サザンドラ対策から考える、マックスレイドバトルを楽しむための育成論
こんにちは、マックスレイドバトル廃人です。
さて、ポケモン剣盾のマックスレイドバトルですが、10月(執筆時)のピックアップでゴースト・あくタイプのポケモンが登場しています。
ところが、ゲンガーやオーロンゲよりも、この告知で一切名前の出ていないサザンドラが一番の曲者。「勝てない」といった声もかなり見かけます…。確かに難易度はかなり高いです。
ただ、こういう高難度レイドになるとがぜんやる気が出るのがレイド廃人というもの。今回サザンドラレイドを野良で楽しく回すため、様々なアプローチから対策ポケを考えて育成してみました。
効率よりも好みや意外性を優先したり、はたまた完全にネタに走ったり、攻略記事というよりは「レイド用ポケモンって自由な発想でいいんだ!」ということが伝わるような内容を目指しています。そこはあらかじめご理解の上ご覧ください。
サザンドラの行動パターンについて
さて、まずは敵のことを知らないと対策も立てられないので、サザンドラの行動パターンをまとめてみます。
筆者が実際にプレイして見たものと、一部記憶に頼っている部分があるので(特にバリア展開前)誤りがあるかもしれませんがご了承を。
●バリア展開前
2回行動
攻撃⇒攻撃(攻撃技はランダム)
攻撃:ハイパーボイス、りゅうのはどう、あくのはどう、ハイドロポンプ
および上記がダイマックス技となった「ダイ○○」
●1度目のバリア展開後
3回行動
攻撃⇒わるだくみ⇒攻撃(わるだくみは確定行動、攻撃技はランダム)
攻撃はバリア展開前と同一。
●2度目のバリア展開後
3回行動
攻撃⇒攻撃⇒攻撃(攻撃技はランダム)
攻撃:ハイパーボイス、りゅうのはどう、あくのはどう、ハイドロポンプ、トライアタック
および上記がダイマックス技となった「ダイ○○」
脅威となるのが1度目のバリア展開から2度目のバリア展開までの間「毎ターン確定でわるだくみを積んでくる」という点。その後に強力な攻撃がバンバン飛んでくる鬼畜仕様。打たれ弱いNPCはおろか、わるだくみ⇒ダイドラグーンでムゲンダイナが一撃でお陀仏…というシーンも何度か目にしました。
よってサザンドラ攻略は「いかにわるだくみを積ませないか」あるいは「いかにわるだくみ積んだ攻撃を凌ぐか」にかかっていると言っても過言ではありません。
さて、これを踏まえてここからは実際に私が育成した対策ポケモンを紹介していきます。
①積み解除に命をかける要塞 タマンタ
●タマンタ
おだやか/ちょすい/しんかのきせき
H:178 D:252 S:80
れいとうビーム/くろいきり/ワイドガード/てだすけ
<解説>
はい、いきなり出ました進化前ポケモン。
ポイントは進化前にもかかわらず120という圧倒的なD種族値を誇る点と、くろいきりによる積み解除が可能である点。
性格おだやかでDに努力値を252振ることで実数372、さらにそこに輝石の1.5倍補正が乗るので、まさに要塞のような耐久力です。おまけに特性のちょすいでドロポンやダイストリームを食らえばHP回復。抜かりない。
基本ムーブは「わるだくみを積まれたら次のターンでくろいきり、それ以外はれいとうビームでバリア削り」となります。
サザンドラの行動パターンの関係上わるだくみを積まれた攻撃を1回は食らうことになりますが、何度積まれてもその都度リセットできるのでとにかく心強いです。
火力の強い味方がいればてだすけを使ったり、味方のLvが低い場合はワイドガードでハイパーボイス対策をしても良いです。
Sに80振っている理由は、Lv60のサザンドラを確実に抜ける実数156になるよう調整するためです。これによって「積まれたらくろいきり」の後出しが可能になります。ダイアタックでSを下げられる可能性もありますが、サザンドラはなぜかダイアタックの使用頻度が低いので気にするほどでもないです。
ただし、タマンタに限らず進化前ポケモン全般に言えますが、野良レイドで募集解放される割合が圧倒的に多いのはどうしようも無いです。
私は性格が悪いので、募集解放されたら「タマンタのD種族値をご存じでない!?!?!?」と言ったりしていますが…。
②積みを相殺する憎いやつ エレザード
●エレザード
おくびょう/かんそうはだ/たべのこし
