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生きるために、投げた時期

だいぶ時間が経ってしまいましたが、2024年2月に行われたPoJC 2024について振り返っていきたいと思います。

※本記事では一部で過激な表現を用いることがあります。ご了承ください。


1.試練

友人達との再会を満喫するはずだった2023年の年末に、想像もしていなかった試練が私を待っていました。

ウキウキな状態で、いざ、会ってみると、友人達とはすっかり価値観が合わず…
社会に揉まれ、周りに合わせることがどんどん上手くなっていく友人達の姿に耐えられませんでした。
なんでそんなによそよそしいんだ。なんで妙な連中のことをかばって、私には冷たいんだ。


もっと、不器用でも本音で語り合ってきたじゃないか (._.) 
私よりも、目の前の女やオッサンの方が大事なの?!


え?!こんなことってあるのか?!


てっきり、ずっと仲良くやれると思っていたのに、何だか自分からどんどん人が離れていくような感覚を覚えました。

もうダメだ。

自分が変わりすぎたのか、いや、それとも一種の裏切りなのか…?

生まれて以来、ひとりぼっちを味わい、ひとりぼっちを怖がってきた私にとって非常に恐ろしい出来事でした。今、振り返れば大したことじゃないような気もしますが。


夢や希望も全部引き裂かれ、完全に落ち込んでしまいました…





もう、生きていても仕方がない





神様に魂を返そう、と決めたそのときでした。



”待て!!”





え?Σ(´∀`;)




”待て!!”


自分の内側から聞こえてきた謎の声。何を待てって言うんだよ?


いや、待てよ…


どうせだったら欲望の限りを尽くした方が良いのでは…

よく考えたら大会運営だって全うしていないじゃないか


そう考えはじめた私に浮かんできたのはもちろん

”ジャグリングがしたい!!”

そうこなくっちゃ~


一瞬でギアが入りました。
全く寝付けず、一晩中のたうち回る生活でしたが、何とか気持ちが上向きになってきたのではないか?


ジャグリングと向き合うにはマイルストーンが必要だと考えた私は、当時、過密スケジュールの問題で出場を諦めた関東ジャグリング大会の代わりを探しはじめました。


良い大会があるじゃないか。


エントリー数が少なかったことから演者受け入れムードだったProof of Juggling Cup 2024にエントリーすることを決断。
AIを利用したジャッジということで、私のようなアウトサイダーは向かないだろうと敬遠していましたが、エントリー数が少ないなら歓迎してもらえるだろうし、何より、何らかの大会に出ないと、もうGame Overでした。


エントリー名は今までの”安x”ではなく、本名にしました。
これは、少し前から、大会に出たときに芸名を使っていることが分かると、ジャグラーではない方々から、”ジャグリングって本名を隠さないといけないくらい治安が悪いの~?”と言われる機会が多かったためです。
品位を損ないかねない演技を披露しているだけに、競技会くらいはバシっと本名で出てやろう、ということになりました。


1月のエントリー。1か月で演技を仕上げられるのか…?!



2.準備

演技を作る前に、新春セールに乗っかってクラブを買うことを決断。
もう既に多くのクラブを持っていたので本当に買うかは非常に悩みましたが、生まれ変わるために思い切ることにしました。

選んだのは、ヘンリース ドルフィンクラブ ショート。
ほとんどの人が持っていないクラブで、パッシングに甘えない、自立してジャグリングを味わい尽くすんだ、孤独を手に入れるんだ、というメッセージも込めました。色も、独創性を重視して紫のボディー(膨らんでいる部分)にピンクのハンドル(握るところ)を選択しました。


新しいクラブの到着を待ちながら演技構築タイム♪


1か月で仕上げるなら、3分程度の演技が好ましい。

当時の私は謎の発想に包まれており、かつ、それを疑うことも全くありませんでした。なんだったんだろう。


とはいえ、謎の発想のもと、演技時間だけが確定。選曲は…となったときに出会いがありました。

大道芸を観る機会があり、非常に元気づけられました。
あぁ、会場の一体感が素晴らしい。キラキラのステージを味わいたい!


そこで注目したのがアニソン。メリハリの効いた有名曲に乗っかれば、もたついたダサ男の私でも上(笑)を目指せるのではないか?


TV サイズの音源を探し回り、1分半×2で3分という作戦に出ました。


テーマは”笑顔”、”キラキラ”。明るければ何でもいい、といった選曲で攻めました。これが地獄のはじまりだったとは知らず…


1曲目は ”Butter-fly” 。
デジモンのテーマソングになっており、疾走感のある感じが良いと判断。
クラブジャグリング→しっとりとしたゆっくりめの演技、という感じも壊したいという謎の勢いもありました。今振り返ると止めておくべきだったような気もしますね。


2曲目は"Daydream cafe" 。
”ご注文はうさぎですか?”の曲で、とにかく、キラキラしたかったので選びました。一番勢いに乗っていた頃を思い出して辛くなることも多く、意外と精神面で苦しめてきた曲でした(笑)。



大した考えもないバカ選曲のせいで苦しむことになるとは知らず、ワクワクで演技を作り始めた私でした。

構成は、自分の好きな技(の中でも成功率がましな部類)を好きなタイミングで出すものにしました。

それっぽいコンボをやった後にセブズメス風(無回転の技)、難易度の担保みたいな5クラブを挟んでからハイトスを披露して1曲目を締める。そしたら、かわいい曲に合わせてニッチなリストトラップやショルダーをかますぞーーーーー!

案外さっさと技が決まったところまでは良かったのに、再びメンタルがやられはじめました…

全く演技中にハジけられず、頭が真っ白。とりあえず、何かしないと…


衣装を買いに出かけよう!!!


