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2024年有馬記念の考察展望1 ドウデュース、ダノンデサイル、アーバンシック


中山競馬場 芝2500m

◆出走予定馬


◆個人的評価



◆注目点1.ドウデュース秋古馬三冠なるか

ドウデュースは秋天JCを連勝し史上3頭目の秋古馬三冠をかけて出走します。
有馬記念は昨年勝っている舞台で、状態や調子はむしろ今年の方が鞍上も馬もいいです。死角は少なく感じられます。
過去に秋古馬三冠を目指した馬は2000年テイエムオペラオー、2004年ゼンノロブロイが優勝して達成。
1999年スペシャルウィーク、2010年ブエナビスタ(厳密にはジャパンカップ降着)はともに不利な展開を追い込んでハナ差2着で2頭とも勝ち馬より強い内容でした
つまりどの馬も優勝かそれに準ずる内容、成績となっていて、凡走した馬がいません。

連勝ではないものの秋天JCを連続連対した馬でも
1984年シンボリルドルフが優勝(秋天僅差2着)、1988年タマモクロスが2着(JC僅差2着)。
2000年メイショウドトウが2着(秋天JCともに2着)
1997年エアグルーヴは3着(JC僅差2着)
2011年トーセンジョーダンは5着(JC僅差2着)
1989年オグリキャップは5着(マイルCS1着を挟み、秋天JCともに2着)
2001年テイエムオペラオーは5着(秋天JCともに2着)
と、3年連続でG1競走4走以上だったテイエムオペラオー、秋のG1出走4戦目のオグリキャップといういかにも疲労が溜まっていそうなローテーションの馬でも5着、ほとんどが3着以内に好走しています。

ドウデュースも実は疲労が溜まっていたとか、展開が全く合わなかったなどがない限りは好走が期待できます。

◆注目点2.過去の名馬の再現をするドウデュース

ドウデュースは昨年の有馬記念は1993年トウカイテイオーと同じ勝ち時計
ドウデュースも秋2戦凡走からの復活優勝、トウカイテイオーも1年振りの出走での復活優勝でした。
今年の天皇賞秋は2012年エイシンフラッシュと同じ勝ち時計。
エイシンフラッシュも3歳時以来のG1優勝で、ドウデュースも前年有馬記念以来のG1優勝でした。
今年のジャパンカップは1999年スペシャルウィークと同じ勝ち時計。
スペシャルウィークも天皇賞秋と連勝での優勝、ドウデュースも天皇賞秋と連勝での優勝でした。
そして、トウカイテイオー、エイシンフラッシュ、スペシャルウィーク3頭ともドウデュースと同じダービー馬です。

偶然ではありますが、有馬記念も優勝するとしたら過去の名馬、ダービー馬の勝ち馬と同じ時計で優勝するかもしれません。

今年は逃げ馬の不在が予想されており、スロー展開になりそうなので早い時計は期待しにくいかもしれません。

ダービー馬で有馬記念勝ってる馬だと、上述の1993年トウカイテイオーの他だとこのあたりになります。
スロー予想を考えると1986年ダイナガリバーや2011年オルフェーヴルのような時計になる可能性が高いかもしれません。
ジャパンカップも東京競馬場改修後ではかなり遅い時計です。2003年の改修以降はコーナーの角度が緩やかになったこと、直線が伸びたこと、路盤や芝の質が高速化し続けていることからかなり日本の競馬場とくに東京コースは高速化しています。
当日もどちらかといえば十分に高速馬場でしたが、90年代以前のような走破時計になりました。
有馬記念は馬場が荒れやすい冬、小回りの中山競馬場ということもあり、2014年に路盤改修もありましたが、他の競馬場ほど極端に高速化はしておらず、2003~2004年(シンボリクリスエス、ゼンノロブロイ)に続けてレコードが出て以降はレコード更新はなく、1980年代と比べても大差がない時計になっています。
スペシャルウィーク、グラスワンダーの1999年有馬記念超スローペース2:37.21976年以降最も遅い時計で、良馬場に限ると1973年以降最も遅い時計です。
今年の有馬記念はそれ以上に遅い時計になる可能性も0ではないかもしれません。

◆注目点3.武豊VS横山典弘(ダノンデサイル)、武豊VSC.ルメール(アーバンシック)

武豊VS横山典弘

・有馬記念、武豊VS横山典弘

人気通りの勝敗になったのが大半ですが、人気で負けて着順で勝ったのが横山典弘騎手が2回、武豊騎手が3回あります。

2人とも5番人気以上の上位人気馬騎乗時横山典弘騎手の有馬記念初騎乗である1990年メジロライアンVSオグリキャップの1回のみで、横山典弘騎手が3番人気、武豊騎手が4番人気という僅差で着順も2着と1着という僅差で逆転が起こりました。
他の逆転は基本的には2人とも下位人気馬騎乗時で、2008年武豊騎手騎乗メイショウサムソンが4番人気だったり、2014年横山典弘騎手騎乗ワンアンドオンリーが5番人気だった程度で、目立つのは2013年の武豊騎手騎乗ラブイズブーシェが12番人気で4着に来た時くらいです。

・有馬記念、武豊騎手1~3番人気騎乗時の横山典弘

武豊騎手が3番人気以内騎乗時の横山典弘騎手は上位人気騎乗でも下位人気騎乗でも人気通りの勝敗
逆に武豊騎手が上位人気とはいえ横山典弘騎手騎乗馬に人気で劣る時も逆転は起こっていません。

