数など身体パフォーマンスの状態をリアルタイムで計測するテックギア等、それぞれのスポーツによってさまざまな商品が登場しています。今回、『足の学習セミナー』でも触れさせていただきましたが、足先に焦点を当てるといろいろな企業から『ソール』が販売されています。
私たち『XF』も「インソールで足から健康な身体を作る」ことを理念に掲げられている企業『BMZ』様とともに商品を取り扱っています。
足の学習セミナーでは、各チーム1~2名ほど3Dスキャナーで足裏測定を行っていただき、そのデータをもとに講師が話を進めました。
そのスキャナーもBMZ様が長年試行錯誤を重ねて開発されたものです。
その蓄積されたデータをもとに足先の状態から身体の癖、ケガの傾向、また気をつけるべきこと等をお伝えさせていただきました。あくまでデータ上の考察ですが、事前に知っておけば予防対策、またスキル向上という意味でも効果的にトレーニングに取り組むことができます。
今後、スポーツ界はデータもパフォーマンス維持・向上の一つの要素として組み込まれていくでしょう。
そういった観点から考えても、3Dスキャナーを使った『足裏測定』のデータを提示できたことは、それぞれの選手とクラブにとってもコンディショニングの重要性を認識するのに大きく役立ったと思っています。
▲取材協力=XFスタッフの吉澤沙樹さん
【ぜひ一緒に女子サッカーを応援しましょう】
#女子サッカーを盛り上げ隊
#日本クラブユース女子サッカーチャレンジカップU18
Presented by 『XF(エグゼフ)』
エグゼフは、Creative(創造)、Technology(技術)、Culture(文化)をテーマとしてフットボールにあらゆる価値を融合させ、進化を捧げるブランドです。
文責=木之下潤
写真=佐藤博之
協力=日本クラブユースサッカー連盟