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上司が周りの目を気にする必要性について〜アルバイトから社員に伝えたいことバージョン〜

ここのところ、私の大好きな職場の先輩が、とてもしんどそうだ。
仕事のせいというより、人間のせいで。ていうか上司のせいで。
私、お客さんからしたらバイトでも社員でも「従業員」というひとつのカテゴリーだと常々思っているタイプなんだけれど、
社内に対する発言については、社員さんが発信するとき必要以上にセンシティブな問題だと言われてしまいがちな日本社会なので、
代わりにバイトの私が発言しちゃおうと思います。

信用pはどんな人でも毎日増えたり減ったりしている

身の回りにいませんか?
「こういうところは良くないんだけど、つい許しちゃうんだよね〜」って言われている人。
きっとその人は、良くない部分を補えるだけの信用p(ポイント)を持っているのでしょう。
信用pには「見込み」「期待」も含まれます。

この信用p、レベルが上がると【スキル:信頼】を獲得します。
信頼を獲得すると、見逃し1回という効果を発動します。
つまり、1回は失敗しても受け入れてもらえます。

ただし、信用pを得ていくうえで厄介なことが2つあります。
1つは、レベルが上がるにつれてポイントゲージが溜まりにくくなっていくこと。この人はこれができて当たり前、になっちゃうとか。
もう1つは、ポイント消失率が獲得率よりも高く設定されていること。あーこれできないんだーがっかりーって思われちゃったときの消費ポイントが、1回に溜まる信用pよりも多いのです。

要するに積み上げには根気が必要だけど、失うのはあっという間ってことですね。
きっとみんな経験があることでしょう。私もあります。
もちろんなんでもかんでも引き受けろって話じゃありません。
関係を構築するのに、こういう考え方をしていると自己分析しやすいですよ~ってだけです。
何か行動を起こすときには、利害関係だけじゃない気持ちも大切だし、できる・できないの取捨選択も大事。だからこそ、仕事で関わる場合は余計に信用というものを意識する必要があると思うのです。

で、この信用p、日々増減を繰り返しているわけですが、
そこに上下関係は存在しません。
上司から部下よりも部下から上司のほうが獲得するポイントのほうが少ないとか、
そんなことはないんです。
そりゃそうだ、ポイントはただの数値だもの(笑)。
信用という観点で見た時に、役職は関係ありません。
人間自体が信用するに値するか、です。
「成功の秘訣は、いいヤツでいること」だと尊敬する人に言われたのも、きっとこういうことなんだなぁと思ったり。

なのでいわゆる重役出勤を当たり前のようにしている上級職のみなさん。
面倒なまとめ作業やお客様連絡を後輩に代行させている先輩のみなさん。
重役発信のアイディアを自分で噛み砕くこともなく部下へ丸投げしている管理職のみなさん。
その行動は思いのほか社内で見られているんですよ、というのを今後のためにお伝えしておきたいと思います。
信用pは毎日増減を繰り返しています。

イエスマンだけを置いているわけじゃないから大丈夫、とは限らない

会社のホームページや代表インタビューなんかで、
「風通しの良い職場環境を目指しています」
「社員の意見を尊重しています」
なんていうのを見聞きしますが、今一度振り返ってみてください。
本当に風通しが良い環境でしょうか?
社員の意見を取り入れられていますか?
社員の末端まで発言できるような環境でしょうか。
言っても仕方ないと諦められているから無難な意見しか出てこないのではありませんか?

ここ5年くらいで創業した会社はそうでもないかもしれませんが、
社歴の長い人間が上層部に固まっているような企業でありがちなのが、
上層部の人たちの感覚が似たり寄ったりのまま、アップデートもされず、実務を担っている社員たちの不満を生んでいるパターン。
「役員会議では反対意見も出てくるし、イエスマンばかりを身の回りに置いているわけじゃないから大丈夫」だと思っている人。あぶないですねー。
意見のバリエーションが問題なのではありません。
感覚や発信の仕方、物事の捉え方といった思考パターンが似たり寄ったりの人しか周囲にいないという状況が、非常にまずいのです。

例えば、社長は「こういうことやりたいんだよね」という提案をする。具体例はなく、できるよね、というスタンス。
そしたら部門長が「そのためにはこういう業務をしなくてはいけない。じゃあそういうことでよろしくね」と自分の部署に仕事を振る。
現場がいざ動いたときに、「リリースまでにこういうことをする必要があると思いますが、こういう手順で進めようとしています」と報告すると、
それを受けた部門長が「それ、本当に必要? やらなくてもいけるんじゃない?」とよく調べもせずに発言して、裏付けをもって提言した現場スタッフの労力を一蹴し、グレーな状態でまとめさせてしまう。
社長には現場の提言があったことは伝わらないまま、形になったものだけが確認されて承認が下りる。
現場は不安を抱えたまんまで事業が動き出す。

