猫神様よ、今何処?
『ランダムに選んだ過去の写真からインスピレーションを受けた小咄、コラム、戯言などを書き留める写真で二言三言。』
今はもうネコ歩きコースとしては徘徊しなくなってしまった路地でお見かけしていた猫さんである。
この写真だけではあまり大きくは感じないかもしれないが、初めてお目にかかったときにはそのあまりの威厳が醸し出すオーラのせいか、やたらと大きな猫神様のご光臨っ!?のような錯覚に陥ったモノである。
その時こちらの猫神様はスクーターの座席に鎮座坐して在らせられた。
こちらを見ても動じることもなく、逃げるぞぶりも魅せずにジッとこちらの様子をお伺いにナリ、わたしの方があまりにご立派な佇まいに恐れを抱き、ソソクサと立ち退いていく始末。
以来何度か同じ路地でそのお姿をお見かけしては写真に納めてきたのだが、いつしか路地の入口の一角で建物の解体工事が始まり、その後のマンション建設工事がしばらく続いてからはめっきりご尊顔を拝謁することはなくなってしまった。
この白猫の猫神様に限らず、建て替えたマンションのとなりのお豆腐屋を猫だまりとしていた、猫さん達も離散。
猫だまりがなくなったことで、私の足もこちらに向くことは無くなり、現在も猫神様が再来されたかどうかは解らない。