芝G1〜G2(重~不良馬場)勝ち馬の次走成績(1986年以降)
◆1.次走成績
G1優勝馬(重~不良)の次走
重~不良のG1優勝馬であっても次走勝率は高いとは言えず、G2以下重賞でも勝率3割を下回り、10着以下の大敗率が2割以上ある。
G2以下なら好走率は5割ほどあるが、10着以下の大敗率も2割以上ある。
G1~G2優勝馬(重~不良)の次走
次走1番人気率が.441、3番人気内率が.677に対し
勝率.168、連対率.260、3着内率.366と明らかに人気より着順を落としている。
次走重~不良馬場
重~不良のG1~G2を勝った馬の次走が同じく重~不良馬場であった場合でも成績は特に上がらない。むしろ低い。
次走1人気、次走3人気以内
次走勝ち馬の大半は次走1人気馬。
次走競走中止が3頭出ているがいずれも3人気以内馬で、1頭は復帰したが2頭は引退となっている(1頭は故障発生予後不良、1頭は急性心不全)。
次走格式別(G1/G2以下重賞/非重賞)
次走上位人気格式別
人気馬の勝率で見ると極端な悪影響は感じないが、上位重賞で上位人気になるほどの馬として考えると10着以下の大敗が多くなっている印象。
◆2.主な有名馬の成績
ミスターシービー、シンボリルドルフ、ニッポーテイオー、ミホノブルボン、エルコンドルパサー、タイキシャトル、スペシャルウィーク、テイエムオペラオー、アグネスデジタル、アグネスタキオン、デアリングタクトなど歴史的名馬級だと重不良馬場優勝の次走G1でも問題なく優勝している場合も多い。
しかし、アグネスタキオンは故障によりその次走がラストランとなって引退となっている。
アグネスタキオンに似た戦績のフジキセキは重馬場で優勝した弥生賞がラストランとなり故障引退。
他にはスーパークリークが重馬場の京都大賞典を優勝した直後に故障引退。メジロライアンが重馬場の日経賞を優勝した後に故障引退。ライスシャワーが重馬場の天皇賞春を優勝した次走の宝塚記念で故障競走中止、予後不良となっている。
タイトルホルダーは重馬場の日経賞を圧勝した次走の天皇賞春で競走中止となったが右前肢跛行で軽度故障で、検査でも大きな異常はなく、秋に復帰しオールカマーで2着、ラストランの有馬記念でも見せ場を作り僅差3着と好走。
次走で競走中止となった馬は殆どがそのまま引退となっており、復帰できたのはタイトルホルダーだけだった。
タイトルホルダーは前走重馬場で優勝しただけでなく圧勝であり、道悪での激走の疲労、負担が次走以降に影響した可能性もある。
ラストラン時点での陣営コメントも好印象とはいえ良化途上で、実際復帰後最高の走りをしたのを見ても現役続行したら5歳秋よりパフォーマンスを上げられた可能性もあったと個人的に思う。
◆感想
2024年重馬場の宝塚記念を快勝したブローザホーンが秋始動戦の京都大賞典に出走する際&大敗した際に、重馬場~不良馬場のG1優勝馬の次走は負けてる場合が多いというデータが一部で注目されていたのを見て調べてみようと思ったのだが、上述のようにフジキセキ、アグネスタキオン、スーパークリーク、メジロライアン、ライスシャワーなどの錚々たる面々の歴史的名馬が重~不良馬場で優勝したレース直後や次走後に故障しているのを見ると、重~不良馬場で激走することが脚元の負担に影響を与える可能性も少し感じるが、時代的に00年代前半より昔の馬が多いので、馬場造園技術の進歩した現代では道悪でも昔の道悪よりは走りやすくなっていて、そのような余計な負担は減っているのではと思われる。
馬はレースやその前後で辛い経験をすると次のレース以降で走る気を無くすこともあると聞くので、道悪での激走でいつも以上に疲れると、次走以降やる気を失って成績を落とすという部分もあるのではとも思うし、結局ジャパンカップ・有馬記念も凡走となったブローザホーンは単純な疲労などではなくその影響が出てる印象がある。