マストドンサーバー「UNDER-BANK.blue」をHostdonへ引っ越しました
2017年4月に日本でブームになったマストドンですが、自分も興味本位で2017年4月26日にさくらのクラウドを利用し、Mastodonサーバー「UNDER-BANK.blue」を設置しました。サーバー運用のド素人ながらも4年間運用を続けてきましたが、自身の生活の変化や諸々の事情から、このたびMastodonホスティングサービスを行っている「Hostdon」にサーバーを移行しました。なお技術系の記事ではありません。あくまで感想です。
サーバー運用は楽しいけど大変だ
自分は学生時代に少しだけプログラミングの講義を受けていたというだけの素人なので、設置の際はさくらのクラウドにあるMastodonのスタートアップスクリプトにたいへん救われました。いわゆるボタン一発でMastodonを建てられるというやつです。
ただ、当時のMastodonはものすごい成長期だったため、毎週~毎月のようにアップデートがあり、設置は出来ても追従するのに必死でした。本家のドキュメントや日本語解説のブログ、そして他のMastodonサーバーの管理者であるフォロワーの知見に助けられつつ、毎回勉強しながらアップデートに追従していました。コンソール画面を叩くことでプログラムが変化し動く様子はとても楽しかったです(余談ですが、このサーバー運用の勉強をきっかけにIT分野の方々との交流が広がり、今でも自分の財産になっています。)
現在はMastodonもだいぶ安定して、バージョンアップのペースも穏やかになっていますし、ある程度自分の安定運用の知見も貯まってきたのですが、Mastodonサーバーを運用するにはMastodon以外の、基本となるサーバー運用やセキュリティの知識、そしてnginxやrubyなど、Mastodonの運用に必要な各パッケージの設定や管理も必要になってきます。ここで自分の運用サーバーがMastodonの推奨OSであるUbuntuではなくCentOSであるハードルも重なり、調べてもなかなか一筋縄で解決できないことが多く、周りの手助けを借りるにも忍びない状況が続いていました。
(適当な画像がなかったので餃子を置きました)
設置当初は「いつ失敗して爆破してもいいや」という軽い気持ちで運用していましたが、自身の技術力の問題でテスト環境を用意できず一発勝負の環境だったことと、いよいよアップデートや運用に失敗して障害が発生した場合、やはり長年運用を続けてFediverseで繋がった方々および連合先のサーバーにご迷惑をかけてしまうという懸念があったというのが大きいです。「何がわからないのかがわからない」という状況はなかなか苦しいですね…。
なお現在は本家のインストール方法もだいぶ簡略化され、比較的容易にMastodonサーバーを設置できるように改良されているので、自分のような苦労をすることはあまりないかもしれません。でもやっぱりwebサーバー運用そのものの知識は必要なので、まだIT分野でない人には敷居が高いかなという印象はあります。
そういったIT分野でない人の敷居を下げるためにも、Hostdonのようなホスティングサービスが存在するのは大変ありがたいことだと思います。
敷居が低いって大事です
管理者側の話として踏み入った話をしてしまうと、分散SNSの自由さを最大限に享受するには自分でサーバーを運用することが一番ではあるのですが、いきなり極端に自由を獲得せずとも、少しずつ自由を確保するというスタンスでもいいんじゃないかと思っています。そういうゆるい自由を確保するためにも、Mastodon運用の敷居を下げるホスティングサービスの存在はとても大事だと思っています。
なお、今回のサーバー移行作業はHostdonさんにおまかせしました。Hostodonさんのサイトに書いてありますが、既存インスタンスの移行も無料で行っていただけるという手厚いサービスです。当日は2時間半程度で移行作業終了のお知らせが来て、さすが餅は餅屋だなと尊敬しきりでした。自分だったらトラブル続きで何日かかっても引っ越し出来ないと思います。4年間分のDBはかなり大きかったと思いますし、本当にお手数をおかけしました。
改めましてHostdon様の技術力とサービスと存続に感謝いたします。
あとこちらは個人の事情なのですが、自分のメインの活動がデザインや絵の創作活動なので、こちらにリソースを割きたいという理由も大きいです。持病の悪化や年齢による体調不良なども増えてきたので、サーバー運用の勉強はお休みすることにしました。(その代わりカスタムCSS等でUIをいじる余裕ができたので、今後ブラウザ上で設定可能な範囲で遊びたいです。)
Mastodonおよび分散型SNSの面白さを支えるサーバー運用の知識はあるにこしたことはないですが、その面白さの本質は「自由であること」「多様性を受け入れること」等であり、技術そのものとは少し違う場所ににあると思っていますので、IT関係の技術者以外の方にもその面白さが伝わるように、今後もさまざまな分野の人々にこの世界の面白さや便利さをわかりやすく噛み砕いて伝えていけたらいいなと思っています。
(適当な画像がなかったのでラーメンを置きました)
ということでHostdonへサーバーを移したことにより、今まで毎月4000円強かかっていたサーバー運用費用を半額以下に抑えることができました。石油王ではないので費用面においても大変ありがたいです。
これは元々利用していたさくらのクラウドの料金が高めだったというのもありますが、さくらのクラウドは早い段階からスタートアップスクリプトや運用解説記事等で敷居を下げてくださった恩義はもちろん、気軽にスペックアップが行えるというフレキシブルな面でとても重宝していましたので、料金相応だと思っています。また利用していたサーバーが石狩市にあったため、2018年の北海道胆振東部地震の際はそのインフラを支える勇気と努力に感心しました。本当に今までお世話になりました。(といってもレンタルサーバーの方で15年以上お世話になり続けているので、まだまださくらインターネットさんを応援しています。)
ということで、これからもUNDER-BANK.blueをよろしくお願いいたします。
(使用イラスト素材:Loose Drawing 様)
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