最初は適当にユニクロか何かで上着を買おうとしたのですが、気がついたら体が原宿へ。竹下通りを奥に進むと、人が多すぎない良さげな店が。



ビビり散らかしながら、店員さんに黒ばかりのファッションを卒業したい旨を伝えると、いくつか候補を挙げてもらうことに。

そんな中で気に入ったのが今回の衣装。中にも外にも上着を組み合わせることが出来、スキニーと組み合わせてラインを作ることが出来る、という汎用性の高さ・自由な感じのデザインに一目惚れ。紫色がクラブにも合っていると思いました。

予算が危ない私でしたが、Instagram登録で値引きをしてもらうという素晴らしい対応で無事に救出されました。本当にありがたい原宿体験でした。


3.戦い

練習を開始して数日で添削用の動画撮影に移りました(残り1か月を切ってしまい大焦り)。ノードロップなんて撮れるはずもなく、つぎはぎの編集動画を作成。スケジュール・高さの問題で屋外の撮影となり、風との戦いも壮絶でした。

通し練をはじめてみると1曲目のButter-flyが速すぎて全くリズムに乗れないことに気づき…

というか、最近になって急に、拍に合わせて動くことが出来なくなってしまったのでした。良くこんな人がバンドなんてやっていたものだ…


添削を頼んだのはじゃぐりサマーと同様、海外勢と部活の先輩でした。

海外勢からは技の安定性を高めるために、少ないキャッチ数の練習をしっかり積むようにアドバイスをもらい、先輩からは、曲調を捉え、シーケンスのはじまりと終わりをメリハリのあるものに仕上げるようフィードバックを頂きました。


スケジュールの関係で、練習時間は週に6時間確保できれば良い方。
1回の通し練を死ぬ気でやらないとマズい、という感じでした。

特に、5クラブカスケードを安定させるのが大変でした。
でも、めげずに投げまくっているとなんとか演技中にある程度のキャッチ数を記録できるようになりました。継続って大切。


それにしてもButter-flyは速い。勘弁してくれ。


何とかそれっぽい感じに演技が仕上がりかけたところで、なんと体調が悪化しました。

今までに感じたことのない腕の痺れに襲われるだけでなく、練習の最中に立てなくなって横たわることもしばしば(一緒に練習していた皆さん、ごめんなさい)。


それでも、私なりに必死に練習しました。
ここで止めたら、人生おしまいだよ?


jugg-us、Malabaristas、じゃぐてっく、高円寺ジャグリング練習会…

頼れるものは何でも頼るという感じでした。


コンディションを上げるためなら、と食事制限も撤廃し、カツも容赦なく食べる展開に持ち込みました。メンタルを整えるために、町中華で積極的に食事をとりました。


何がなんでも舞台で笑ってやる、ジャグリングでベストを尽くして死んでやる…!!



4.本番

遂に来ちゃったよ…決戦の日が。とはいえ、今回の演技はとにかく笑顔で終えることが大切。ピリピリし過ぎないように…


夜に演技時間が来るのは今回が初めてで、何時に起きて良いやら全く分からず、困りました。理論上は正午くらいに起きた方が良いような、でも怖いような…

結局ビビッて9時起床。
中途半端でした… 会場へ移動しているときに何だか疲れているような、う~ん。


空腹も覚えはじめ、勢いよくおかきやカレーうどんを食べまくりました。


会場に着いたら、謎の震えが止まらなくなって死ぬかと思いました。

見知った顔を見つけて何とか安心…したところでブルブルする私。直前まで書類等に明け暮れていたのが響いたのか…?


とにかく笑顔で、笑顔で終わらせる…!


可もなく不可もなく…

本番のショートクラブは軽すぎて手に負えませんでした。でも、無理やり5クラブをキャッチする等、随所で技が決まった(?)ところが良かったです。

正直、「こんなもんか、自分の本気は。」というのが感想ですが、良くも悪くも自分らしいな、とも思いました。


あとはもう、お楽しみムード。日頃からお世話になっている市川さん、齋藤さん、土居さんの演技も楽しみだったし、ずっと観たかった憧れのほりさんの演技やちょいもさんのボールが観られたのも最高でした。ディアボロ勢も上手いし、だけもとさんも技が面白いし、しんたくさんは最高だし…


生きてたら、良いことも悪いこともあるもんだなぁ…(*´з`)


結果発表のとき、正直、自分は関係ないと思っていたので、のほほ~ん♪としていたところ、なんと、3番で呼ばれてしまいました。

うわ~、いいのかなぁ…(゜-゜)

まぁ、いいや。他の演者の方もいらっしゃることだし、胸を張ろう。


最後の記念撮影タイムのとき、1位になった齋藤さんとグータッチをした瞬間なんてたまりませんでしたね~。うわ~、生き延びたなって。人として扱ってもらえてるな~って。


最高な1日でした。



帰り道にふと思ったのが、

「また、食事制限かよ~」

でした(笑)


5.総括

振り返ってみると、「もっと勝ちに行くような構成の演技を作れよ」と自分自身思いましたが、笑顔で1日を終えたこと、自分にしては真面目にジャグリングと向き合ったことだけは評価しても良いかな、と思いました。

最初は、もうこれでクラブジャグリングはお休みしようかな、と思っていたのですが、今回の演技がきっかけで5クラブも一気に上手くなったことに気を良くして、ぼちぼち続けてみることにしました。

後日届いた講評を見てみると…


技の安定性、演技構成、衣装…

好評価を受けたのは、全て他の人がくれたアドバイスに従った部分でした。



みんな、すげー(^▽^)/



自分なりに壁を乗り越えながら、自分の潜在性における高みを目指したいと感じた私だったのでした(終)


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