C:6 D:252 S:252
りゅうのはどう/かいでんぱ/へびにらみ/ひかりのかべ
<解説>
①のタマンタが「積まれたら積み解除」というやり方だったのに対し、こちらは「積まれる前にあらかじめ能力を下げておく」というアプローチです。
高いSを活かして相手がバリアを貼る前に真っ先にかいでんぱを撃ち、あかかじめCを下げておきます。これによって1回わるだくみを積まれてもCのランク補正は0に戻るだけ。積まれていないのと同じです。
このように「相手がバリアを貼る前に変化技を撃つ」戦法を取る場合、ステータス画面から味方のSの実数を確認するだけでなく、こだわりスカーフや先制技といった要素も考慮する必要がある点に注意が必要です(先に他の味方が攻撃してHPが一定ラインまで減るとバリアを貼られてしまう)。またマッチング時点で他のトレーナーのポケモンから「自分が真っ先に動けるかどうか」を推測しておくのもポイントです(個人的にこれらはレイドにおけるかなり重要なテクニックだと思っています)。
ひかりのかべも使えるので、万が一自分より素早いポケモンがいてバリア展開より先にかいでんぱを撃てない場合でも、壁貼り⇒バリア削りという最低限の仕事はこなすことができます。
特性のかんそうはだもポイント。サザンドラがダイストリームを使い天候が雨になれば毎ターン自動回復。持ち物のたべのこしによる自動回復も追加で乗るので、数値以上のしぶとさを持っています。
③相手をたぶらかす小悪魔 ニューラ
●ニューラ
ようき/せいしんりょく/しんかのきせき
A:6 D:252 S:252
れいとうパンチ/じごくづき/ちょうはつ/メロメロ
<解説>
①のタマンタと②のエレザードの解説を読んで「そんな事しなくたってちょうはつ使ってわるだくみ封じればいいじゃん」と思った方がいるかもしれません。その通りです。
が、サザンドラはあくタイプのため、いたずらごころの先制変化技が通用しません。そのためバリアに妨害されずにちょうはつを決めるには純粋に素早いポケモンに撃たせなければなりません。
素早さが高くちょうはつを撃てるポケモンとして、ゼラオラ、エルフーン(いたずらごころの個体は上述の通りNG)、マニューラなどの候補が挙がってくるかと思いますが、私は「えっ!?こんなポケモンもレイドで使えるの!?」という意外性を求めてしまうクチなので、あえてニューラをチョイスしてみました。マニューラより立ちポーズかっこいいし。
ニューラのSはさすがにマニューラには劣るもののそれでも115とかなりの高水準。進化前ということで輝石が使えるので、マニューラより硬くできるのも攻撃の激しいサザンドラ相手では嬉しいポイント。
戦法としては真っ先にちょうはつを撃ってわるだくみを封じるのが基本ですが、相手の性別によってはメロメロを撃っても良いです。
ちなみにメロメロはレイドボス名物「ステータス変化と特性を掻き消した!」でも消されず(メロメロ使用者が瀕死にならない限り)永続するという地味に凶悪な性能を持っています。とはいえメロメロで行動不能になるのはランダムなのでその点には注意が必要です。真っ先に変化技を撃つノウハウについては②のエレザードの解説で記載した通り。
1度目のバリアを破壊した後に発生するバリアの無いタイミングも見逃せません(サザンドラのHPが半分に達するとその時点で2度目のバリアが展開されるため、隙がなく即座にバリアが発生する場合もあるので注意)。うまくそのタイミングで自分のターンが回ってきたら絡め手を決める絶好のチャンス。ここでメロメロを使うのも良いですし、じごくづきでハイパーボイスを封じても面白いです。
ちょうはつ⇒メロメロを両方決めることができれば、もはや強敵のサザンドラもおもちゃ扱い。レイド用ポケモンとしては見向きもされないような進化前ポケモンで高難度レイドを引っかき回すのは本当に爽快です。
ちなみに、攻撃技がつららおとしやトリプルアクセルではなくれいとうパンチなのは命中率を優先したためです。レイドはとりあえず攻撃を当てればバリアが1枚削れますし、ダメージをバリアで軽減されてしまうことがほとんどなので、絶対的な威力よりも命中率優先で攻撃技を選んだ方が良い場面がかなり多いです。
④ムゲンダイナを守る囮 トゲチック
