凱旋門賞優勝馬のジャパンカップ成績
凱旋門賞1着・ジャパンカップ1着(最高位)
未だ達成馬がいない記録です。
オールアロング(1979年生・牝)は凱旋門賞を優勝し、ジャパンカップとBCターフはそれぞれ最高成績2着を記録しています。
ピルサドスキー(1993年生・牡)はジャパンカップ、BCターフを優勝し、キングジョージ6世&クイーンエリザベスSと凱旋門賞はともに最高2着を記録しています。
エネイブル(2014年生・牝)はジャパンカップには出走していませんが、凱旋門賞、キングジョージ、BCターフをそれぞれ優勝しています。ジャパンカップにも挑戦してみてほしかったです。
エネイブルが凱旋門賞3連覇を目指して2着となった2019年のジャパンカップは海外調教馬が不在となりましたが、メンバーレベルが低かった上、雨が降ってジャパンカップには珍しく重馬場(JCが道悪になった年は1985年、1992年、2003年、2019年の4度のみ)になったので出走していたら可能性があったのではと思います。
凱旋門賞1着・ジャパンカップ2着(最高位)
同年の出走ではないですがジャパンカップ2着は凱旋門賞優勝経験馬のジャパンカップ最高着順です。
凱旋門賞1着・ジャパンカップ3着(最高位)
エリシオは凱旋門賞を逃げて圧勝。ジャパンカップでも先行し、3着同着に粘っています。同年の凱旋門賞優勝馬のジャパンカップ成績では史上最高着順です。
凱旋門賞優勝経験馬のジャパンカップ最高成績はオールアロングの1982年ジャパンカップ2着、翌年1983年凱旋門賞1着があります。
ジャパンカップ最高位4着以下の凱旋門賞1着馬(最高位)
1999年モンジューの凱旋門賞1着、ジャパンカップ4着
1988年トニービンの凱旋門賞1着、ジャパンカップ5着
2011年デインドリームの凱旋門賞1着、ジャパンカップ6着
が目立ちます。
特にモンジューは史上最悪クラスの不良馬場だった凱旋門賞を勝ち、良馬場のジャパンカップでも4着。2~3着馬との着差も小さいものでした。
トニービンは日本に種牡馬として輸入され活躍馬を多数出し、産駒は東京競馬場に高い適性を発揮しました。レース中故障しなければさらに着順が上がっていた可能性も高かったでしょう。
デインドリームは2:24.49という凱旋門賞としては珍しい高速時計でレコード勝ち。日本の高速馬場にも適性を発揮するかと感じさせ、1番人気に支持されました。結果的にジャパンカップの勝ち時計も2:24.2と同年の凱旋門賞と大差ない時計で海外馬にも対応しやすい展開になったように思えましたが、日本最強馬ブエナビスタの6着に敗れます。
しかし翌年も欧州では欧州最強馬といえる強さを見せ、凱旋門賞連覇の期待も高まる中で病気のため引退となりました。
ジャパンカップ優勝馬の凱旋門賞成績
凱旋門賞2着・ジャパンカップ1着(最高位)
ピルサドスキーはこの他にもBCターフ1着(米国)、愛チャンピオンS1着(愛国)、英チャンピオンS1着(英国)、バーデン大賞1着(独国)、キングジョージ2着(英国)と国・コースを問わず活躍しました。凱旋門賞ではエリシオやパントレセレブルなどに着差をつけられながらの2着となるものの総合力では世界最強馬だったといえます。
凱旋門賞2着は同年のジャパンカップ優勝馬の凱旋門賞最高着順であり、ジャパンカップ優勝経験馬の凱旋門賞最高成績としてもエルコンドルパサーと並ぶ最高記録です。
エルコンドルパサーは良馬場のジャパンカップを優勝し、適性が真逆になると思われる歴代最悪クラスの不良馬場の凱旋門賞でも2着と歴代屈指の万能性を見せています。
凱旋門賞3着・ジャパンカップ1着(最高位)
凱旋門賞最高位4着以下のジャパンカップ1着馬(最高位)
1986年ジャパンカップ優勝馬ジュピターアイランドは欧州では重賞勝利を複数記録してるもののG1勝利は引退レースでもあったジャパンカップが唯一でした。
しかし2着アレミロードや11着トリプティクは欧州G1馬であり、日本の馬場が悪かった当時も求められる適性は欧州や米国の芝コースと異なる傾向があったと思われます。
ランドの凱旋門賞4着の後、同年にジャパンカップ優勝という成績はジャパンカップ優勝馬の同年の凱旋門賞成績としてはピルサドスキーの凱旋門賞2着に次ぐ2番目の記録となっています。
凱旋門賞とジャパンカップを両方好走した馬(優勝経験なし)
凱旋門賞3着以内・ジャパンカップ3着以内
