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この株を買え!メタバースを支える技術を持つ企業

回答を先に言ってしまうと、NVIDIA Corporationです(エヌビディアコーポレーション)この企業は、カリフォルニア州サンタクララにある半導体メーカーであり、半導体の中でも特にGPUを汎用計算用途に拡張したGPGPUの設計に特化している企業になります。NASDAQに上場しています。(NVDA)

一般向けには、パソコンに搭載されるGeForceやワークステーションに搭載されるQuadro等のGPUが有名である一方で、AI開発にも強みを持ちテスラ・トヨタなど大手自動車メーカーの自動運転技術に採用されています。

NVIDIAは、Meta、Google、Amazonのような巨大企業と共にメタバースを成長させるのに最も適した企業の一つと言えそうです。NVIDIAのコアコンピテンシーである、巨大な計算を並行して実行できるチップを搭載した強力なグラフィックハードウェアの製造は、大規模なメタバースプロジェクトを実行するために使用されます。

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メタバース界隈にはさらなる技術の進歩と大規模化が間もなく訪れるとみられており、必要なイノベーションの多くは、NVIDIAのテクノロジーを必要としています。それはハードウェアだけではありません。NVIDIAはOmniverseという独自のメタバースプロジェクトを持っており、物事を動かすためのすべてのコンポーネントをまとめるツールキットのような役割を担っています。

メタバースとは何か?

メタバースとは、オンラインオープンコラボレーションのデザイン環境の総称です。このようなテクノロジーは必ずしも新しいものではなく、あつ森など、特に日本人は以前からこのようなスペースにおいて、コンテンツを作ってきました。

2003年に登場したメタバースゲーム、Second Lifeのような初期のプロジェクトでは、ブロック状のグラフィックとぎこちない動作が特徴でしたが、現在では、ピクセル化されたグラフィックは、高解像度、ハリウッドスタイル、AI誘導による人間らしい動きのある3Dコンピュータアニメーションへと移行しました。

メタバースに参加するためには、アバターと呼ばれる自分のデジタル表現が必要です。ゲームに例えると、選択可能なキャラクターの中から好きなキャラクターを選んでプレイするようなものです。メタバースでは、さらに一歩進んで、ユーザーは自分のアバターをAdobe Illustratorなどのデザインソフトウェアで自由に作成することができます。

Wolf 3Dのアバター

椅子や花、カスタムメイドの背景を持つバーチャルハウス、遊園地など、さまざまなアーティファクト(人工物の訳)を作成することができます。メタバースにいる人は、自分が作ったアバターを使って、オンラインの人々に会いに行き、アーティファクトを使ったトレードも可能です

メタバースの技術は今どうなっている?

メタバースの作成には、作成ツール等をマスターする必要性、才能、大きなコンピューティングパワーの3つが必要です。20年前のブロック状の浮遊キャラクターとは異なり、デザイナーは、人間のように動くアバターを、ピクサー映画のようなクオリティで3Dモデル化する能力を必要とされています(このピクサー技術は、NVIDIAがOmniverseプロジェクトで採用中)

つまり、アバターがブロック状のレゴキャラクターであっても、そのレゴキャラクターは人間のように動き回ります。馬であれば、馬のように動きますし、また表情も存在します。そしてどんな言葉でも話すことができます。自分のアバターが他人からどう見られるかは、デザイナーに選択権があるのです。


メタバースの応用

メタバースで使用するアプリケーションはほぼ無限にあり、ソーシャルやエンターテイメントのような活用にとどまりません。

例えば、エンジニアリングやファブリケーションおいて活用することができるでしょう。自動車会社であれば、自動車モジュールを断片的に設計することから脱却し、すべてのチームをメタバースでコラボレーションさせることができます。自動車や工場間でコラボレーションして設計したり、実世界でより効率的にロボットを訓練したりすることができるのです。メタバースでは、世界中の人々が同じオフィス、同じ役員室にいることができます。

