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プレミリーグの収益と人件費を考えてみる

【はじめに】
このブログは、リヴァプールを応援して20年目でようやくEPLで優勝し何かしらアウトプットしてみようと思った事ががきっかけで始めるに至りました。
また、ツイッターで海外の記事などを翻訳する時に約140文字以内で書かなければはらない制限があり思うように書けない時もありそういったことが背景にあります。
そして特に英プレミアリーグ(以下、EPL)における放映権料の高騰を受け、そろそろバブルがはじけるのでは?という単純な疑問を持ったこともあり、リヴァプール関連だけでなく欧州フットボールにおける放映権料、移籍金、各リーグの収支関係などについても書いていこうと思います。調べていくと本当にバブルがはじけるかもしれない要素が起きていることが分かりました。そしてこのコロナ禍でさらに顕著に表れる可能性もあります。それらを主にチャートを用いて分析していこうと思います。

欧州からEPLという流れでざっくり話を進めていきたい思います。

誤字、脱字、駄文あるとは思いますが、ご覧頂ければ幸いです。
まずは、2006/07~2018/19の欧州フットボールマーケット規模からどうぞ。

【2006/07~2018/19の欧州フットボールマーケット規模】

(2020年8月29日(土) 現在 1€=125 円)

2018/19 の欧州サッカーのマーケット規模は€28.9billion (約3兆6000憶円越)となっており、2006/07 と比べて2倍以上となっています。

【圧倒的な欧州5大リーグ】

上のチャートでもわかるように5大リーグで欧州での収益の約60%を占めています。

【欧州5大リーグの収益内訳】

・観客数はブンデスが平均42738人と最大。
・欧州5大リーグ全てに言えるのは放映権料が最も大きい割合を占める。
・その中でもEPLの放映権料は群を抜いている。
・EPLのクラブの平均収入も€293mと最大。

【EPLのここ数年の収益推移】

2020年8月29日(土)現在 £1 = 約140円

・2018/19シーズンのEPL収益は£5157m (約7,168億円)。
・EPLでは放映権料が収益の占める割合を年々増やしている。
・それに伴い1クラブ当たりの平均収益も増えている。
・2018/19シーズンのクラブ当たりの平均収益は£258m (約358億円)。
・コロナの影響で19/20は収益が減少するが、20/21は再び増加予想。

【EPLの年俸総額】


・2018/19にEPLの年俸総額が£3155mと£3000mを初めて超えた。
・2018/19の1クラブあたりの平均年俸額は£158m。
・スパーズは年俸の割合が39%と3シーズンに渡ってリーグで最も低い数字。

【18/19 EPL各クラブの収益と人件費】

■EPLでは人件費の割合が平均60%超

これは調べていみて予想を超える結果となりました。

・ EPLでは収益に占める人件費の割合が平均して60%を超えています。特にBournemouth,、Everton 、Leicester においてはなんとその割合が85%, 85% 83%と意味不明の域に達しており、FFPなんて眼中にないといった域に達しています(実際そういうクラブはあります)。2つ以上のクラブの人件費が80%を超えるのは15/16以降初だそうです。 また、19/20今シーズンのBournemouthのチャンピオンシップ降格は決して人件費割合の高さと無関係でははないような気がします。

■順位と人件費の相関性

簡単に言うと金使えば順位も上位になりやすいという事です。

統計学において順位データから求められる相関の指標で
Spearmanの順位相関係数というものがそれを表しています。

Spearmanの順位相関係数という統計学の指標は下記の通り。
0~1 一方の変数が大きくなるに従い他方も大きくなるという正の相関がある。1に近づく程その傾向は高くなる事を表します。

-1~0 一方の変数が大きくなるに従い他方は小さくなるという負の相関がある。

0
 2変数が全く無関係。

2017/18は「0.75」 で、2018/19は「0.82」 と上昇しています。

この数値を見てみると、
2018/19は「0.82」とかなり強い相関性が見られます。

そして14クラブが人件費額順位と2順位以内で、8クラブが1順位以内でリーグ順位をフィニッシュしておりやはり相関性は高そうです。

・リーグ上位
リーグ順位と人件費順位には強い相関性がある。人件費順位トップ6のクラブは全てリーグトップ6入り。チェルシーとアーセナルのみが人件費順位よりもリーグ順位が低い結果となっています。スパーズはコスパ良し。

・リーグ下位
またカーディフ、ハダースフィールド、フルハムはこのシーズン降格しており人件費においてもリーグでも下位にいることから人件費をもっとかけたり、独自のスタイルを構築すれば残留する可能性が高まるとも言えそうです。(これは世界共通かも)

・リーグ7位~17位
この順位帯では先ほどのSpearmanの順位相関係数が「0.25」となっており、競争が熾烈で予想が難しい環境であると言えます。
チャートには無いのですが、特に19/20シーズンのシェフィールドユナイテッドは、人件費最下位ながらも9位フィニッシュと予想の難しさを物語っています。(この結果を予想していた人はいなかったのではないでしょうか。)

【結論】
EPLは金を使いすぎという事です。
EPLが巨額の放映権料をSkyやBTから受けとり、それを各クラブに分配。
基本的に人間は金があれば使います。それを当たり前と思って予算組みや投資を行います。
今回のコロナ禍によってキャッシュの流れが止まり色んな当たり前が少しずつ当たり前ではなくなりつつあります。
シーズンオフの移籍金等でも通常の3~5割低い値段で推移しており早くもその影響が見られ、今後はbrexitも絡んで難しい状況が予想されます。
プレミアリーグに昇格すれば100憶円近い放映権が獲得出来る事もあり、2部にあたるチャンピオンシップでは無理な投資でウィガンが破産に追い込まれるなど負の側面も出ています。
FFPが骨抜き制度になってしまった今、それに代わる制度の構築が急務ではないでしょうか。


【参考】
スピアマンの順位相関係数
Spearmanの順位相関係数

【Source】
deloitte

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