現役時代日本のダートで(も)活躍した種牡馬の産駒の芝成績
サンデーサイレンスもそうですが現役時代は米国ダートで活躍した馬が種牡馬として芝の活躍馬を出す例はそれなりに多いものの、現役時代に日本のダートで活躍した馬が種牡馬になって芝の活躍馬を出す例はあまりない印象があります。
最近は基本的にダートで活躍した馬も種牡馬としてそれなりの種付け量をこなすことも増えていますが、昔はダートではかなりの名馬でも種牡馬になってなかったり、種付け数が少ないのか全く産駒成績が振るわない例が多かったので、そういう部分での不遇さもあるかもしれません。
まあ、ダート馬が種牡馬になったということはダート活躍馬を産むことを期待されるので、繁殖牝馬の傾向もダートで活躍馬を出すための血統が用意されるためというのも主な理由でしょうけれど、芝で活躍した種牡馬からダートの名馬が産まれることがあるように、その逆もたまにはあっていい気がするのですが。
主にダートのみを活躍の舞台にした馬だけでなく、アグネスデジタルやクロフネなど、芝でもダートでも一流の成績を残した二刀流の馬や、ハイセイコー、オグリキャップのような地方ダートで活躍しつつ、そのままダート路線で留まっていても活躍できそうだった馬が中央移籍し芝路線で一流の成績を残した場合も含めます。
ダートでも一定の能力を示すが主に芝で活躍した馬
エルコンドルパサー(1995年生)
現役時代:芝G1勝利(1600m,2400m)、ダート重賞勝利(1800m)※芝重賞が降雪のため急遽ダート開催の重賞
地方ダートで活躍し後に中央芝で活躍した馬
ハイセイコー(1970年生)
現役時代:芝G1勝利(2000m,2200m) 地方(大井)ダート6戦6勝(1000m,1200m,1400m,1600m)
オグリキャップ(1985年生)
現役時代:芝G1勝利(1600m,2500m) 地方(笠松,名古屋)ダート11戦9勝(800m,1000m,1400m,1600m)
イナリワン(1984年生)
現役時代:芝G1勝利(2200m,2500m,3200m) 地方ダートG1勝利(3000m)
ダートでも芝でも一線級で活躍した馬
アグネスデジタル(1997年生)
現役時代:芝G1勝利(1600m,2000m)、ダートG1勝利(1600m)
クロフネ(1998年生)
現役時代:芝G1勝利(1600m)、ダートG1勝利(2100m)
アドマイヤドン(1999年生)
現役時代:芝G1勝利(1600m)、ダートG1勝利(1600m,2000m)
芝でも一定の能力を示すが主にダートで活躍した馬
ゴールドアリュール(1999年生)
現役時代:芝G1競走5着(2400m)、ダートG1勝利(1800m,2000m)
ヴァーミリアン(2002年生)
現役時代:芝重賞勝利(2000m)、ダートG1勝利(1600m,1870m,1900m,2000m,2100m)
スマートファルコン(2005年生)
現役時代:芝OP勝利()、ダートG1勝利(1800m,2000m,2100m)
ダートのみで活躍した馬
サウスヴィグラス(2006年生)
現役時代:ダートG1勝利(1190m)
エスポワールシチー(2005年生)
現役時代:ダートG1勝利(1400m,1600m,1800m,2000m)
カジノドライヴ(2005年生)
現役時代:オールウェザー海外1勝(1700m)、ダートG1競走2着(1600m)・ダート海外重賞勝利(1800m)
感想、余談など
案の定、ダート馬や、ダートでも活躍できる芝馬から産まれる仔はどこかスピード不足というかパワーがありすぎるのか、芝の活躍馬が生まれにくい傾向があるように見えます。繁殖牝馬の質の影響も強いでしょうが。
産駒から、芝で牡馬牝馬ともにG1馬を出しているのも、芝G1馬を複数出しているのもハイセイコーとクロフネのみです。
今後、地方を中心に国内ダート路線が整備されていく見通しで、ダート馬にも種牡馬としての活躍の道が増えていくことが期待されますが、現状は日本のダートで活躍して種牡馬になっても、芝で活躍する産駒を産まないと未来があまり明るくないので、今後はディープインパクトやキングカメハメハ、ハーツクライなどの長年日本の中心として活躍した種牡馬たちが引退した後ということもあり、ダート界から芝路線含め活躍馬を出す大物種牡馬が出るということも期待したいところです。