2022年天皇賞(秋)予想
2022年 天皇賞(秋) 東京競馬場 芝2000m
有力3歳馬の天皇賞(秋)成績
今年の天皇賞(秋)は実績・評価トップクラスの3歳馬が多数出走を予定しています。
これに凱旋門賞に向かったドウデュースが加われば3歳牡馬勢はほぼ完璧な布陣といえる豪華メンバーです。
3歳馬が古馬G1最高峰といえる天皇賞(秋)で通用するかどうかは賛否が分かれますが、データ的には意外と最近に限らず3歳馬は出走馬・勝ち馬が少ないだけで、有力馬はなかなかの確率で好走しています。
天皇賞(秋)に3歳馬が出走可能になったのは1987年からで、1988年にオグリキャップが1番人気2着、95年96年にはジェニュイン、バブルガムフェローが続けて2着、1着に好走。
特に牝馬含め、クラシック好走馬の好走率が高いです。2004年桜花賞馬ダンスインザムードは13番人気で2着。
逆にクラシック好走していながら天皇賞(秋)で好走できなかったダイワメジャーは喉鳴りの影響が大きいと思われ、サートゥルナーリアもレース前から発汗が目立っていた上にレース序盤から引っ掛かってしまい、適性とは別の問題が大きかったように思われます。
クラシックの中でも同じ東京競馬場を舞台とするダービー連対馬の成績が良く、6頭が出走し(2-2-2-0)で複勝率100%となっています。
◎ イクイノックス 牡3 C.ルメール騎手
2歳時の東京スポーツ杯2歳Sでのパフォーマンスが話題になった馬で、ダービーでもドウデュースの僅差2着に好走。コース適性は問題ないというかドンピシャです。
心配なのはダービー後に左前脚に屈腱炎の手前というほどの炎症を起こしており、脚元の状態が不安な点。
それから後方待機からの追い込みでは1着に届かない可能性があるので中団かそれより前で競馬をしてほしいところです。ルメール騎手がどう判断するか。
通算4戦という経験値の少なさは不安要素でもありますが、決め手は現役トップクラスで、東京の重賞に強いルメール騎手が主戦というのも心強いです。
1番人気想定となっており、G1で1番人気が16連敗中というのは気になる所ですが、菊花賞1着アスクビクターモアはダービーまでの内容を見たら菊花賞は単勝1~2倍台の1番人気でも驚かない馬と思ってましたが、何故か2番人気に人気が落ちての1着ですから、ここも素直にイクイノックスで。
前述のダービー連対馬の複勝率100%というデータも心強く、逆らうとしたら脚元の状態の不安くらいかと思います。
○ ジャックドール 牡4 藤岡佑介騎手
高速決着、左回りの適性と充実度でいえばジャックドール。
札幌記念では番手からの競馬で勝利し、ハナを切らなくても勝てるという所を見せました。
凡走となった大阪杯は落鉄の影響が大きいということもあり、G1未勝利ながら既に重賞ではG1馬勢を退ける強さを何度も見せている馬で、万全なら好走確率は高いと思います。
今回の出走馬の中でも天皇賞(秋)に100%をぶつけてくる可能性が最も高い馬でもあり、その点でも高く評価するしかないという所ですが、逃げ先行馬が多く集まったこともあり、逃げ先行不利の展開になった時には直線の長い東京では差し追い込み勢にやられる可能性があります。
ただ、天皇賞(秋)は逃げて勝った馬が1987年のニッポーテイオー以降いないことでよく話題になりますし、近年も差し追込の成績が良いということなのですが、逃げ馬でなく先行という範疇であればそこまで先行は不利じゃないと思います。
▲ シャフリヤール 牡4 C.デムーロ騎手
能力・実績的に本命にすべき馬だと思いますが、ディープインパクト産駒は天皇賞(秋)で勝ち馬が1頭それも代表産駒候補とは言い難いスピルバーグしかいないというのも気がかりです。
昨年のコントレイルですら勝てなかったことで(私はコントレイル本命でした)、もはや偶然ではなく何か一歩足りないものがあると思います。
「トップレベルのディープ産駒が出てないから勝ってないだけ」「勝ってないが好走馬は多いから問題ない」と言う人もいますが、コントレイルにジェンティルドンナ2回、フィエールマンにマカヒキ、ワグネリアンやダノンプレミアムなどディープ産駒のトップクラス勢が出走してきての結果ですから、楽観はできないと思います。
特に、3歳ダービーに強いディープ産駒にとって古馬G1では東京2000mの天皇賞(秋)が最も適性的に合うイメージのG1ですから、そこの勝ち馬が少ないというのが天皇賞(秋)が一筋縄でいかないレースと感じさせます。
前走が欧州のレースで凡走してしまったというのも少しマイナスです。ディープ産駒は一度惨敗するとレベルの低いレースでも勝ちきれなくなることが多い印象なので、それも合わせて頭は難しいのではないかという気がします。
また、鞍上のC.デムーロ騎手は世界の名手であり、シャフリヤールともテン乗りではなく連続騎乗で不安がないかのように思われますが、日本国内の古馬G1は未勝利で、東京での芝重賞成績も悪いようで、むしろ不安要素の感があります。
個人的にはダービー馬に導いた福永祐一騎手が鞍上だったら本命候補に入れてたかもしれないと思ってます。
△1 ジオグリフ 牡3 福永祐一騎手
適性的には東京競馬場よりも小回りの直線が短い競馬場などの方が合うように思われますが、皐月賞馬ですから絶対能力は十分あるわけで、さらに3歳馬の斤量のアドバンテージを活かし福永騎手が上手く乗って先行すれば可能性は十分あるように思われます。
もし距離を気にして後ろから行ってしまった場合は他の馬に決め手で負ける気がします。
△2 ダノンベルーガ 牡3 川田将雅騎手
皐月賞・ダービーの頃から高い評価を受けていたものの両方4着と3着内に入れず。
過大評価感もありますが、実績的にも血統的にも東京コースには合うはずで、皐月賞やダービーは共に状態や道中の不利などがあって実力を出し切った結果というわけではないとも言えるため、軽視もしがたい馬です。
ここで本来期待されてた能力を発揮すれば世代の頂点候補に返り咲くこともあるでしょうが、先行するにせよ差すにせよ、一歩足りない感じがあります。
△3 パンサラッサ 牡5 吉田豊騎手
天皇賞(秋)は逃げ馬が不振ということで低評価が多いですが、札幌記念は完璧な競馬で勝ったジャックドールと同等以上に粘って僅差の勝負に持ち込んだパンサラッサが個人的には印象に残りました。
自分の適性内で自分の展開に持ち込めば相変わらず強いことは証明したので、勝ち負けが難しくとも馬券内は十分にチャンスがあるように思われます。
☆ カラテ 牡6 菅原明良騎手
一発決めるなら勢いのある追込馬ということで大穴です。
6歳というのは不安要素ですが、この馬にとっては今がピークの中と思います。
また鞍上が期待の若手・菅原明良騎手というのも最近の若手騎手によるG1初勝利や好走が増えてることからも期待したい所があります。