見出し画像

息抜きではない

久しぶり娘に会ってきた。

そして偶然に、息子にも会えた。

離婚して子供と会えなくなってから、息子には全然会わせてもらえなかった。理由は『もう私の事を軽蔑してるから会うの無理だと思うよ』と元夫に言われていた。

なんとなく想像は着いていた。真ん中の息子。

兄弟の中で1番感受性が高く、明るくてとても優しい性格の子だった。いつも私の味方をしてくれる子だった。息子が年長くらいの時だったかな、、義母と一緒にご飯を食べていた時、何だったかいつものように曖昧な嫌味が入った言葉を義母が私に言った。これは何もないいつもの家族の日常会話で、私も何もなかったかのように笑いながら「すみません」と義母に言った。普通の日常的なものだった。急に年長さんの息子が「ばあちゃん、そんな言い方したらお母さんが嫌な気持ちになるって分からないの?」と。

私と義母との日常に割り込んできたのだ。

この子はそういう事が分かるの?、、、その場で私は泣きそうな位、嬉しかった。義母も苦笑いで「ハイハイ。ばあちゃんが今のは悪かったね」と。息子は口を尖らせ「そういうのやめたがいいよ」って。

嬉しかった事半分、息子の心の成長に感動した事半分の一生忘れる事の出来ない事がだった。

離婚したのは息子が小学6年の時だった。子供達を呼んで、夫と一緒に離婚を告げた。マイペースな長男は何処か遠い所の話しのような顔をしていた。下の娘もしょんぼりして、現実を受け入れてなかった。真ん中の息子だけ急に嗚咽した。声にもならない、震えた泣き声。

息子に、あんな泣き方をさせてしまった。本当に私なんて地獄に堕ちれと思った。とても感受性の高い子。心優しい子。明るい子。私の自慢の子。私の味方をしてくれていた子。

その後、夫や子供達と離れてから、夫からは上と下の子供は会えると思うけど、真ん中の息子は私を相当恨んでるから会わない、会ったらばあちゃん(義母)が可哀想だと言ってると言われた。

息子の事だ。想像はついてた。息子は大人の世界で大人の対応ができる子だったから、当然そうだろうと思えた。勿論私としては苦しかった。明るい子に嫌な大人の世界の感情を早い段階で植え付けてしまった。

避けられて当然。嫌われて恨まれてても良かった。私にとっては何も変わらない。命に代えてでも守りたい存在。元夫に何を言われても受け止めている。

離婚してからはこんな関係で、娘とはたまに会えて、長男とも少し会えていたが真ん中の息子とは会えていなかった。


久しぶり娘と会った。中学生の娘は前に会った時よりまた少し身長も伸びていた。コンビニの駐車場に車を止めて、車の中で娘と会話していた。私の心の中で息子達も偶然コンビニに来ないかなと少しの期待はあった。

前の記事でスピリチュアルな事を書いたのだが、これはスピリチュアルなのか家族だからなのか、何回か車で子供達がいる街を通る時、子供とすれ違う事ができた。

そんな事を心の中で望みながら懐かしい街のコンビニの駐車場に私と娘はいた。

その姿を見た時、一瞬で分かった。

娘に「あれお兄ちゃんじゃない?」黒い大きなママチャリを止めて、コンビニに入る男の子が見えた。真ん中の息子だった。

娘に「お兄ちゃんの自転車って黒?」と聞いた。「う〜ん?そうだったけかなぁ?」って、なんでそこ悩む?天然すぎる娘(笑)

「ちょほらやっぱそうじゃない!」私はもう心が抑えきれなかった。「あ、本当だ〜」本当にマイペースな娘。

「声かけていいかな?」娘に確認

「ダメだよ。私がママと会ってる事はみんなに内緒ってパパから言われてるもん」

「えっ。大丈夫大丈夫、言わんどきゃいい!」

「え〜じゃぁ、私隠れる」いや見えてるし(笑)

高校生になった息子はコンビニの袋を下げて自転車にスイっと乗った。気づいたら私は車の窓を開け大きな声で「○○くん!!!」と叫んでいた。

私に気づいた息子は、突然の事にビックリしたような、複雑な笑顔を向け私の所に来てくれた。私は車から降りて息子にかけよった。

「大きくなったね」

私の身長は抜かれていた。正直もう何を話したのか所々でしか覚えていない。この地球上で私は息子の近くにいる事が今、何よりも嬉しかった。

元夫から聞いていたのと違う対応だった。写真も撮らせてくれた。「大丈夫だよ」と言ってくれた。彼の心は年長さんの時の私の味方をしてくれた優しい男の子のままだった。

会えて良かった。有難うとごめんねが入り混じった貴重な時間だった。

きっとまた近いうちに会える。そう強く思えた。

私は離れていても、ずっと子供達の味方で、ずっと変わらない愛を飛ばして、幸せを願ってると何回も何回も伝えようとまた強く決心した日であった。


帰ってから、今のパートナーから「どう?息抜き、できた?」と言われた。


、、、息抜きという言葉に違和感を感じた。ん?息抜き?

「いや、、息抜きとかしてないよ」ちょっとだけ興奮してしまった。パートナーはそんなつもりで言ってないのは分かってたけど、、

「え?息抜きってストレス発散的な?」

「いや、日常と違った感じで息抜きできたかなと思って、、、、」

「いやいや、子供と会う事が日常と違うとか、息抜きとかではない。そんなもんじゃないよ」

後で反省した。少し寂しい思いさせたかもしれないけど、、


息抜きではない。

子供達との時間は私の人生。貴重な時間。かけがえのない時間。子供達の幸せを願う時間。

私はこれからもずっと愛を飛ばしていく。

有難うごめんね。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?