ウィジャボードは欧州と日本の他、香港やアメリカのレースでも安定して好走し続けた名馬で、イギリス・アイルランド・アメリカ・香港と4カ国でG1勝利しました。2005年ジャパンカップの5着も欧州馬として悪い成績ではありませんが、安定して3着内に入るこの馬にとっては凡走で、高速馬場でのレコード決着が適性に合わなかった可能性があります。
しかしそれでも5着で、勝ったのも海外馬アルカセットでした。当時の東京競馬場はまだ海外馬でも対応できる程度のコースだったのでしょう。
翌年2006年のジャパンカップでも3着に好走しています。
オルフェーヴルは重馬場の凱旋門賞2回、良馬場のジャパンカップを全て2着と2000年代以降では抜けた万能性を発揮しています。
凱旋門賞以外の海外G1での活躍も見てみたい適性と能力を持っていたと思います。
凱旋門賞5着以内・ジャパンカップ5着以内
有力馬の出走が減ったせいもありますが、凱旋門賞出走馬に限らず、2010年代以降、ジャパンカップを好走する海外馬がほとんどいなくなっています。
2009年4着と善戦したコンデュイットはBCターフを連覇、キングジョージも制覇している名馬ですが、比較的日本勢が手薄だった2009年でも3着に入れなかったのを見ると日本競馬のレベルが上がったか、求められる適性がさらに欧米から離れたことががうかがえます。
海外馬の馬券圏内は2006年ウィジャボードの3着が最後で、優勝は2005年アルカセットが最後です。
2005年ジャパンカップ優勝のアルカセットは凱旋門賞に出走していませんが、凱旋門賞と同コースの前哨戦フォワ賞2着があります。
日本でも活躍馬を多数出したキングマンボ系(キングマンボ産駒)であり、血統面からも日本の東京競馬場に向いている要素があったと思われます。
ジャパンカップは2009年4着コンデュイット以降は2013年5着ドゥーナデン、2017年5着アイダホ、2021年5着グランドグローリーと海外馬はたまに5着に入るのがやっとになっています。
しかし、グランドグローリーは2022年凱旋門賞でも5着に入り、久々に凱旋門賞とジャパンカップ両方で5着以内に入った海外馬となりました。2022年のジャパンカップにも出走予定で今度はどういう成績になるのか注目です。
一方で、日本調教馬の凱旋門賞成績も2010年代半ばから変化があり、2013年オルフェーヴル2着、キズナ4着を最後に、2014年以降は5着以内に入った日本馬がいません。
2016~2017年はロンシャン競馬場が改修工事中で凱旋門賞はシャンティ競馬場での開催でした。2018年以降は国内実績・適性ともに日本馬の中では比較的高い馬も出走していたものの全てが7着以下に敗れています。
ロンシャン競馬場の改修が日本馬低迷の一因という説があり、2018年以降はよりパワーやスタミナを要するコースになってさらに適性が日本競馬から遠くなり、ちょっと適性があるだけの日本調教馬では歯が立たないコースになってしまったのかもしれません。
しかし、前述のように前年のジャパンカップ(良馬場)で5着に健闘したグランドグローリーが凱旋門賞(重馬場)でも5着に入ったのをみると、まだ全く歯が立たないほど適性が遠く離れたわけでもないのではとも思います。
凱旋門賞とジャパンカップどちらかの5着以内経験馬(優勝経験なし)
凱旋門賞5着以内・ジャパンカップ6着以下
凱旋門賞6着以下・ジャパンカップ5着以内
凱旋門賞最高着順とジャパンカップ最高着順比較
凱旋門賞とジャパンカップの最高着順が同じ馬
ジャパンカップより凱旋門賞最高着順が上の馬
凱旋門賞よりジャパンカップ最高着順が上の馬
日本調教馬を抜いて考えるとジャパンカップより凱旋門賞の最高着順が上の馬は37頭、凱旋門賞よりジャパンカップの最高着順が上の馬は23頭と、凱旋門賞の方がジャパンカップより最高成績がいい馬が多く、海外調教馬にとってデータ上はジャパンカップの方が凱旋門賞よりも着順を上げるのが難しいレースになっています。
日本調教馬を含めてもジャパンカップの方が最高成績がいい馬は34頭で38頭の凱旋門賞の方が成績が良い馬よりも少なくなっています。
日本競馬のレベルが高くない時代や日本の芝コースの適性が欧州とそこまで差がなかった時代を含めての数字なので、これを東京競馬場改修後の2003年以降に限ると
上記の通りになり、海外調教馬14頭に対し6頭と2倍以上の差で凱旋門賞の方がジャパンカップより成績の良い馬が多いという結果になっています。