・横山典弘騎手1~3番人気以内騎乗時の武豊

横山典弘騎手が人気馬に騎乗している時は武豊騎手も必ず5番人気以内でチャンスのある人気馬に騎乗しており、さすがの馬質です。

ただ、基本的には人気通りの勝敗となっており、唯一横山典弘騎手が有馬記念初騎乗だった1990年オグリキャップ伝説のラストランの時のみ、武豊騎手が人気を逆転し優勝しています。
武豊騎手は1988年スーパークリークの初騎乗から3年連続3回目の有馬記念騎乗で、初騎乗1988年は3位入線ながら斜行失格になっています。

1998年エアグルーヴはラストランながら落鉄の影響で不完全燃焼の部分があり、落鉄がなければセイウンスカイに先着していたかもしれません。
ただ、セイウンスカイも横山典弘騎手によれば内を避けて外を通って逃げてしまったことを後悔していると語っていました。
セイウンスカイらしく逃げていれば、さらに好走、もしかしたらグラスワンダー、メジロブライトらに勝っていたかもしれません。

https://www.youtube.com/watch?v=ZiZugG3-DSU


・有馬記念、武豊1番人気騎乗時の横山典弘

今回武豊騎手騎乗ドウデュースが1番人気確実。
過去に有馬記念で武豊騎手が1番人気馬に騎乗した時の横山典弘騎手5番人気以下の馬にしか乗っていません。つまりほぼチャンスの少ない近い馬にしか乗っていませんでした。

しかし今回の横山典弘騎手は2~3番人気が予想されるダービー馬ダノンデサイルに騎乗予定。
横山典弘騎手はドウデュースのファンだと武豊騎手が言ってましたが、過去にも武豊騎手騎乗の名馬メジロマックイーン、スペシャルウィークやディープインパクトらをメジロライアン、セイウンスカイ、アドマイヤジャパンなどで倒したり、脅かしていた横山典弘騎手ですから、ドウデュースのこともダノンデサイルで倒すために策を用意していることが期待されます。

2005年は武豊騎手騎乗のディープインパクトが1番人気2着になる中で、横山典弘騎手騎乗のリンカーンは6番人気で3着に迫っていますから、武豊騎手が1番人気馬に乗っていても、横山典弘騎手も対抗できる人気有力馬に乗っていたら怖そうです。

武豊VSC.ルメール

・有馬記念、武豊VSC.ルメール

有馬記念の武豊騎手VSルメール騎手は初対戦の2005年、ディープインパクトVSハーツクライがいきなり印象的な伝説のレースでした。
無敗の三冠馬として満を持して初の対古馬混合G1有馬記念に乗り込んで来たディープインパクトを、G1で善戦を繰り返してきたG1未勝利馬ハーツクライが破ったレースでした。
ディープインパクトは初敗北かつ国内唯一の敗戦を喫し、ハーツクライは初G1制覇かつ国内唯一のG1制覇となり、ルメール騎手は日本国内重賞初勝利をG1勝利で飾りました。

そこからも基本的にはルメール騎手が武豊騎手より下の人気で先着することの方が多く3勝1敗と明らかに勝ち越しています。
しかもただ先着するだけでなく下位人気馬で2着になることが2回もあり、ルメール騎手の有馬記念の適性が高いことがうかがえます。
ルメール騎手が日本の通年免許取得後2015年以降は武豊騎手が故障などで全盛期を過ぎたということもありますが、逆にルメール騎手の馬質や騎乗馬の人気が絶対的になったこともあり、絶対的1番人気馬アーモンドアイ騎乗のルメール騎手に、4番人気の武豊騎手騎乗ワールドプレミアが先着しています。

・有馬記念、武豊1~3番人気騎乗時のルメール

武豊騎手上位人気馬騎乗時メイショウサムソン以外全て3着以内に持ってきています。
武豊騎手が上位人気騎乗時
2005年ディープインパクトをハーツクライで倒した時以外は人気逆転は起こっていません。
ただ2016年はサトノダイヤモンド1番人気1着でしたが、実績的には武豊騎手騎乗キタサンブラックの方が1番人気が妥当な馬で、それを倒して優勝を飾っています。
そのときも菊花賞馬の3歳馬武豊騎手騎乗の現役最強馬を倒しています。
昨年2023年も大外16番枠の不利を覆しながら、好騎乗を見せて7番人気スターズオンアース僅差2着に持ってきました。もう少しで2番人気ドウデュースを倒せるところでした。
ただ、枠が嫌われたのでしょうが、近走実績的にはむしろスターズオンアース(前走JC3着、3着外なし)の方がドウデュース(前走JC4着、2戦連続4着以下)より人気が上でもいいくらいでした。

ただ、武豊騎手が人気馬に乗っていても、ルメール騎手は人気薄でも3着以内に来るので有力な対抗馬に乗っていたらより怖い騎手だと改めて思います。

・有馬記念、ルメール1~3番人気騎乗時の武豊

ルメール騎手上位人気馬に騎乗した場合、アーモンドアイ以外全て3着以内に持ってきています。
アーモンドアイの時以外は武豊騎手があまり人気馬に乗ってないこともあり逆転は起こっていません。
2018年のオジュウチョウサンも実績的には最強障害馬ではありますが平地馬としては有馬記念5番人気になるレベルの実績ではないので、9着でも大健闘でした。路盤改修工事前の2013年以前の有馬記念ならもしかしたら掲示板も狙えたかもしれません。


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