●トゲチック
おとなしい/きょううん/しんかのきせき
H:252 C:6 D:252
このゆびとまれ/ひかりのかべ/マジカルシャイン/いのちのしずく
<解説>
野良でサザンドラのレイドに潜りまくって思ったことが1つあります。
それは「ムゲンダイナ出す人めちゃくちゃ多くないですか?」ということ。
確かにダイマックス砲でかなりのダメージは与えられますが、ムゲンダイナ自身もドラゴンタイプが弱点であり、冒頭にも書いた通りわるだくみを積まれたダイドラグーンなんて飛んできた日にゃお陀仏です。
とはいえダイマックス砲の火力は非常に強力で、やられさえしなければムゲンダイナは非常に心強い戦力。そこでムゲンダイナを活かすためのポケモンとして育成したのがこのトゲチックです。
ムゲンダイナに飛んでいく攻撃をすべてこのゆびとまれで受け止めるという単純明快な対策となります。
努力値を特殊耐久に全振りしている上に輝石の補正も乗るので、攻撃を受けまくってもそう簡単には落とされません。とはいえ、ダイアークでDを下げられたり、わるだくみを積まれて雨の状態からダイストリームを食らったり…といった事もあるため盤石とまではいきません。また、全体攻撃のハイパーボイスの場合はこのゆびとまれを使っても意味がありません(特にNPCがいる場合は全体攻撃を防げないのは痛い)。そのため、ひかりのかべやいのちのしずくも用意して状況に応じて使えるようにしてあります。
タイプ相性でダイドラグーンやりゅうのはどうを無効化するので、使われた場合はラッキー。それだけターンを稼げます。
性格はB下方補正のおとなしいですが、これはたまたまボックスにいた孵化余りのトゲピーをそのまま使ったためで、B下方補正には特に意味はありません。いわば妥協個体です。
ただサザンドラは物理技を一切使わないため、Bが低くても何の影響もありません。レイド対策ポケモンの場合、想定している相手が明確な場合は本来の欠点が打ち消されたり、ピンポイントな対策が可能となったりするのも面白い点の1つだと思います。
⑤伝説ポケモンの無駄遣い ザマゼンタ
●ザマゼンタ
ようき/ふくつのたて/こうかくレンズ
A:6 D:252 S:252
じゃれつく/スイープビンタ/パワースワップ/ひかりのかべ
<解説>
ここからネタ色が強くなってきます。まさかの盾なしザマゼンタ。
「じゃれつくを安定して当てるためにレンズを持たせたいのと、盾が無い方が素早いから」という理由で盾を没収しました。
私は元々レイドで伝説ポケモンを使うことがほとんどないので、ムゲンダイナ共々ボックスの肥やしになっていたのですが、ここでまさかの投入です。しかもこんなふざけた構成で。
ポイントとなる技はパワースワップ。相手と自分のAとCのランク補正を交換できるので、これを決められればわるだくみの積みを剥がせます。ちなみにザシアンはパワースワップを覚えません。
とはいえ対サザンドラにおけるパワースワップは、相手がわるだくみを積んだ後かつバリアの無いタイミング、つまり1度目のバリアを破壊した直後で使わないと意味がないため、実際に機能する場面はそこまで多くはないです。決まれば爽快ですが…。
余談ですが、盾なしザマゼンタはパワースワップを使えるポケモンの中でアギルダーの次に素早いです。だからなんだって話だが。
相手のバリアが残り1枚の時に連続攻撃技を当てると、2発目以降のダメージはバリアに軽減されません。スイープビンタはそれを狙って入れた技なのですが、思ったほどのダメージは入りませんでした。正直「伝説ポケモンがスイープビンタぺちぺちしてたら面白いだろうな」というネタで入れた面も強いのですが…。
ただ伝説ポケモンだけあって素のスペックはめちゃくちゃ高いので、パワースワップが不発に終わっても壁貼り⇒じゃれつくしているだけで普通に強いです。
パワースワップが思ったほど機能しなかったことで色々と中途半端にはなったのですが、ボックスの肥やしになっていたザマゼンタをこういった形で使えたというのは収穫だったので、個人的には結構気に入っています。
⑥癒しのネタ枠 チョンチー
●チョンチー
ひかえめ/ちょすい/しんかのきせき
H:6 C:252 D:252
マジカルシャイン/10まんボルト/でんじは/しろいきり
<解説>
は?
