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アルバム『誰がために鐘は鳴る』

今だからこそ改めて聴きたいアルバムです。

こんにちは。
どうも、けこぜろです。

今回は1990年に発売された、浜田省吾12枚目のアルバム『誰がために鐘は鳴る』について。



誰がために鐘は鳴る

『誰がために鐘は鳴る』は1990年6月21日に発売された、浜田省吾12枚目のアルバムです。
僕が生まれるちょうど1年前に出たアルバムで、物心ついた時からよく家の中や車で流れていたのを覚えています。

前作『FATHER'S SON』から2年3ヶ月ぶりとなるオリジナルアルバムで、前作までのアルバムと違って特にコンセプトは設定されていません。
ですが、精神的にダウンしていた状態を乗り越えて制作された作品だけに「生と死」や「救済」というテーマが滲み出ているものとなっています。
浜田は本作に関して「一人前になりかけている。“俺の音楽を聴いてくれ”とちゃんと言えるアルバムになった」と語っていました。

アルバムのタイトルは作家のヘミングウェイの作品名が由来です。
そのヘミングウェイの姿は1曲目『My Old 50's Guitar』の歌詞にも引用されています。

My Old 50's Guitar

アルバム『誰がために鐘は鳴る』の1曲目は『My Old 50's Guitar』。
タイトル通りギターにフィーチャーされた楽曲で、ミュージシャンとしての苦悩が描かれています。
非常にかっこいい楽曲で、個人的にかなり好きな曲となっています。

意識するようになったのは2011年のアリーナツアー『ON THE ROAD 2011』でした。
このライブのセットリストに『My Old 50's Guitar』が入っており、ライブバージョンでのアレンジがかっこよすぎて惚れたのです。

それまで何度か聴いたことのある曲のはずでしたが、ライブで聴いて印象が大きく変わりました。
こんなにかっこいい曲なのに、これまでどうして好きでなかったのだろうと思ったくらいです。
このライブではサビの”Emptiness”、”Loneliness”、”Restless heart”がそれぞれ「虚しさ」「寂しさ」「切なさ」と日本語になっていたのも印象的でしたね。
また、1999年の野外ライブの冒頭で歌われた箇所が、実は『My Old 50's Guitar』の歌詞だったことに気がついたのもこの時でした。

あの夏の日 草原の輝きの中
見上げた空の透き通った蒼さに目をやられたまま

浜田省吾『My Old 50's Guitar』

ここ最近の日差しが強烈すぎて、脳裏に浮かぶのがこの歌詞です。
こういった理由からも最近はこの『誰がために鐘は鳴る』ばかり聴いていますね。

BASEBALL KID'S ROCK

アルバム2曲目は『BASEBALL KID'S ROCK』。
野球というスポーツを真正面から捉えた楽曲で、野球好きな浜田省吾らしさに溢れた曲となっています。
浜田省吾は大の野球好きで、ファンクラブの会報でもいつも野球のことを語っています。
上のライブパフォーマンスも中々に最高です。
僕は野球はあまり得意ではないのですが、サビの「意味などないのさ ただ好きなだけ」という歌詞が最高ですね。
スポーツの本質を捉えているように感じます。

少年の心

アルバム3曲目の『少年の心』は切ない気持ちを思い起こさせる楽曲となっています。
歌詞の雰囲気も曲のメロディも素敵で、何度聴いても切ない気持ちになりますね。
浜田省吾らしい苦さのあるバラードです。

青の時間

4曲目は『青の時間』。
すれ違いの末に最愛の人を失うという歌詞の、非常に切ないバラードとなっています。
まずタイトルが非常に素敵でして、夕暮れ時の青く染まっていく時間帯というのが非常に美しいですね。
また、冒頭の「夕暮れの青」や「高速道路の上」「渋滞の列が続く」といった歌詞からイメージされる情景も非常に美しいものとなっており、浜田省吾のソングライターとしての歌詞の完成度に感心するばかりとなっています。
それだけに、取り返しのつかないすれ違いを描く歌詞には切なさを禁じ得ません。
浜田省吾屈指の名曲ですね。

