Dual Xeonと中華マザボで24コア48スレッドのPCを組む
お疲れ様です.AliExpressに注文したマザボとCPUが届いたので,自分史上,最強のPCを組んでいく.タイトルの通りデュアルCPUで,24コアのPCだ.もちろんRyzen 9とかRyzen Threadripperを使えば,メニーコアのPCが苦労せずに作れるが,私にはコストがかかりすぎである.
構想してからだいぶ時間がたってしまいました.
使用したマザーボードとCPU
とにかくCPUコアがたくさんほしいので,中華マザボのデユアルCPU構成とした.CPUはコスパを重視して,中古のXeon E5-2696v2を採用した.1個のCPUで12コア24スレッドなので,デユアルで24コア48スレッド,ブーストクロックが3.3GHzのシステムができるはずだ.
こちらのマザーボードをAliExpressを通じて購入しました.
デユアルCPUのマザーボードはサイズが大きくなりがちだが,こちらのマザーはMicroATXサイズに多少奥行きが延びただけで,非常にコンパクトで安価なのが気に入った.メモリースロットが4個しかないのが残念だが,1個で16GBのメモリを利用すれば最大で64GBになるので充分である.
こんな感じで届きました.
ただ.届いたマザーボードにはマニュアル類がまったくついてこなかった.まあコネクタの形状と基板のシルク印刷を解読すればほぼ問題ないが,フロントパネルまわりの電源ボタン,リセットボタン,電源LED,HDのLEDの配線は,AliExpressの商品ページを見なくてはわからなかった.
CPUはこんな感じ,ロットは違いますが,どちらもXeon E5-2696v2です.
利用した電源だが,高消費電力なグラフィックボードは使用しないので,既存の550WのATX電源で容量は足りるだろう.だがこのクラスの電源には,CPUの補助電力用の8PInコネクタが,2個必要なところ1個しかない.電源を買い換えることも考えたが,近頃はほとんど使われない4Pinのペリフェラル電源コネクタを2つ束ねて,8Pinに変換するケーブルを導入した.
こちらの変換ケーブルです.いまのところ問題なく使えてます.
ストレージには250GBのM.2のSSDを利用し,グラフィクスボードは省電力なNvidia GeForce GT710,あとはWIFIボードを増設した.
電源を入れてわかったのだが,BIOSが盛大にバグっていて,CPU温度がありえない温度になっている.そのためかファンコントロールのマニュアル設定ができない.まあSamrt Fan ControlをONにしておけば,問題ないようだ.
ケースと水冷システムの製作
ケースは,20mm角の汎用アルミフレームで自作した.これも既にMicro ATXサイズのマザーボード用に作ったものがあったので,これを少し拡張するだけで済んだ.こういった時に,汎用のアルミフレーム材で作っておくと改造が容易だ.ケースのサイズは,高さが120mmの3連ファンが入るように400mm,幅がATX電源が入るよう165mm,奥行きが400mmになる.構造は写真を見ていただければわかっていただけるだろう.
https://www.monotaro.com/g/02364604/#op_365=260&op_381=AFS-2020-4
モノタロウから注文しました.綺麗にカットした状態で納品されました.
冷却には,本格水冷を利用した.通常デユアルCPUの冷却システムでは,シングルの2倍のコストがかかるが,本格水冷の場合CPU用の水枕を通常1個のところ2個用意するだけなので効率的だと思う.
CPUを取り付けて,グリスを塗り,水枕を設置しました.
マザーボードを入れ替え,配線・配管しました.電源スイッチを入れると,OSが入ったUSBメモリから,無事に立ち上がりました.
前面; 120mmの3連ファンです.
背面; PCIexpressスロットにはグラフィクスボードとWiFiボードが刺さっています.
左側面; リザーバータンクの下にポンプが付いてます.水流監視用の羽根車をつけておきました.
右側面 いちおう裏配線にしてます.マザーボードの取り付け穴は全部使っていません.
上面 240mmのラジエーターを設置してます.
OSのインストール
OSは,Windows 10とUbuntu 18.04 LTSのデユアルブートにした.通常はUbuntuで使うことが多いのだが,ベンチマークソフトを実行するため,Windowsもインストールした.まず先にWindows 10をM.2 SSDにインストールし,その後Ubuntuを指示に従ってインストールすれば,簡単にデユアルブート環境が構築できる.
性能評価
早速Windows 10を起動させて,ベンチマークソフトCinebench R23を回してみた.実行中のCPUの温度は,CoreTempというソフトの読みで,最高でも60℃代前半だったので,本格水冷の冷却性能は充分だろう.スコアはマルチスレッドが最高16051ptsで,シングルスレッドが最高553ptsだった.マルチスレッド性能は,第1世代16C/32TのRyzen Threadripper 1950Xとほぼ同等のようだ.コストバイパフォーマンスは上々ではないだろうか.
まとめ
PCの改造にかかった費用は,CPUが¥11000x2=¥22000,マザーボードが¥8500で.本格水冷に必要なコネクタ類と水枕が2個で¥5900だった.最初からパーツを揃えるとしたら,これに加えて,電源が約5000円,水冷のラジエータ・ポンプ・リザーバータンク・ファン等で約1万円,グラボとWiFiボードが約6千円,ケースを製作するための,アルミフレームとアングル等の金具が約7千円がかかるので,全部で6万円前後といったところだろうか.
シングルスレッド性能では,最新のCPUには太刀打ちできないが,私のように並列計算を多用するので,コア数がとにかく必要な用途では,かなり適したシステムだと思う.以前は,PC3台を10GビットLANで繋いだPCクラスターを利用していたが,とにかくメンテナンスがたいへんで心が折れてしまった.今回のシステムでは,苦労いらずで並列計算が楽しめ,たいへん満足している.
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