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派遣というビジネスモデルの改善は、日本全体の労働力向上へのキーになりうるか?

都合の良い労働力

たまたま、こんなツイートがバズってたのを見かけて自分の妻のこともあり考えさせられたことがきっかけで、このnoteを書きました。

わたしの妻は4年生大学を卒業したあとに大手企業に正社員として就職しました。

結婚して出産を期に正社員は退職し、育児に時間を取りたいこともあって、その後、10年くらい派遣をやっていました。

品川、銀座、表参道、自由が丘、自宅の最寄駅・・・、主に事務職などで10箇所くらいは職場が変わり、その間、派遣会社も色々変えてみましたが、いずれも長く続かず。

その、理由として、

「やりがいを感じられない」
「がんばっても評価されない(時給も上がらない)」
「いつ切られるかと思うと安定しない」
「いつかやらせてくれるという新しい仕事にならない」

など、とのこと。

確かに正社員と比べるとすぐに仕事を始められるし、嫌になったらすぐ辞めます。残業時間も選べ、柔軟な働き方ができるので、派遣にも、良い面もあります。

ですが、それゆえに、利用する企業側からすれば「都合が良い労働力」として見られてしまい、必要なときに必要なだけ調達し、スキルアップやキャリアアップさせる必要もなければ評価をする必要も(正社員と比べると)少ないです。

この状況を俯瞰して見ると”派遣というビジネスモデルは労働市場における労働力全体の向上につながっておらず”、極端な話、このままでは、RPA(ロボットやAI)にリプレースされてしまうかもしれません。

「人手不足!使える人がほしい!できる人はどこかにいないのか!?」

と、どの企業も思っている現代において、みすみす、このままで良いのでしょうか?

抜け出せない派遣無限ループ

「そんなことを言っても派遣しか選択肢がない人達がいるのが事実だし、特に不満もない人の場合、いきなり派遣という雇用形態がなくなったら、どうやって食べていけばいいんだ?」

そういう意見も当然あると思うし、自分もそう思っていました。

ところで、例えば、一度派遣で働き始めてしまうと、しばらくしてなんらかの理由でそこを辞めないといけなくなった場合、次に正社員として転職するハードルが想像以上に高いことに気づきました。


それもそのはずで、仮に、残りの派遣期間が1ヶ月という時点で突如「次は契約更新しない」、となった場合、無給期間を作らず正社員に復帰するためには、そのたった1ヶ月の間で転職活動を行い、正社員として内定を勝ち取らなければならないのです。

派遣になる前の正社員としてのブランクが長ければ長いほど、ましてや、正社員としての経験がなければ、選べる会社の選択肢が狭く、結果的に、食っていくためには次も派遣を選ばざるを得ないケースが多いのではないでしょうか?

派遣で働きつつ、転職活動をする方法もありますが、転職活動をしたことがある人ならご存知の通り、働きながらの転職活動はかなりのパワーがかかります(10回転職した私が言うのだから間違いありません苦笑)

これは派遣だけでなく、副業やSESなど、影響範囲は大きい話

今日、たまたまこんなツイートを見かけました。

これも近い話のように感じました。たとえ、いまは良くても未来への投資を怠れば、自分のスキルや市場価値はどんどん目減りしていき、例えば、事務の派遣でも55歳でいきなり切られて、「これから私、どうしたらいいんですか!」みたいなニュースもありました。

成長が止まる=死 なのです。

派遣というビジネスモデルの将来について考える

2017年、派遣の市場規模は5.4兆円。今後も、この規模から伸び続けるのでしょうか?

海外では日雇いのバイト向けのプラットフォームが伸びてきているようで、正社員の副業化のように、働くバイトスタッフも「今日、急に働けるようになった、逆に働けなくなった」に対応しているお店に集まるようになってきているのだとか。

そりゃ、友達と急に飲み会が入ってもバイトが休めないところよりは、休めるところの方がいいですよね。

国内でもこんなサービスも出てきているようで、その様子が伺えます。


一方で、人事総務業務もクラウド化が進み、オフラインの事務作業も、オンラインで完結するものが増えておきました。

いわゆる「オンライン秘書」「オンライン経理」のような業態のビジネスも増えてきています(わたしの会社でもかなり利用しています)

今、現場にいる派遣さんの少なくない人数が上記に置き換えられていく可能性があります。

派遣会社はこれからどうするべきか、どうなっていくべきか

これから派遣会社として生き残る方法としては

・柔軟な勤務体系が選べるようにして(9-18で週5とかでなく、またリモートワークも可など)少しでも優秀な人材を確保する
・スキルアップ、キャリアアップの機会を設ける。それらのための手当を行い、
価値の高い派遣社員を育てる
・仕事のやりがいを感じられるような仕組みや機会を用意し、エンゲージ(従業員満足度)を高め、派遣会社への帰属意識を高める

もちろん、上記が達成されれば、さらに差別化のた時給をアップするなどもありますが、いずれにせよ、今のままでは、オンラインアシスタントや、クラウドソーシング、日雇いプラットフォームに徐々に食われていくでしょう。

ぜひ、私の妻という労働力を「その企業で活かしたい!」、と思えるような案件が、派遣という雇用形態だからこそ、提案もらえるような、そんなビジネスに変わっていくことを願って筆を置かせていただきます。


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