この秋にファンクラブコンサートが行われるのですが、そのサブタイトルも『青の時間』でした。
この言葉から連想される曲を演奏するとのことですが、間違いなくこの『青の時間』は歌ってくれると思います。
僕も1999年の野外ライブで聴いた経験はありますが、記憶に残ってはいません。
改めて聴けるのは楽しみですし、予習がてら『青の時間』が収録されている『誰がために鐘は鳴る』を聴いているところがありますね。
ただ何度聴いても非常に切ないです。
メロディや歌詞が本当に素敵なのですが、曲のストーリーが重くて切ないのです。

サイドシートの影

前曲『青の時間』とクロスフェードしながら流れるアルバム5曲目が『サイドシートの影』。
こちらも浜田省吾屈指の完成度の高いバラードで、非常に素敵な曲となっています。
本当に素敵な曲なのですが、『青の時間』と続けて聴いたり、少しでも気が緩むと涙腺が崩壊しそうになりますね。
浜田省吾自身もよく書けたと自負している楽曲で、ベストアルバムにも収録されました。
僕は今回のファンクラブコンサートで聴け気がするので、ライブで聴くのは初めてなため非常に楽しみにしています。

恋は賭け事

アルバム6曲目の『恋は賭け事』は、『青の時間』『サイドシートの影』と続いたバラードから一転して勢いのある楽曲となっています。
曲の雰囲気も歌詞のセンスも抜群なラブソングで、元気が出るような曲となっています。
意識し出したのは割と最近ですが、こういった曲も中々にいいんですよね。

夜は優し

7曲目の『夜は優し』はゆったりとしたバラードです。
穏やかで優しい雰囲気の曲で、大人になった今この曲の良さを知ったところがありますね。

Same Old Rock'n'Roll

アルバム8曲目は『Same Old Rock'n'Roll』。
非常に好きな楽曲なのですが、曲の印象が変わったのが僕が初めてファンクラブコンサートに参加した2013年のことでした。
アルバムで聴いていた時はそんなに意識していませんでしたが、ライブバージョンでの完成度の高さから一気に好きになった曲でした。
ベースがとにかくかっこいいのと、疾走感あふれる歌詞とメロディが最高な1曲です。
1曲目の『My Old 50's Guitar』と同様に、ライブパフォーマンスを通して好きになった曲でしたが、ちゃんと曲と向き合って印象が変わりましたね。
歌詞からアルバムのテーマである「救済」を感じられますし、こういったハイテンポな曲は大好きですね。

太陽の下へ

アルバム9曲目の『太陽の下へ』は、別れの歌となっています。
この曲自体も大人になって良さを知った曲ですが、失意と悲しみの中に沈む歌となっています。
テーマも結構重いものでしたが、ここから始まるラスト3曲がものすごくいいんですよね。

詩人の鐘

アルバム10曲目の『詩人の鐘』は、バブル景気に浮かれる日本を冷静に捉えた楽曲です。
ある意味ではアルバム表題曲とも言える楽曲で、1998年にリメイクされた際には歌詞が1部変更されました。
このアルバムで唯一の社会的なメッセージを歌った楽曲で、まるで今現在の問題を歌っているようにも感じられる歌詞が印象的です。
浜田省吾らしさ全開のロックで、リメイクバージョンを元にライブでも度々聴くことができました。
改めて今現在世界で起きている問題に目を向けるべき曲です。

夏の終り

アルバム11曲目、最後の曲は『夏の終り』です。
ベストアルバムで聴いて印象に残った曲でしたが、曲のテーマは「歌をやめること」。
引退宣言にも当たる楽曲となっており、テーマとは対照的に穏やかで爽やかなメロディが本当に印象的です。
2022年秋に始まったホールツアー『ON THE ROAD 2022』で初めてライブパフォーマンスを鑑賞しましたが、初めて生で聴けたという感動が大きかったです。
引退の曲という印象なためドキッとしましたが、この曲を発表してから34年、まだ演奏を続けてくれている浜田省吾の姿に元気をもらっています。



まとめ

こんな感じで、浜田省吾のアルバム『誰がために鐘は鳴る』の紹介でした。
ここ最近は様々な理由からたくさん聴いているアルバムですが、子どもの頃は印象に残らなかった曲たちの良さを、大人になって感じることができたのも印象的でしたね。
非常に好きな楽曲も多いですし、僕が生まれる頃に発表したアルバムなこともあって、かなり思い入れもあります。
現在起きつつある世界の問題について歌っている曲もありますし、こういった意味からも今こそ聴きたいアルバムとなっています。

それでは、また。

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