
国の消滅
遥かなる昔、偉大な国があった
富と権力、手にし如く崇高だった
だが時は流れ、人々は忘れ
美しい夢も、ただの幻影になった
政治家たちの口から出る言葉は
「未来を築こう」と、虚ろな笑顔で
しかし背後では金の匂い漂い
彼らの心は、すでに腐敗していた
農地は荒れ果て、民は疲弊し
文化も歴史も、風に吹き飛ばされる
そんな中でも、SNS上では盛況
「我々は強い」と自撮りを誇る
学校では教えられる美談だけど
現実には無関心が蔓延っている
次世代に何を残すつもりか?
消滅する国と共に死んでゆく夢
豪華な宮殿は錆び付き朽ち果てる
国家予算は遊び場のお金みたいだ
人民の声など耳に届かずとも
きっと誰かが、「大丈夫」と呟くだろう
そうやって静かに幕を閉じる国よ
最後の花火も消えてしまった後で
新たな伝説を待つ者はいない
さあ、お別れだ、この皮肉な舞台よ。