BMWは製造施設の高精度なコピーを3D仮想空間に生成し、ここで生産工程をシミュレーションし、効率などを検証

レイトレーシング(コンピューターグラフィックスで、光線の反射・屈折などをシミュレートして立体像を作る手法)、モーションキャプチャ、ユニバーサルシーン記述(3Dシーングラフ形式及びその形式を扱うプログラム群)など、見栄えのする世界を支えるコンピューティングの進歩は複雑で、その技術者やツールは高価です。

しかし、それらは最終的には3D グラフィックスのレンダリングと、AIのトレーニングおよび実装という 2 つの問題に帰結します。

NVIDIAの功績

長い間、NVIDIAはグラフィカル・プロセッシング・ユニット(GPU)のイノベーターとして業界をリードしてきました。同社のチップは、コンピュータの中央演算処理装置(CPU)に代わって膨大な計算を行うように設計されています。NVIDIAのチップには数千のコアがあり、5,000、6,000の計算を並列に行うことができます。これは、インテルなど一部のチップ製造の競合他社に比べて、同時に約100倍ほどの計算ができることになり、グラフィックスが指数関数的に向上し、計算量の多いAIに燃料を供給できることになります。

NVIDIAがOmniverseを作成し、ハードウェアと開発者用ソフトウェアのフルスタックを組み合わせ、メタバースが新しい方法で成長するための可能性を指示したのです。

NVIDIA Omniverseは、スタックにAIを搭載し、AIを実行するためのハードウェア機能を提供します。重要なことは、Omniverseは多くの点でソフトウェアに依存しないため、Amazon、Meta、Googleなどの巨大プレイヤーは、AIユニットははるかに大きいものの、おそらく同じレベルのグラフィックス技術を持っていないため、独自のメタバースプロジェクトで巨大な構造改善を推進するためにNVIDIAの技術を利用せざるを得ず、今のAWSのような成長を遂げる可能性があります。

NVIDIA’s Omniverse

またNVIDIA Omniverseは大企業だけの活用でとどまらず、
Omniverseの特性であるオープンさ、柔軟性、複数のデザイン能力に対応可能な点は、あらゆる人に自分の創造物をその環境に取り込み、好きなように使えるようにすることが可能です。

科学者もオムニバースを利用する可能性がある?

 

例えば、オムニバースを最大級のスーパーコンピュータと考えてもらうと、科学者コミュニティにとってはとても魅力的な存在となります。

将来的には、研究者はNVIDIA のオムニバースを使用して、大規模な計算とオープンなコラボレーションを必要とする気候モデリングシナリオ分析や量子物理学をより高いレベルで研究、実践することができます。

ここで忘れてはならないことは、最も重要な構成要素は、開発者であるということです。

開発者は、メタバース全体の外観と感触を文字通りデザインするために、ソフトウェアのようにOmniverseと関わることになります。

開発者は、プリロードされたAIやグラフィックスタックとともに、ライブラリやデザイン環境にアクセスし、ネイティブに使用することを求められます。

NVIDIAの場合、デザイナーの大半が、すでに持っているツールを使い、コネクターやインポート・エクスポートツールを使用して、アートワークやアーティファクトをOmniverseに持ち込むのでは!?と見られています。

NVIDIAでは、デザイナーがNVIDIAの提供されたソフトウェアやツールに縛られることなくデザインできる環境を醸成しながら、いくつかのツールを必要に応じて提供していくスタイルを継続しています。

NVIDIAは、人々がOmniverseにただ単に参加してもらうことを期待しているわけではありません。

NVIDIAとメタバース

NVIDIAは個人のデザイナーや開発者向けには、Omniverseの無料版を維持していくと予想しています。何故なら、NVIDIAのソフトウェアとハードウェアのスタックの多くは、必ずしも安価ではないので、多くの個人デザイナーにはかなり痛い出費となる可能性があるからです。

無料版であれば、ライブ活動や在宅勤務の方でも、NVIDIAのソフトウェアとハードウェアのスタックで運用することができます。

まとめ

① Omniverseのツールの接続性の改善と進化、② 大企業や個人のデザイナーとの連携、③ NVIDIAのハードウェアのパワー、これらすべての要素において、メタバースが成長する中でNVIDIAがその成長の軸となるポジションにあるということが大きいです。
つまり長期株10-20年としては次のアマゾンやGoogleになる可能性が高いです。




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