『青の時間』〜『サイドシートの影』
こんにちは。
どうも、けこぜろです。
今回は1990年に発売された浜田省吾12枚目のアルバム『誰がために鐘は鳴る』より、『青の時間』と『サイドシートの影』について。
青の時間
今回は連日紹介しているアルバム『誰がために鐘は鳴る』より、『青の時間』を取り上げます。
歌詞を読めば分かるように、切ないバラードです。
物語としては、別れかけている男女が会う約束をしますが、不運にも高速の渋滞にはまってしまい、そのまま別れてしまうものとなっています。
ものすごく切ないですね。
この当時は携帯電話も普及していなかったので、連絡を取る手段は限られていました。
一度家を出てしまえば、遅れるという連絡もできなかったのです。
そんな状態ですれ違いを重ね、最愛の人を失うという悲しい歌が『青の時間』なのです。
ただメロディは美しいですし、歌詞からイメージされる情景も非常に美しいものとなっています。
冒頭の「夕暮れの青」という表現が絶妙で、夕方から夜に移り変わる時間を切り取っています。
手遅れなことを悟りながら、どうにもならない高速道路の渋滞。
一人車内で青く染まる世界にいるという歌が、この『青の時間』という曲でした。
そしてアルバムの中ではこの曲に繋がるように、次の『サイドシートの影』が流れます。
サイドシートの影
『サイドシートの影』は『青の時間』と同じアルバム『誰がために鐘は鳴る』に収録されています。
この曲もかなり好きなバラードで、メロディが本当に素敵です。
浜田省吾も「自分ではすごくよく書けたと思っている」と語るラブソングで、2006年に発売されたベストアルバムに最後の曲として収録されています。
1996年に発売されたコンピレーションアルバム『ROAD OUT "TRACKS"』には、アコースティックアレンジがされたリメイクバージョンも収録されています。
このアレンジが非常に良くて大好きですね。
曲としては『青の時間』とクロスフェードしながら流れ始めます。
この曲の歌詞も非常に切ないものでして、海に向かう車内でサイドシートに話かけますが、そこには誰もいないというものです。
この『サイドシートの影』は『青の時間』の続きとなっていて、彼女と会えないまま車を海まで走らせているところだと思われます。
「真夜中の通りを海へと走ってる」とあるので、『青の時間』の夕暮れからそのまま直に繋がっていそうです。
「夜ごと華やかなパレードが続く」というのは高速道路の渋滞ではないでしょうか。
そこから出る頃には年老いた気分で何も感じられなくなってしまうのです。
そんな中でもかつてのようにサイドシートに話しかけますが、そこには自分の影しかないのです。
かつて愛した人はもういないのです。
非常に切なくて美しい曲です。
印象に残っているのは、2005年と2007年のライブ映像が収録されている『ON THE ROAD 2005-2007 "My First Love』です。
このDVDの最後はMVとともにスタッフロールとして『ある晴れた夏の日の午後』が流れました。
その後、一人海岸に佇む浜田省吾の姿が映されながらこの『サイドシートの影』のイントロが流れたのです。
イントロだけで歌は流れませんでしたが、波の音とともにフェードアウトしていくのが本当に印象的でした。
今でも思い出して泣きそうになっています。
ベストアルバムに収録されているというのもありますが、大好きな曲の1つですね。
まとめ
こんな感じで、浜田省吾の『青の時間』と『サイドシートの影』の紹介でした。
どちらも切ない歌詞ですが、それからイメージされる情景が非常に美しい曲となっています。
2曲続けて聴くと全容が分かるのもいいですし、それでもやっぱり切ないですね。
でも大好きです。
それでは、また。