インターネットをやめろ
はやく殺してくれ、すべてが僕を見捨てる前に。僕に帰る場所はない。どこにいても心は休まらない。インターネットは僕の居場所じゃない。はやく全てを捨てて逃げたい。DXMでトリップした世界だけが唯一僕を受け入れてくれる。けれども目が覚めた時に僕を見つめているのは、冷たく拒絶するような救急室の蛍光灯だ。それなのにやめられないんだ。インターネットに居候している。声を押し殺して、何者でもないかのように振る舞いながら。僕は、僕は、僕は、何者にもなりたくなかった。何者にもなれないから苦しんでいるんじゃない、祭壇で血祭りに上げられる彼と同じ人間なのにもかかわらず、僕は何者でもないように身を隠している。けれどもはやく殺してほしい。ほんとうの絶望が僕を飲み込む前に。