最初に断わっておきますが、解説もクソもないです。「マジカルシャイン使えるし特性ちょすいだから」というノリと勢いだけで育成して投入しました。
ランターンに進化させない理由?見た目以外にあるかいそんなもん。
ただ実際に使ってみたらそんじょそこらの野良トレーナーのポケモンより普通に活躍するので「あれ?チョンチーでも意外といけるな…」と錯覚し始めるという。
さすがにわるだくみを何度も積まれると厳しいですが、D全振りして輝石を持たせているおかげで1回積まれた程度の攻撃であれば余裕で耐えますし、マジカルシャインで4倍弱点を突けるので火力も致命的に弱いわけではないです。しろいきりを使えばダイアークやダイドラグーンのデバフ効果も防げる。えらいぞチョンチー!
ただの好みでチョイスしたポケモンでも、しっかり考えて育成すればちゃんと使えます。これに気付くとレイドは数倍楽しくなると思ってます。
⑦脳筋破壊神 ニンフィア
●ニンフィア
いじっぱり/フェアリースキン/するどいツメ
A:252 D:252 S:6
とっておき/きあいだめ
<解説>
さて、これまで紹介してきたポケモンはサポーターやネタポケ中心でしたが、ここでようやく純粋なアタッカーの登場です。
行動パターンで紹介した通り、サザンドラは最初のバリア~2度目のバリア展開までの間のみわるだくみを使います。つまり、さっさとHPを減らしてさっさと2度目のバリアを貼らせることでわるだくみを積む機会を抑えられるため、アタッカーの役割も重要です。
サザンドラはフェアリータイプが4倍弱点のため、火力を追求する場合はフェアリータイプが主な候補となりますが、その中でも特に強力なのがフェアリースキンで高火力のフェアリー技を撃てるニンフィアでしょう。
私もアタッカーとしてニンフィアを育成したのですが、ただフェアリースキンの乗ったハイパーボイスやはかいこうせんを撃っても他人と同じで面白くないので、一味違ったアタッカーを目指そうと物理型で育成してみました。
物理型なのでいじっぱりでAに全振りし、技はとっておきときあいだめの2つだけという潔い構成です。
とっておきは威力140と強力な技ですが、覚えている他の技をすべて1回以上使ってからでないと使用することができません(覚えている技がとっておき1つだけの場合は失敗する)。そのため技をあえて2つだけにすることで2ターン目からとっておきを使用可能になります。
そのもう1つの技としてチョイスしたきあいだめも重要。するどいツメときあいだめの急所率アップを組み合わせれば、攻撃が必ず急所に当たるようになります。
つまり、1ターン目にきあいだめを撃ち、以降はフェアリースキンでタイプ一致かつ威力168(140×1.2)となった確定急所のとっておきを撃ち続けるというぶっ壊れ性能のアタッカーが爆誕するというわけです。
ちなみに計算上のダメージはC全振りしてフェアリースキンの乗ったはかいこうせんを撃つのとほぼ同じ。事前に1ターン費やすとはいえノーリスクで撃てるのが恐ろしい。
ちなみにダイドラグーンの追加効果でAを下げられる場合がありますが、確定急所なので関係なし。
物理ニンフィアという意外性と、特殊型に勝るとも劣らない火力はとても魅力的です。立ち回りも楽なのでおすすめです。
おわりに
いかがだったでしょうか?
実用的なものからネタに走ったものまで色々紹介したのですが、私がレイドで大事にしているのは「とにかく色々試してみる」ということです。
レイド=作業と捉えるプレイヤーが多いためか、メガネムゲンダイナがいればいい、エラがみしてればいい、ザシアンを出していればいい、最適解はこのポケモンだ…そういった風潮も強いのですが、私はそういった思考停止や正解を1つにしてしまうのが本当に嫌で、だからこそ自分で考えて育てて試して楽しむことにこだわっています。
チョンチーですらそこそこ活躍できるのがレイドですから、色々試して楽しんだ方が絶対に得だと思っています。本来レイドは作業ではなく、楽しむものだと私は考えているので。
この記事をきっかけにマックスレイドバトルを楽しんでくれるプレイヤーが1人でも増えてくれたら嬉しく思います。
冠の雪原でも死ぬほどレイドやってやるからな。