個人事業主ならね、こういうことは起こりにくいと思います。
ちゃんと調べて果たすべき責任を見極めないと、自分自身の生活にダイレクトに影響するから。

企業の場合は、上層部が実務に関わらない状態になると、現場との乖離が生まれてしまう場合があるんですよね。
役員になっているのが感覚が近い人間だけだったら、そういう現実に気付く人がいなかったりする。
さらにその上層部の体質は現場のほうが感知しやすいことが多くて(ダメ出しの内容でちゃんと理解されているかどうかわかっちゃいますもんね)、
結果「誰に言っても仕方ない」と我慢や諦めを強いることになってしまう。
だから無難な意見しか上がってこなくなる。会社の成長が止まる。

不思議なもので、最初に「あ、いまこの会社止まってるわ」って気付き始めるのは現場の人間なんですよね。
だから、上層部との関係≒会社への信用について不満が高まっている状況は、離職率になって表れる。離職率って本当に真剣に考えなくちゃいけない数字だと思います。

そして自分が身を置いている場所を思い返してください。
価値観がアップデートされない集団の中で過ごしていないかどうかを。

どんな仕事をしているのか、教えてほしいんだ

コミュニティーリーダーと呼ばれる人たちの求心力はすごい。
人間的な魅力はもちろんのこと、発想力、思考力、発言力など、様々な力を持っています。
それを支持し、学びたいと思った人が、その門を叩きます。

なぜ「この人から学びたい」と思うのか。
それは、「この人から学びたい」と思わせるような行動や言葉を発信しているからです。

つまり、「覚えてないなら言ってないのと一緒」ってやつ。
「知られなきゃ存在しないのと一緒」ってことです。

さて、これを会社というシステムに置き換えてみましょう。

会社というコミュニティーのリーダーは社長(代表取締役)ですね。
で、その中にもたくさんのコミュニティーが存在していて、それぞれにリーダーの立場に当たる人がいます。
そのリーダーたちは、自分の仕事を発信しているでしょうか?
同僚や部下に、自分の仕事を説明してもらうことができますか?

私は正直、社長がどんな仕事をやってるのかわかりません。
「社内で共有されているカレンダーを見ればスケジュール確認できるんだからわかるでしょ」って言われたら、この人は馬鹿なのかなって思います。そういうことじゃないでしょーよ。
どんな仕事に取り組んでいて、どういう考えを元に行動していて、どんなものに関心を寄せているのか。発信されていないから、わからないんです。

社員って大体日報を提出しますよね。
役職が上がるとそのシステムがなくなっていきますよね。
なんでなんだろうって思ってます。
役職に関係なく等しく定められている勤務時間で、あなたはどんなことをして経済を回す社会貢献に努めているんですか、私にはわかりませんって思ってます。発信してくれないから。
仕事の内容や考え方が見えないから、ファンになれない。関心を持てない。この人と一緒に頑張っていこうって思えない。

わあ、発信ってちょー大事じゃん。

だからね、毎日コミュニティーの人たちに発信を続けるリーダーたちを心の底から本気で尊敬しています。
日々、自分の仕事や考え方を言葉にして書いたり話したりするのって、命のかけらを見せてくれているのと同じことですよね。それに触れちゃったら、受け取るほうも背筋を正して真剣に受け取って、全身に落とし込まなくちゃって思えます。そりゃファンになっちゃうよ。

とはいえ、同じ人たちを相手にしていたら、話すことってなくなってくると思うじゃないですか。
実際はそんなことないんですよね。
だって生きてるから。同じ日は二度とやってこないから。
時間は過去から未来へ流れていて、今という瞬間は今ココにしか存在していない。
だからその今の積み重ねを生きている以上、何も尽きることがないんです。

命のかけらを言葉にして伝えるということは、心を見せるということです。
どんな心で仕事に臨んでいるのかが伝われば、社員はリーダーに関心を持ちます。理解しようと試みることができます。衝突することがあっても、「こういう考え方ならこういう行動を取るのも納得できるな」と思ってもらえるかもしれません。

毎日何かを続けるのって、最初はめっちゃしんどいってみーんなわかってます。それでも習慣になるまで頑張ることができれば、自然と行動できるようになることも知ってます。
だから、リーダーのみなさんには、最初は大変なことだとわかったうえで、それでも毎日社員に何かを発信するというチャレンジをぜひしていただきたいです。
リーダーがどんなことをしているのか、説明できるような社員を増やしましょう。そしたらきっと距離が縮まります。この人のために頑張ってみようかな、と思ってくれる誰かを見つけられるはずです。

――まあそんな感じで、バイトの身分ながら会社という組織についていろいろ思っているわけでして。
仕事仲間が好きだからね。そこで働くみんながハッピーであってほしいんですよ。
仕事で大変、の内訳が社内要因8割とかシャレになんないからね。

タイトルに入れた「周りの目を気にする」っていうのは、
ここまで読んでくださったなら理解していただけているかと思いますが、
周りの目に晒されている自分を意識することで内省に活かしていきましょうってことです。
自分についての意見を言われることがなくなってきた人ほど、必要だと思います。
何事も意識することから始まりますから。
周囲との関わり方や周りの反応を客観的に見ることが、いくつになっても成長を止めない鍵なのではないでしょうか。

お客さんのほうを向いて仕事ができる環境を作るために、上司に当たるみなさんはぜひご自身を振り返っていただきたいなと思います。
中間管理職も平社員も大変なんやぞ! 会社が振り回すな! ってね(笑)

はい、おしまい!

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