2024年阪神JF&2024年香港国際競走回顧〜荒れた2歳G1、リバティ復活好走も浪漫勇士強く日本馬勝利なく〜
◆阪神JF
期待のブラウンラチェット、コートアリシアンは凡走。
岩田望来騎手がついにJRAG1初勝利。
アルマヴェローチェはハービンジャーに母父ダイワメジャー。ナミュールと同じ配合ですね。
2着ビップデイジーはサトノダイヤモンド産駒。
今年は京都開催ということで京都に強そうな血統が上位に来ました。
3番人気以内が全て飛びました。
ブラウンラチェットは良い所なく、ルメール騎手も菊花賞の後、不調が続いています。コートアリシアンは出遅れも含め残念な内容。戸崎騎手の京都G1騎乗という不安もありました。
今年は2歳馬がレベル高い印象でしたが、この荒れ方は意外でした。まあ1着のアルマヴェローチェは5番人気とはいえ結構注目度は高い馬でしたが。
来週の牡馬2歳G1朝日杯FSやホープフルSでは順当に人気馬が好走するか少し不安になってきました。
個人的にはホープフルSのクロワデュノールは昔のサートゥルナーリアやコントレイル級に確勝級だと思っていましたが…。
◆香港ヴァーズ ステレンボッシュ3着
ステレンボッシュは早めに先頭に立って粘るものの勝ち負けには遠かったですね。外枠という不利もありました。
ただ3歳牝馬として初の古馬G1戦でも頑張れたことは収穫だと思います。
◆香港スプリント サトノレーヴ3着
スプリンターズSでは人気を裏切ったサトノレーヴが頑張りましたが、ルガルとトウシンマカオは出遅れや、外を通らされたこともあり凡走。
カーインライジングは近走の強さを証明するように勝ちました。これから香港短距離界の王者として君臨する馬だと思われます。
◆香港マイル ソウルラッシュ2着
ソウルラッシュが頑張りました。日本にも遠征してきたヴォイッジバブルは香港では強さを見せました。
ジャンタルマンタルは4角までは良さそうな雰囲気で、快勝するかと少し着たいしましたが、両側から馬体をぶつけられたこともあり沈んでいきました。
まあああいう位置争いや馬体を併せる攻防が欧米では激しいことも多く、海外遠征の際はそのあたりのメンタルの問題も影響すると思います。
だからルメール騎手は日本馬で海外遠征すると逃げ先行を多用し、好成績をあげています。
他のスポーツでもそうですが日本勢ももっと攻撃的に行くメンタルが欲しいですね。欧米勢から苦言呈されるレベルで。
ただ、ジャンタルマンタルは手応えが十分でないことでぶつかられた部分もあったので、それがなければ勝てたかというと難しいかもしれません。
◆香港カップ リバティアイランド2着、タスティエーラ3着
タスティエーラは果敢に先行して3着に粘りました。天皇賞秋がたまたまの好走ではないことを証明。まあ香港適性高そうな馬というのもあるので、国内G1でまた好走するかというと分かりませんが。
リバティアイランドは中団より後ろに待機して末脚を伸ばして2着好走。
天皇賞秋の凡走はなんだったのか。改めて分からなくなりましたね。
道中の雰囲気、4角上がってくる雰囲気は末脚爆発でロマンチックウォリアーを倒すかと期待させましたが伸びない外を回したということもあって勝ち馬のロマンチックウォリアーには離されました。
内を通っていてもロマンチックウォリアーに勝つのは難しかったかもしれませんが、復活の兆しを見せる内容で良かったです。
一方、ロマンチックウォリアーは着差以上に余裕がある圧巻の強さでした。
今年の前残り天皇賞秋に出ていたら勝っていたかもしれません。まあロマンチックウォリアーがいたら同じ展開にはなってないかとは思いますが。
ドウデュースやイクイノックス、アーモンドアイ、エフフォーリアといった日本の中距離の近年最強クラスの馬でも香港でロマンチックウォリアーに絶対勝てるとは言えないなと思うくらいの強さでした。
ロマンチックウォリアーは今年優勝した安田記念を見ても日本でも強いとは思いますが、ただ日本で走ったら10回走ったら8~10回は前述の日本馬が勝つと思います。逆に香港で走ったらそれらの馬でも何度か、下手したら6回以上ロマンチックウォリアーに負ける気がします。
アーモンドアイが4歳でドバイターフに出た際に、晩年で引退レースだったヴィブロスと1馬身程度の差でした。
ヴィブロスは秋華賞馬ですがドバイターフ優勝経験があり、海外特にドバイ適性が高い馬でした。国内G1では4歳以降、3着に入ることがありませんでしたが、海外G1では4回走って2着以内を4回、優勝1回で完全連対。特にドバイでは優勝1回2着2回のスペシャリストでした。
アーモンドアイとヴィブロスが天皇賞秋で走れば少なくとも3馬身、おそらく5馬身以上差をつけてアーモンドアイが勝つと思いますが、ドバイだと1馬身になってしまい、引退レースでもその差なので、ヴィブロスの全盛期なら負けていた可能性も十分あります。
香港でもウインブライトなど日本馬でも日本国内G1では好走できない、掲示板にすら入れない馬でもなぜか香港では日本のG1馬以上に強い馬がいます。海外適性も高くピーク時は史上最強牝馬候補とすら言われる1頭全盛期リスグラシューですら香港ではウインブライトに負けました。
ロマンチックウォリアーは地元の最強馬で当然香港適性も最強なのでイクイノックス、アーモンドアイら日本の最強馬でも香港では簡単に勝てる相手ではないんだろうなと思います。
ただ、そう考えると1度も勝ってはいませんが基本的に常に僅差の勝負をしていたプログノーシスは頑張ってました。
◆日本馬は2024年海外G1勝利なしが確定
香港カップでもリバティアイランドが2着にとどまったことで、今年日本馬の海外G1勝利なしが決定的になってしまいました。
ウシュバテソーロのサウジカップ&ドバイW杯2着、フォーエバーヤングのケンタッキーダービー僅差3着などビッグレースでの好走はあったものの、優勝には恵まれませんでした。
2018年以来6年ぶりの未勝利ではありますが、国内G1が盛り上がっているおかげという点もあると思いますし、そのかわりに有馬記念が豪華になりそうなので、それを楽しみにしたいですね。
強い日本馬の海外挑戦も見てみたいですが、国内G1に出てこないというのも残念でまた難しい所です。
ドウデュースは4歳秋から主要国内G1に出走し続けていますが、まあ馬場やコース適性の幅は微妙なのでしょうけれど、タフな馬で馬主や主戦騎手のフットワークも軽いので、もっと凱旋門賞とドバイ以外の海外G1出走も見てみたかったです。
3歳時はキングジョージとか欧州遠征とかブリーダーズカップとかそういう話も出ていたのですが結局欧州遠征は3歳時だけになってしまいました。